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2021年後期の朝ドラは藤本有紀脚本「カムカムエヴリバディ」。史上初、ヒロインが3人2020/07/29

2021年後期の朝ドラは藤本有紀脚本「カムカムエヴリバディ」。史上初、ヒロインが3人

 2021年度後期放送のNHK連続テレビ小説が、07年度後期の同枠「ちりとてちん」を手掛けた藤本有紀氏脚本によるオリジナル作「カムカムエヴリバディ」(開始日未定)に決定。“朝ドラ”史上初となる3人のヒロインが登場し、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描くファミリーヒストリーとなる。

 ドラマの舞台は京都・岡山・大阪。戦争で夫と死に別れ、娘を置いてアメリカに渡るしかなかった祖母・安子、親と英語を憎みつつも、ジャズソングに救われて自分の人生を切り開いた母・るい、時代劇の世界に憧れながら、回り道を経てラジオ英語講座に自分の居場所をみつけていった娘・ひなた――。ラジオで英語を聞き続けることで、それぞれの夢への扉を開いていく3人の姿から「小さな一歩一歩を積み重ねることが、思ってもいない人生を切り開き、明るく照らしていく」というメッセージが込められた波瀾(はらん)万丈なハートフルコメディーだ。

 タイトルの「カムカムエヴリバディ」は、終戦直後の日本を席巻した平川唯一講師のNHKラジオ英語講座、通称・カムカム英語のオープニング曲のタイトルが由来。「証城寺の狸囃子(ばやし)」のメロディーに乗り、「カム♪カム♪エヴリバディ♪~」の歌が始まると日本中の子どもからお年寄りまでくぎ付けになり、明るい声に励まされた。そこには、戦後の重苦しい日本を「明るくしたい」という平川講師の願いが込められていた。そんな「カムカムエヴリバディ」の合言葉が、“今を生きる私たちの未来をも切り開くパワーワードになる!”と願いを込めて、タイトルに選ばれた。

 藤本氏は「いつか2度目の連続テレビ小説を書かせていただく機会に恵まれたなら、きっと書こうと温めていた題材があります。それが『NHKのラジオ英語講座』です。1925(大正14)年に日本でラジオ放送が開始されたその年に、英語講座は始まりました。その歴史をひもといていくことは、そこに百年の物語を見つけ出し、紡ぎ上げることと同義です。とても自然な成り行きで3世代のヒロインが誕生しました。小さな積み重ねがやがてダイナミックな展開をもたらすのは、英語学習も連続テレビ小説も同じです。毎日15分だけ、お付き合いいただけましたら幸いです」とメッセージを寄せている。

 制作統括の堀之内礼二郎氏は「この物語には3世代の女性が登場し、ヒロインのバトンが次の世代に、そしてまた次の世代にと、リレーのように受け継がれていきます。この試みは、長い連続テレビ小説の歴史の中でも初めてのことです。命、そして役割は前の世代から託され、次の世代につないでいくものだということ。大きな流れの中で生かされている、命の尊さを感じてほしいと思っています」と3世代に渡る物語の意義を語る。

 そして、「ドラマには願いが必要だと思っています。祈り、といってもいいかもしれません。こんな時だからこそ、最高に明るくて面白い“朝ドラ”を届けていきたい。朝が輝けば、1日が輝く。1日が輝けば、毎日が輝く。“朝ドラ”が面白ければ、世の中は変わると本気で信じています。来年、泣いて笑って元気になれる物語を届けられるよう、藤本さんが書かれた台本を胸に、出演者、スタッフ、みんなで真摯(しんし)に頑張っていきます。ぜひこの楽しい物語の世界に、カムカムエヴリバディ!」と熱い思いを伝えている。


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