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元「水曜日のダウンタウン」担当Dが手掛けるサンド&指原がMCの特番「バズってるあの場所掘ってみた」制作秘話! 醍醐味は現場での“予想外”――田中良憲ディレクターインタビュー2020/11/30

 社会現象となっている「鬼滅の刃」のファンが集まる旅館がある!? お笑い界では「第7世代」が大活躍しているが、ハンバーガー界も「第7世代」のお店が話題になっている!? そんな一見すると「なぜこんな場所に大勢の人が?」と疑問に思うような“バズってる場所”を徹底取材し、世にはなかなか出てこないお宝情報を掘り当てる、12月1日放送のバラエティー特番「サンドウィッチマンと指原の2020年バズってるあの場所掘ってみた」(MBS/TBS)。

 今年の2月に特番が放送された同番組が、このたびMCにサンドウィッチマンさんと指原莉乃さん、ゲストにKing & Prince・岸優太さんと小芝風花さんを迎えゴールデンに進出。今回は2020年に日本各地で話題になった“バズってる場所”を総ざらいすべく、日本中のさまざまな場所に足を運び、粘り強くロケを敢行。すると思いも寄らない実態が見えてきて…?

 そんな特番の演出を手掛けるのは、過去に「水曜日のダウンタウン」や「クイズ☆タレント名鑑」(共にTBS系)のディレクターを務め、現在は「林先生の初耳学」(MBS/TBS)内の体当たりで挑むロケが話題のコーナー「初耳トライ」などを担当する、毎日放送の田中良憲さん。「台本に沿って撮るというより、台本が決まっていたとしても現場で面白いと思ったものを撮ってくる」ことにこだわる田中さんに、番組の作り方を伺いました。

「今、ハンバーガーって第7世代がアツいんだよ」という一言に突き動かされて…!?

――2月に放送した特番がついにゴールデンに進出ですね。この番組はどのような思いから生まれたのでしょうか?

「前回の特番を作った時、人が集まっているところ=“バズってる場所”が気になって深掘りしてみると、リサーチ資料では上がってこないような情報が出てくるのが面白かったんですよね。なかなか時間はかかるんですけど、“人”にフィーチャーして掘っていくと想定を超えてくることが出てきたり、絶対にネットには載ってない情報が眠ったりしていて。それが僕らとしては新鮮な情報だったので、視聴者の方にも『こういう人生もあるんだ!』って笑ってもらえる番組になればいいなと思っています」

――今回、9本のロケVTRをスタジオで見るという形式ですが、総ロケ時間はどれくらいかかっているのでしょうか。

「どれくらいだろう…(笑)。パッと出てこないのですが、空振りに終わっているネタも結構あるんです。例えば、千葉の京成船橋駅にCAさんが集まる場所があるという話を聞いて、実際に行ってみたんですけど…」

――第1弾では「東京の蒲田駅にCAさんが集まる飲食店がある」と聞き、調べに行っていましたよね。

「そうなんです。蒲田は羽田空港を使うCAさんがたくさん集まっているということが分かったので、その成田空港版があるのかなと思って行ってみたんですけど、全然いなくて…(笑)。いっぱいネタ探しをして時間をかけても、空振りになることもありましたね」

――中でも一押しのネタを挙げるなら、どれになりますか?

「ハンバーガー界にも『第7世代』があるというネタは非常に面白かったです。前回の特番の時、富澤(たけし)さんがインフルエンザになってしまい、収録をずらしたということがあったんです。そこでサンドウィッチマンさんのハンバーガーのネタにかけて、サンドさんからスタッフたちに100個のハンバーガーを差し入れしてもらうという動画を撮らせていただいて。その時に伺ったハンバーガー屋さんが『今、ハンバーガーって第7世代がアツいんだよ』と。その一言がきっかけで『ハンバーガーの世界って面白いんじゃないか』と思って調べてみたら、ハンバーガーを愛するえりさんという女性にたどり着くことができました」

――VTRでは、「日本一のハンバーガー女子」と紹介されていましたね。

「えりさんを追ったロケは、台本に書けるようなセリフが一切出てこなかったんです。えりさんしか言えない言葉がどんどん出てくるのが面白かったですね。知識もハンパない方で、収録前にサンドさんと打ち合わせした時に『これは絶対知らないよね』と話していた東北地方の情報もご存知だったり。想定を超えてくるロケになりました」

――番組を作るうえで、こだわった部分はありますか?

「ほかの番組が扱わない、聞いたことのないネタにこだわったつもりです。新鮮な情報が出てきたら『これって露出あるんですかね?』と必ず聞いていましたね。“実際に現場で吸い上げてきた情報をVTRにする”という点では、手を抜かないようにしました」

「水曜日のダウンタウン」チームに根付く「結果よりも、面白いものを作ろう」

――田中さんは、過去に「水曜日のダウンタウン」のディレクターを務めていたとお聞きしました。ほかにはどのような番組を手掛けていたのですか?

