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【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」2022/01/15

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

 「あなたの番です」(日本テレビ系)や「共演NG」(テレビ東京系)など、話題のドラマを次々と生み出している秋元康さんが新たに企画・原作を務める、テレビ朝日系の1月期土曜ナイトドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」。

 生徒のイケメン率が異常に高い「私立美南学園」を舞台に、ひょんなことから奇跡的に入学した平凡な主人公・池田龍馬(細田佳央太)が、周りの個性的なイケメンに戸惑いながらも自らのアイデアを武器に競い合い、「全国選抜高等学校イケメン大会」、通称「選抜イケメン大会」の代表メンバーを目指していく、新感覚の学園コメディードラマです。

 TVガイドwebでは、「もしも、イケメンだけの高校があったら(以下:もしイケ)」のメインキャスト6人に取材を敢行。ドラマ初回放送の15日まで毎日1人ずつ、インタビューをお届けしていきます。(第1回インタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1317183/、第2回インタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1317939/、第3回インタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1321550/、第4回インタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1323852/、第5回インタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1324176/

 リレーインタビューもついに最終日。最後はイケメンだらけの美南学園に入学してしまった鈍感で素朴な主人公・池田龍馬を演じる細田佳央太さんが登場。細田さんは「もしイケ」で民放ドラマ初主演を飾ります。企画・原作を務める秋元さんが手掛ける作品への印象、主演を務めた映画「町田くんの世界」(2019年)の時からの成長、さらに役者という仕事へのモチベーションについて、たっぷりとお話を伺いました!

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――まず、主演のオファーがあった時の率直な気持ちを聞かせてください。

「早かったなって。『もう任せていただけるのか!』と思いました」

――映画「町田くんの世界(以下:町田くん)」以来の主演になりますね。

「『町田くん』も、主演だけど主演じゃないというか、新人2人が真ん中に立ってそれを周りの方々に助けてもらうという感じだったので、実質あそこで座長らしいことを何もやっていないんですよ。なので、いろいろ分かった上での主演という意味では、自分がこんなに早く(主演を)またやらせてもらえるなんて思っていなかったのでびっくりしました」

――実は「町田くん」を昨日あらためて拝見させていただきまして…。

「ありがとうございます!」

――「現場で支えてもらった」とおっしゃっていましたが、当時と比べて細田さん自身が変わったなと感じる部分はありますか?

「あの時は、役づくりとか台本の読み方、映画がどう作られているのかすら分かっていなかったので、そういったものが少しずつ分かってきて、いい意味で時間がたつにつれて現場でも余裕が生まれてくるようにはなっています。そういったところが一番分かりやすく変わったなと思いますね。『町田くん』の時は作品に対して自分が何も背負えていなかったというか、とにかく一生懸命やるのが一番だったので、今は役への責任感みたいなものはすごく感じるようになりました」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――今回、座長という立場になりますが、こういう雰囲気の現場にしていきたいという思いはありますか?

「コメディータッチの作品なので、まずは楽しくやりたいなと思っています。だからといって絶対にダレたくはないんですよ。変な気の緩み方はしたくなくて。楽しくやりつつも、締めるところは締めていくような、そういう現場にしていきたいです」

――そういった気を引き締めることの大切さは、他の現場で気付いたのでしょうか?

「直近で言うと『ドラゴン桜』(TBS系)になるんですけど、その時は先生と生徒という立場の中に、教師役の阿部(寛)さんとか長澤(まさみ)さんのどっしり感というか、締めるところを締めたいっていう圧みたいなものがあったんですよ。でも今回はみんな同じ生徒同士なので、どうみんなで頑張っていこうかなと考えているところです」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――この「もしイケ」という作品の設定を聞いた時にどう感じましたか?

「やっぱり、一番はびっくりでしたね。タイトルだけ聞くと、『どういうことなんだろう?』って思いますけど、想像力がすごく働いたというか、とてもワクワクしましたね」

――宮世琉弥さんや藤原大祐さんといった、細田さんと同世代のキャストの方も続々と登場されますね。

「水沢(林太郎)くんと大祐は共演したことがあるので、2人とも軸を持っている俳優だと思いますし、手は抜かない人たちだと信じています。大祐と宮世くんは、以前別の現場で共演したことがあるようなので、その時のことなども話せていけたらいいなと思います。同世代だからこそ、以前から知っていたし気になっていたところもあったので、みんなで協力してやっていけたらいいですね。僕も頑張らなきゃいけないなと思っています」

――個人的には、遠藤さくらさん演じるヒロインの桜井カンナと龍馬の関係がどうなっていくのかも見どころかなと。

「2人のシーンがどうなるのか、僕も全然知らないので正直怖くて仕方がないんですよ…! 誰であってもそうなる気がしますけど、今からすごく緊張しています」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――今回演じられる池田龍馬に対して感じたことを教えてください。

「台本を読ませていただいて、彼の場合、格好つけようにも格好つけることができないんだなと思ったんですよ。彼の性格的に、周りのイケメンに置いていかれたり自信がなくなったりして『何で自分が…』という心持ちで、他の人たちに比べて余裕がない感じ。そういう意味では親しみやすい人物だなと感じています」

――親近感みたいなものも感じますか?

