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上白石萌音が「カムカムエヴリバディ」で“朝ドラ”初出演&初ヒロイン! 周囲の反響や英会話との出合いとは?2021/05/03

 2021年度後期連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK総合ほか)は、“朝ドラ”史上初、3人のヒロインが、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座とともに歩んだ3世代の親子を描く100年のファミリーヒストリー。

 初代ヒロインの上白石萌音さんは、戦争で夫と死に別れ、娘を置いてアメリカに渡るしかなかった祖母・橘安子を演じます。そして、親と英語を憎みつつも、ジャズソングに救われて自分の人生を切り開いた母・るいを深津絵里さん、時代劇の世界に憧れながら、回り道を経てラジオ英語講座に自分の居場所を見つけていった娘・ひなたを川栄李奈さんと、ヒロインのバトンがつながっていきます。ラジオで英語を聴き続けることで、3人がそれぞれ夢の扉を開いていく、ハートフルコメディーです。

 先日行われたリモート取材会には、安子役の上白石さん、制作統括の堀之内礼二郎さんが登壇。クランクインした上白石さんが“朝ドラ”に対する思いや今の心境をはじめ、作品の題材にもなっている英会話との出合いについて、たっぷりと語ってくださいました。

――まずは、クランクインされて3週間たった今の心境をお聞かせください。

「参加したくてたまらなかった作品に、ようやくクランクインすることができて、毎日現場に行くのがうれしくて仕方ない日々を過ごしております。このチームは本当に明るくて『カムカムエヴリバディ』という作品の名前にふさわしいくらい、みんなが『おいでおいで』『楽しんでいこう』というような、太陽の明るさを持ったチームです。撮影初日から既に2週間くらいご一緒しているような気持ちになってしまうほど、ファミリー感があります。そのような環境の中、橘安子として伸び伸びとお芝居をさせていただいております。今日の場所は、安子のおうちの和菓子店『たちばな』のセットです。美術や衣装などもすべて素晴らしくて、現場にいるだけで物語にすっと入れるような環境を作ってくださっています。本当に撮影が日々楽しいです。プレッシャーもありますが、安子らしく自由に生きることができたらいいなと思っています」

★“朝ドラ”初出演&初ヒロイン!

――“朝ドラ”に対して抱いていたイメージはありますか?

「もちろん憧れでした。おそらく、お芝居をしている方は皆さん一度は憧れる場所だと思います。でも、自分がヒロインをできるとは思っていなかったので、われに返るといまだに“すごいな”と思う時があります。今までご一緒してきた俳優の先輩方に『萌音ちゃんは、いつか絶対“朝ドラ”に出るよ』と言われ続けていて、しかも『たぶんだけど、BK(NHK大阪拠点放送局制作)で昭和だと思うよ』と。そこまで言ってくださる方が結構いらっしゃって、私はおこがましいなと思いつつも、ひそかな夢として抱いてきたので、すべて言い当てられてビックリしています」

――ヒロインに決まった時の周りの反響はいかがでしたか?

「皆さん本当に喜んでくれました。特に祖父母は“朝ドラ”が大好きで、『いつか出てほしいな…』と言われていたので、決まった時は『また生きがいができた』と言ってもらえて、すごくうれしかったですね。反響はとても大きくて、発表された日は誕生日くらいメールが来ました(笑)。誕生日より来たかもしれないです(笑)。そのくらいたくさんの方が楽しみにされているドラマだということをあらためて感じました」

――先ほどおっしゃっていた「BKで昭和だと思うよ」と言い当てた方と連絡は取れたのでしょうか?

「はい。『ほらね』と言われました(笑)。すべて当たっていたのが怖くて、少しブルっときました(笑)。『すごく楽しみにしている』と言ってくださいました」

――実際に撮影が始まって、新しく発見したことや驚いたことはありますか?