「藤井健太郎さんとずっと一緒に仕事をさせてもらっていたので、『水曜日のダウンタウン』『クイズ☆タレント名鑑』『リンカーン』(TBS系)や、あとはフリーのディレクターだったので『もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!』(テレビ朝日系)、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)などを担当していました。そこから『初耳学』や『プレバト!!』(MBS/TBS)を作っている水野雅之さんに声を掛けていただいて、毎日放送に入社しました」

――「初耳学」内のコーナー「初耳トライ」は、田中さんがディレクターを担当するようになってから生まれた企画だそうですね。世の中で誰も調べていないようなことを体当たりで検証するという、今までの「初耳学」ではあまりなかったスタイルのコーナーですが、田中さんとしては長尺で密着していくようなロケが得意だったりするのでしょうか。

「今まで、台本も書かずロケに行って、そこで撮れたものを再構成して…という形の番組を作ることが多かったので、やっぱりそこは自分の得意ジャンルだなと思っています。『初耳トライ』を立ち上げたのも、そのやり方だったら勝負できるかなと思ったからで」

――藤井さん率いる「水曜日のダウンタウン」のディレクター陣は、出演する芸人さんたちから「地獄の軍団」と恐れられているといいます。その頃に培った手法が、今も生かされていると思うことはありますか?

「あんまり、当時そういうふうに言われていたっていう感覚はないんですけど…(笑)。ただ、根底に『結果よりも、面白いものを作ろう』という意識が根付いているチームではあったので、それがしみついちゃってる部分はありますね。それがいいのか悪いのかは分からないんですけど、自分にとってはそれが芯にあるっていうのはすごくいいことだなって感じています」

――ロケに行く時の心得であったり、チームの共通認識として大切にしていたことはあったのでしょうか。

「うーん…。心得………(しばらく考えて)」

――結構、おのおのの裁量で進めていく感じでしたか?

「僕がやっていた3年前の頃は、割とそのニュアンスが強かったですね。台本が決まっていたとしても、ディレクターが面白いと思ったものを現場で撮って、それを形にするという手法が多かったなと。台本通りに撮ってくるより、台本プラスアルファで撮って、『こっちの方が面白いからそうしよう』って流していくことをするチームだったのかなと思います。今回も、とある情報を聞いて『明日行くしかないじゃん!』というタイミングだったので、台本も構成も何も書かずに行ったロケがありました。そういう意味では、『水曜日のダウンタウン』の頃に培った精神が今もあるのかもしれないですね」

――さまざまな番組に携わってこられた田中さんが、「やられた!」と感じた番組はありますか?

「そう思うことが多いのは、今も『水曜日のダウンタウン』なんですよね。チームから抜けた後もそう思います。今も毎週見ていますし、現役のスタッフと話していて『面白そうだな』と思うことも結構ありますよ」

――では最後に、これから番組を作っていく中で挑戦してみたいことはありますか?

「今回の特番がめちゃくちゃ楽しかったんですよ。第1弾からMCとして出てくださるサンドウィッチマンさんに、ずっと一緒に仕事をしてみたいなと思っていた指原さんとご一緒できて。ゴールデンに進出ということで若い層の方にも見ていただきたいんですけど、とは言え結構渋いネタも多いので、スタジオには岸さんと小芝さんに来ていただいて。皆さんのおかげで、キラキラした華やかな感じが出ていると思います。収録後、サンドさんと指原さんと『またやりたいですね』というお話もできたので、この番組をレギュラーにしたいなって思います。頑張ります!」

――レギュラー化した時、掘ってみたいネタは既にあったりするのでしょうか?

「実は、大みそかの利根川に“デコトラ(デコレーショントラック)”が集まるっていう情報が入ってきたんですよ。菅原文太さんを追悼する目的で、大みそかの利根川のどこかに集まるんですって。それを撮りに行こうと思ってます(笑)」

――大みそかまで、あと1カ月です(笑)。

「ただそのロケをお願いしようと思っているディレクターさんは、昨年の大みそか、第1弾のロケで北海道の宗谷岬に行ってもらった方なんですよねー…。2年連続で年越しがそういう場所になっちゃうのは申し訳ないなー…。でも、予想外のことが起きるのは面白いですよね!!」

――(笑)。レギュラー化、期待しています!

「ありがとうございます!(笑)」

【プロフィール】

田中良憲(たなか よしのり)
2007年よりフリーのディレクターとして活躍し、これまで「水曜日のダウンタウン」「クイズ☆タレント名鑑」「リンカーン」(全てTBS系)や、「もしものシミュレーションバラエティー お試しかっ!」(テレビ朝日系)、「めちゃ×2イケてるッ!」(フジテレビ系)などを担当。18年、毎日放送入社。現在は「林先生の初耳学」内の話題のコーナー「初耳トライ」のディレクターを務めている。

【番組情報】

「サンドウィッチマンと指原の2020年バズってるあの場所掘ってみた」
TBS系
12月1日 午後7:00~8:57

取材・文・撮影/宮下毬菜

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