「感じますね。僕もいいところを見せたい欲はあるんですけど、空回りしちゃうというか。良かれと思ってやったことが逆に迷惑をかけてしまって失敗するということが、小さい頃からあったので、そういう部分はすごく親近感があります」

――最近そういったエピソードがあったら教えてください。

「狭い場所で撮影していると移動が多くなるので、スタッフさんが移動しやすいように机とかをずらしていたんです。そしたら監督から『位置ずれてるから戻して』と言われてしまって。怒られたわけじゃないですけど、位置が分からなくなってしまったという、そういう失敗がありましたね(笑)」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――細田さんはさまざまな学生役を演じてこられていますが、役を演じるにあたって、こだわりや特別な意識はありますか?

「何かを参考にするということはしていなくて。参考にするものがあると、それを一つの答えとしてなぞってしまうんですよ。だからイメージを持ちつつも、そのキャラクターに似た人物が出ている作品を事前に見るとかはしたことはないです。意識しているのは、丁寧に演じることくらいですかね」

――事前に作り込むというよりは、現場で監督と話し合いながら役を作り上げていくような…?

「そうですね。毎回、自分が作ったものを一応持っていって、もし必要があれば一緒に修正していくというところではあります。でも、役の軸を1本持っていても回を追うごとに演じている人物が無意識に成長するというか、いい意味で刺激を受けて作品に合うようなキャラクターになっていくので、そういった変化に柔軟でありたいなと思います。でも、実は臨機応変さとか対応力というのを僕はそこまで持ち合わせていないので、ガッツリ作り込んでいった方が安心ではあります(笑)」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――鈍感でメンタルが強く正義感が強い性格の龍馬は、今までとはまた違った学生役になるかと思います。龍馬の内面でご自身と通じる部分はありますか?

「龍馬の熱さみたいなところは似ているのかなと思っていて。たぶん、こういった仕事に携わっている人は特にそうだと思うんですけど、やっぱり自分の中の好きという気持ちが根本にあるじゃないですか。お芝居が好きでもっとこうしたいからこうやって頑張って向き合おうみたいな、そういった熱さのベクトルは似ているのかなと思います」

――好きという気持ちが大前提にあるということなんですね。他に、仕事に感じるやりがいやモチベーションといったものはありますか?

「『町田くん』の時に、池松(壮亮)さんと僕がバスから降りてすごいもみ合いになるシーンがあったのですが…」

――ありました! お互いにヒートアップしていたシーンですよね。

「あの瞬間、初めてお芝居が楽しいと思えたんですよ。石井(裕也)監督は、あの状況を『ゾーンだ』とおっしゃっていたんですけど、あれをもう1回体験したくて。僕、あの時は本当にニヤニヤが止まらなかったんですよ。お芝居をやっていてもやっていなくても楽しいみたいな、本当に興奮状態で。でも、そういう状態になれるのって本当に奇跡だったりまれなんだと思うんです。だからそういう作品に1回でも多く合えればいいなと思いつつ、まだあの瞬間のあの感情と同じぐらいのパワーに巡り合えてはいないので、もう1回それを経験したいですね」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――本作の企画・原作は秋元康さんですが、物語も先が読めない展開が続くのかなと思います。そういった意味で楽しみにしている部分と怖いなと思う部分を教えてください。

「“イケメンとは何なのか”というのがテーマじゃないですか。もし、お芝居の中で『ピアノができるようになってください』とか『武道をできるようなってください』ってなったら、『おお…!』とはなりますし、ちょっと怖いなと思っちゃいます。先が見えないからこそ、『何をイケメンとしてやらなければいけないのか』というのが分からないので、そういう怖さはありますね。“イケメン”というものが何なのか僕自身も分かっていないですし、そもそも“イケメン”と“格好いい”って使い分けてますけど、それって雰囲気とかもあるのでうまく言葉で説明できないんですよ(笑)。そういう答えが少しでも見つかったらいいなという楽しみやワクワクはあります」

――秋元さんの作品はご覧になったりされていますか?

「直近だと『あなたの番です』とか『真犯人フラグ』(ともに日本テレビ系)ですよね。企画されたドラマを拝見しています」

――秋元さんが手掛ける作品の魅力はどんなところでしょう?

「見ている人を巻き込むところ…ですかね。それこそ先が読めないと先ほどおっしゃっていましたけど、まさにそれで。ドラマってながら見をしちゃったりするじゃないすか。でも、手を止めてまで気になって、見てしまったり考察してしまうというのは一つの魅力というかすてきなところだなと思います」

――俳優としての視点ではどう感じていますか?