「作品に関わる皆さんが“朝ドラ”をいかに愛していらっしゃるのかを、ひしひしと感じる現場です。脚本も素晴らしいですし、それを最高の形で届けようという熱意に、私も感動して熱くなりながら参加させていただいています。とてもお芝居がしやすい環境だなというのが第一印象で、心が動くことを一番に考えてくださる、とてもとてもぜいたくな現場です」

――“朝ドラ”の現場を体験して、成長を感じていることがありましたら教えてください。

「本当に日々必死で、大丈夫かなと思いながら撮影をしています。監督のOKを信じながら、ワンシーン、ワンシーン重ねているところです。今回私は1年間の撮影ではないですが、長い期間1人の女の子の10年20年の人生を生きられるというのは、なかなかできない経験だと思うので、脚本の藤本有紀先生がくださる言葉を信じながら、丁寧に演じて、振り返った時に“成長できたな”と思えたらいいなと思います。必死に頑張ります!」

――今回、上白石さんが演じる安子は、どのような人物なのでしょうか。

「安子は愛情たっぷりに育てられた、すごくすごく幸せな女の子です。私は14歳から演じさせていただいているのですが、とにかくピュアで、自分の役について言うのも変ですが、本当にかわいらしい人柄です。それを助長するのが岡山弁で、岡山弁は本当に柔らかくて、岡山の土地が持つ柔らかさや大きさがすべて詰まった言葉なので、岡山弁を話しているだけで安子に近づけるような気がしています。また、和菓子が大好きな女の子でもあります。和菓子屋さんのお話なので、現場には常に和菓子があって、運が良ければ私もおこぼれをいただける時があるので、それをご褒美にしながら頑張っています。しかし、安子は時代の波にのまれながら、いろんな事を経験して、1人の人間として変わっていかなくてはいけない局面を迎えることもあります。安子が持っている純粋さや、ひたむきさをずっと持ち続けて、すてきに成長し続けていけたらいいなと思っています」

――上白石さんご自身、和菓子はお好きですか?

「私、和菓子が大好きなんですよ! ケーキより和菓子が好きで、私も安子と同じであんこが好きです。なかなか一番は決められないですが…。クランクインして少したった頃に、和菓子指導の先生が『これが、たちばなの味です』と言っておはぎを出してくださって、それが本当においしかったので、今のところトップはおはぎです。『たちばな』の名物でもあります。ぜひ、記者の皆さんにも『たちばな』のおはぎを食べていただきたかったのですが、リモートで残念です。作品で見られるのを楽しみにしていてください」

――楽しみにしています。では、初めて台本を読んだ時の感想を教えてください。

「“なんてすてきなんだ!”と心から思いました。ワンシーン、ワンシーン、セリフの一言一言が本当に温かくて、この作品に携われることが本当に幸せだなと思いました。その思いは、何度読んでも変わらないですね。毎晩、頭から最後まで読んでいるんですが、毎回“はぁ~すてきだ!”と思います。そんな愛を深められるような脚本をいただけて、すごく幸せですし、その温かさに感動しています。そして、“これをきちんとお芝居で表さないと”と思って現場に行くのですが、周りの皆さんは脚本からさらに深められたお芝居を目の前でしていらっしゃるんです。それぞれが深めたものを現場で出し合って、言葉が生き生きと輝く瞬間を目の当たりにして、毎シーン撮り終わるのが惜しいくらい、思い入れがとても強いですね。早く皆さんにお届けしたい気持ちでいっぱいです」

★英会話との出合いは?

