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城田優、「カムカムエヴリバディ」の語りは“第4のヒロイン”!?2021/12/18

城田優、「カムカムエヴリバディ」の語りは“第4のヒロイン”!?

 現在放送中の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK総合ほか)。第7週(12月13日~17日放送)は、出征したまま行方不明だった雉真安子(上白石萌音)の兄・橘算太(濱田岳)がクリスマスに帰還。しかし喜びもつかの間、美都里(YOU)は稔(松村北斗)がいる空の向こうへ旅立ってしまいました。さらに、ラジオ番組「カムカム英語」とのお別れ、進駐軍将校のロバート・ローズウッド(村雨辰剛)との再会、勇(村上虹郎)からのプロポーズ…。今週もさまざまな出来事が起きた1週間でしたね。

 さて、今作は3人のヒロインがラジオ英語講座とともに歩んだ、親子3世代を描く100年のファミリーストーリー。とにかく展開が早いですが、皆さん追い付いていますか? 第8週(12月20日~24日)では、2代目ヒロイン・雉真るいを演じる深津絵里さんが登場します。

 そんな時代や舞台、登場人物が目まぐるしく変わる一方で、初回から最終回まで欠かせない存在にお気付きでしょうか? それは、劇中で重要な役割を担っている“語り”。「カムカムエヴリバディ」はラジオ英語講座がテーマなので、日本語と英語で物語を進行しているのが特徴的です。

 今回は語りを担当している城田優さんに、出演が決まった時の心境や、語りをする上で意識していることなどをお伺いしました。

――まずは、「カムカムエヴリバディ」の語りに決まった時の心境をお聞かせください。

「シンプルに光栄の一言に尽きます。以前『純と愛』(2012年度後期)に出演させていただきましたが、役者として出演するのとはまた違いますね。正直に言えば、今回のオファーの方がうれしいかもしれません。というのもナレーションは、物語の世界観をつくるのに一番重要なパートで、その物語の核となる部分を僕に任せていただけるのが本当に光栄なことだからです。しかも、物語の第1話から最終話まで全編を通して登場します。今回はヒロイン3世代にわたる物語なので、おそらく出番が一番多いのは僕です。これはもう第4のヒロインと言ってもいいのではないでしょうか(笑)」

――語りをする上で、意識していることはありますか?

「物語のテーマの一つがラジオ英語講座ですが、ナレーションも英語講座のイメージでやらせていただいています。流ちょうに抑揚をつけた、完成させた語りというよりは、やはり日本語で言った後にわざわざ同じことを英語で置き換えて言うということに意味があるのではと思っています。ラジオ英語講座は、ラジオで英語を教えることがメインのプログラムですよね。なので、ナレーションもその英語の教材の一部であるということを大切にしています。お子様からご年配の方まで“朝ドラ”をご覧になる幅広い層の中には、初めて英語に触れる方もいらっしゃるかもしれない。すべての方々に向けてしっかりと耳を傾けていただけるように、語り部として物語を届けていきたいと思っています」

――日本語と英語を織り交ぜた語りは難しいですか?

「僕はスペイン人と日本人のハーフなのでスペイン語の発音なら直されることはないのですが、英語は10代から興味を持って独学で学んだ言語で、決してネーティブというわけではないんです。ヒロインの安子と同じですね。シンプルに英語に触れて興味を持って学び始めて、多少日常会話が話せる程度です。英語の発音は本当に難しいので、そこは一番頑張っています。新しい台本をいただいて英語のナレーションがあると、いまだに『わ! 英語がある!』ってなりますね(笑)」

――では、台本を読んだ感想を教えてください。

「3世代の物語というのは珍しいですよね。物語も三分割されている分、その一人一人の人生が濃く、序盤から展開がとても早いです。まるで植物が太陽の光と雨でどんどん枝を広げ、花を咲かせ実が大きくなるように、人もどんどん成長し濃くなっていく。そして枯れていくものもあればより咲いていく花があり、そして次の世代に受け継がれていく。今回のタイトルにもなっているように英語がすごく意味を持っていて、かつ、そこでつながっていく。一見大したことないと思っていた人と人とのつながりが、後に深いつながりになっていったり。偶然だったり奇跡的だったりする、ささいな出来事が自分の人生を変えてしまったり…。そんなことがたくさん散りばめられていてドラマチックな物語です」

――ヒロインの印象はいかがですか?

「上白石萌音ちゃんが演じる安子が本当に素晴らしいんです。何度も泣かされましたね。彼女が笑っていると、こちらも幸せになるし、彼女が悔しそうにしていると『頑張れっ!』と応援したくなります。ドラマを見る人たちにとって、なによりも必要なことは共感することだと僕は思っていますが、安子という女の子は、視聴者の皆さんを置いていかずに、みんなと同じラインに立っているような気がします。自分の愛する人が守りたかったものや、自分の愛する人が好きだったものを心から大切にすることができる人で、自分の家族と好きな人の家族、そのどちらも平等に愛せる懐の深いヒロインです」

――最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「この物語の中には、希望を持って未来を信じ、前に進んでいく人物たちがたくさん登場します。安子は英単語を毎日一つ覚えるごとに、戦地に行った稔に会える日が近づくと信じていました。残念なことにその希望はかなわなかったですが、信じるということが人生ではなによりも大切なんです。今、薄暗い闇の中にいて前に進むエネルギーが必要な方々に、少しでも栄養となるようなものを、毎日15分間見ていただくことで蓄えてもらえればと願っています」

――ありがとうございました。

第8週あらすじ(12月20日~24日放送)

城田優、「カムカムエヴリバディ」の語りは“第4のヒロイン”!?

 安子(上白石)は勇(村上)から思いを伝えられましたが、すぐに返事ができずにいました。そんな中、算太(濱田)と「たちばな」のような和菓子屋さんを作ろうと決意。おはぎを売りながら少しずつお金を貯めていきます。そして、るい(古川凛)の幸せを一番に考えた安子は…。

【番組情報】

連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
NHK総合 月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月曜~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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