「なんというか、見ていていろいろなことを考えちゃうんですよ、よこしまなことを(笑)。例えば、主人公が10話構成の中の5話で死んじゃったとしても、『いやいや! 主人公が5話で死ぬってある?』みたいな、現実的なことから考えちゃうんです。楽しむというよりは、『ストーリーが今までこうだし、こういう流れに見せているからこうだろう』みたいにひねって考えちゃって。純粋にのめり込んだりはできていないかもしれないです(笑)。あと、『このシーンの撮影は長かったんだろうな』とも思って見ちゃいますね」

――今回の「もしイケ」ではどのように見ている人を巻き込んでいきたいですか?

「やっぱりコメディー作品なので、楽しんでいただきたいですけど、きっと見ている人たちのイケメン観みたいなものが、多少なりとも揺れ動くような瞬間が絶対にあると思っていて。『これってイケメンなの…?』とか、『自分が思っていたイケメンってこうだったけど、こういうのもイケメンなんだ』と、自分が持っていた先入観や考え方に衝撃を与えてくれるはずなので、そういった意味での巻き込み方をしていけたらなと思いますね。『イケメンってこういうことか!』『いやいや違うだろう!』みたいな、受け入れるのも拒絶するのも含めて“イケメンの定義”というものに、巻き込むことができたらいいですね」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――ドラマのテーマは“イケメンとは何なのか”ですが、“イケメン”というものに今持っているイメージを教えてください。

「それが分からないんですよ…。今ってイケメンについていろいろな言われ方をするじゃないですか。僕は単純に顔がよければイケメンだと思っていましたけど、“雰囲気イケメン”という言葉もありますし。正直『何だそれ!?』と思いますよ!(笑)。雰囲気って目に見えるものじゃないのに、どうして分かるんだろうって思っちゃいます。本当にイケメンというものが何なのか分からないですけど、僕は人の良さであってほしいなと思っています。これは願望なんですけど、イケメンというものが根本は人の良さとかから生まれるものであってほしいなと思います」

――ちなみに、細田さんが考える理想のイケメン像はなんでしょう…?

「何でしょうね…。世間一般で言う“格好いいイケメン”が多すぎて分からなくなるんですよ。イケメンと言われている方たち全員の容姿が似ているわけではないじゃないですか」

――言われてみると…確かにそうですね。

「でも皆さんイケメンなんですよ。それですごく分からなくなるんですよね…そんな中で僕が思うイケメン像は、本当にありきたりなんですけど、『スポーツができて、頭が良くて、優しい』ですかね。その三つがあったら、イケメンだなと思います(笑)」

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

――それでは最後に、ドラマを楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。

「『選抜イケメン大会』という目標に向かって頑張って努力して戦っていくというストーリーは、スポ根のような要素もあってすごく見やすいと思います。親しみやすい作品だなと思いますし、コメディーなので楽しんでほしいのが一番です。全員を見て全員を応援してほしいし、『イケメンって結局何なんだろう?』みたいなところで、何か一つでも見た人が答えを導き出せるような作品にできたらなと、そういう思いが届いたらいいなと思っています」

――ありがとうございました!

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

 写真撮影ではカメラマンから「格好いいよ!」と言われると、「そんなことないですよ」と照れ笑いを見せてくれた細田さん。インタビューでも、作品や役に対して深く考えながら、限られた時間の中で、「こういう作品にしていきたい」という細田さんの“役者としての熱意”を余すことなく伝えてくださいました。平凡な主人公・龍馬がどう動いていくのか、放送が待ちきれませんね!

 今回リレーインタビューで取材させていただいた皆さんからは、いろいろなお話を聞くことができましたが、その中でも共通して役への情熱や愛情を感じることができました。メインキャストの6人のほかにも、ドラマにはイケメンキャストが続々と登場するとのこと。ぜひ、ドラマを見ながらあなただけの“推し”を見つけて、この“イケメン祭り”を楽しんでください! 「もしも、イケメンだけの高校があったら」は本日、1月15日午後11:00からスタートです。お見逃しなく!!

【プロフィール】

【「もしイケ」リレーインタビュー最終回】細田佳央太「ゾーンみたいな状態になれるのって、本当に奇跡だと思うんです」

細田佳央太(ほそだ かなた)
2001年12月12日生まれ。東京都出身。射手座。A型。19年に公開された映画「町田くんの世界」では1000人以上の応募者の中から選ばれ、映画初主演を果たす。他にも、ドラマ「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系)、「さくらの親子丼」第3シリーズ(フジテレビ系)、「ドラゴン桜」第2シリーズ(TBS系)、「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」(日本テレビ系)、映画「十二単衣を着た悪魔」(20年)、「花束みたいな恋をした」(21年)、「子供はわかってあげない」などに出演。22年は4月に公開予定の映画「女子高生に殺されたい」に出演予定。

【番組情報】

土曜ナイトドラマ「もしも、イケメンだけの高校があったら」
1月15日スタート
テレビ朝日系 
土曜 午後11:00〜11:30

「美南学園イケメン選抜ランキングバトル」も開催中
推しを見つけたらぜひ投票して応援しよう!
https://www.tv-asahi.co.jp/moshiike/oshi/
【Twitter】https://twitter.com/moshiike_ex
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【締切】2022年2月11日(金)正午

取材・文/平川秋胡(テレビ朝日担当) 撮影/蓮尾美智子



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