――本作はラジオ英語講座を通して英語を学んでいきます。上白石さんは英検2級を持っていらっしゃいますが、英語に興味を持ったきっかけを教えてください。

「きっかけは2、3歳の物心がついた頃で、生まれ故郷の住んでいた家から歩いて5分もない距離に英会話の先生が住んでいらっしゃいました。その先生のおうちがすごくすてきで、外国人の方も出入りされたり、同世代の子たちが英語を習いに行ったりしていたので、そこが遊び場みたいな感じでした。先生の家に行って、自分が英語を使っているという実感がないまま、みんなと一緒に英語でゲームをしていました。そこが出発だったなと思います。その後、小学校3年生から5年生の3年間メキシコに住んでいたことがあって、メキシコはスペイン語ですが、海外の文化に触れて、現地の言葉で人と話をする楽しさ、文化が違っても共通言語があったら分かり合えるということの素晴らしさを子どもながらに感じました。本格的に英語の勉強を始めたのは、帰国してからです」

――英語の好きなところはありますか?

「勉強を始めた頃も今も思うのは、純粋に英語を話している時は“かっこいいな”“私、今英語しゃべってる!”と思うことです(笑)。特に“R”の発音が好きで、英語の発音の響きや滑らかさに魅力を感じました。少しでも英語を話せると、海外に行きやすくなりますし、道に迷っている外国人と仲良くなれますし、世界がうんと広がるのを感じます。いまだに日々勉強しています」

――上白石さんはNHKワールドJAPANオリジナルドラマ「Home Sweet Tokyo」で英語のお芝居もされていましたね。作中の英語との関わり方を教えてください。

「私は約1年、NHKのラジオ英会話のテキストで、翻訳をする連載をさせていただいています。なので今回、ラジオ英語講座を題材とした作品に出られることに、とてもご縁を感じています。今、撮影している時点の安子は、まだ英語と出合ったばかりで、聞こえてくる言葉が何を言っているのかさっぱり分からない、でもすごくすてきな言葉を一生懸命勉強しているところです。私が英語を学習し始めた頃『何を言っているか分からないけど、このすてきな言葉をしゃべれるようになりたい』と思っていました。歌を覚えるように、まねっこをしながら英語を覚えていたなというのを思い出しながら撮影をしています。私も初心に帰って、学習し始めた頃からの過程を一緒になぞりながら、少しずつ英語が上達していく安子を丁寧に演じていけたらいいなと思います」

――大正や昭和の時代は、現代のようにすらすらと英語を話す人が少ないと思いますが、どのように英語と向き合いましたか?

「まず、大正や昭和の頃からラジオ英語講座があったとことに驚きました。やはりどの時代も、みんな学びたい気持ちがあって、外国とつながりたい気持ちがあるんだなと感じました。英語を話せることが当たり前のような時代になってきている中で、その原点をあらためて知ることができるのは楽しいと思いますし、この時代ならではの学び方を私も楽しんでいけたらいいなと思います。この作品を見てくださる皆さんが、“英語を学習したい”と思うきっかけになれたらすてきだなと思います」

――安子はラジオ英語講座と出合って、未来を切り開いていきますよね。上白石さんご自身、ラジオを聴いて元気をもらった経験はありますか?

「ラジオはとても好きで、よく流しています。この作品に入ってから、より聴くようになりました。私はお笑いが好きなので、芸人さんのラジオを聴くことが多いです。NHKさんのラジオだと、東京03さんの番組が大好きです。今は目を使って楽しむエンターテインメントが増えている中で、音だけの情報で笑ったり感じたりできるのは、貴重だなと思いますし、ラジオを聴いている時は、より周りが見えるような気がします。これを機に“ラジオを買いたいな”“ちょっとradikoを開こうかな”と思う方が増えたらいいなと思います」

★安子の生まれ故郷は岡山市!

――これから岡山に触れる機会が増えると思いますが、岡山の印象を教えてください。

「クランクインする2日ほど前に、初めて岡山を訪れたのですが、不思議と知っている町のように感じました。時間の速度や空気の感じが、私の地元と少し似ていると感じました。また、台本に岡山の地名や川の名前が出てきたり、岡山城という言葉がたくさん出てくるので、台本を読んでいたからか、すべてがしっくりきたというか、答え合わせができたような感じがしました。『ここで生まれ育ったから、安子はこういう子になったんだな』というのをすごく感じました。劇中で出てくる曲や、劇中で話す言葉を頭の中で反すうしながら、岡山の町を歩いた時に、安子がすとんと入ってきたような気がしました。その子が生まれ育った場所に行くというのは、すごく大事なことだと思います。岡山に行って感じた空気が、京都の太秦のセットにもすごく流れているのを日々感じているのですが、おそらくそれは岡山編に出演される皆さんの空気感だと思います」

――共演者の印象や現場の雰囲気はいかがですか?

「安子のお父さん役の甲本雅裕さんが岡山のご出身で、普段から積極的に岡山弁を使ってくださっています。皆さんも岡山弁を使いながら、語尾に『じゃー』を付けて話すこともあります。あと安子の発音が(“す”のイントネーションが強い)“やすこ”なんですよ。スタッフさんも“やすこ”と呼んでくださるので、それだけで岡山を感じられますね。とても温かくて幸せな空気の中で撮影しています。今後、ロケにも伺う予定ですので、すごく楽しみです」

――“朝ドラ”の撮影は長丁場ですが、体調管理で気を付けていることはありますか?

「ストレスをためないことですかね(笑)。『眠い』とか『疲れた』とか言っていこうかなと思っています。こういうご時世なので外食ができないもどかしさがありますが、京都はおいしいものがたくさんあるので、いいお野菜を買って、いいお肉を買って、きちんと食べて、お風呂にしっかり漬かって、規則正しい生活を送りたいと思っています」

――現場に入ってからルーティーンになったことがありましたら教えてください。

「“朝ドラ”の撮影が始まってから、朝をすごく大事にしたいなという思いが強くなりました。もともと朝が弱くて、早起きが苦手ですが、“朝ドラ”をお届けするなら、私もいい朝を過ごさなきゃ(笑)という思いが芽生えました。朝、しゃきっと起きて、しっかり朝ご飯を食べて、現場に行くことを大事にしています。今までは朝起きて、『わーっ!』と急いで家を出ることもありました(笑)。今は、きちんと朝ご飯を食べています! “朝ドラ”に朝を変えてもらいました。朝ご飯は大事です(笑)」

――本作は3人のヒロインが登場して、上白石さんはトップバッターですが、深津絵里さん、川栄李奈さんにどのような形でパスを渡したいですか?

「そのことを考えると背筋が伸びます。親子3世代の物語でもあるので、役柄として通じるところもありますし、安子が発した言葉が、深津さん演じる娘のるいさんにつながっていくと思うので、一つ一つ丁寧にベストを尽くすことかなと思っています。でも現場の雰囲気は、クランクインする前から無条件にいいので、『温めて渡さなきゃ』みたいなプレッシャーは全くないです。とにかく大事に安子を生き切ることがいいバトンパスにつながると信じて…。娘にバトンを渡すんですもんね。そういう意味でもすごく温かいなと思います。安子は子育てもしますが、愛情いっぱいに育てたいなと思います」

――ありがとうございました。

 インタビュー後に、制作統括の堀之内さんは「萌音さんが現場に来ると、みんなが笑顔になります。劇中のセリフで『和菓子を食べるとみんなが笑顔になる』とあるのですが、現場にとって萌音さんは和菓子のような存在で、スタッフ一同、笑顔になって明るくなるので、本当に幸せな現場を過ごさせていただいています」とコメント。その話を聞いていた上白石さんは「ありがとうございます。和菓子です(笑)。あんこです(笑)」と笑顔で答え、和やかな雰囲気が伝わってきました。

 今回はリモート取材ということで、ご登壇のお二人より先に記者が退出したのですが、上白石さんはパソコンのカメラに向かって「ありがとうございました」と言いながら両手を振り、満面の笑みでお見送りをしてくださいました。画面越しではありましたが、上白石さんの温かさを感じることができ、多幸感あふれる取材会に記者も心が温まりました。

【番組情報】

2021年度後期連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」
今秋スタート予定
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I

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