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細田善彦×泉澤祐希、兄弟のような間柄の2人が対談! 「祐希は老けないよね?」「善彦さんはストイック」-Huluオリジナル「THE LIMIT」インタビュー2021/03/19

 4K UHD/HDR映像と5.1chサラウンドでおくる臨場感たっぷりの “究極”のワンシチュエーションドラマ、Huluオリジナル「THE LIMIT」が配信中。玉田真也さん、岩崎う大さん、荻上直子さんの3人の人気脚本家が実力派俳優陣と組み、極限状態に追い込まれた時に現れる“人間の本性”をテーマに描いた全6話のオムニバスドラマです。

 第3話「ユニットバスの2人」では、女優の妻がいるにも関わらず若い女性のアパートで事を終えた人気芸人・マジカル島田(細田善彦)と、その部屋のバスタブに身を潜めていた泥棒・桑元次郎(岩崎)の“決して見つかりたくない者”同士の2人が、ユニットバスという狭い密室で立場の優劣を二転も三転もさせながら攻防を繰り広げていきます。

 第5話「切れない電話」は、喫茶店でのデート中に見知らぬ女性から電話がかかってきたことで、付き合い始めたばかりの彼女にフラれてしまった大橋洋介(泉澤祐希)が、発信者である自殺願望者の女性からあるゲームを持ち掛けられ、さらにはそのゲームに店のマスター(岩松了)までが巻き込まれていく予想不能な展開の物語。

 「ユニットバスの2人」で、若い女性との“秘め事”を是が非でも隠し通そうとする男を演じる細田さんと、“切ったら死ぬよ”と脅かす自殺志願の女性のエスカレートしていく要求に窮地に立たされる男を演じる泉澤さん。劇中で極限状態に追い詰められる役を演じる2人を直撃し、それぞれの見どころや同じ事務所で仲が良いという関係性について伺いました!

――「“リミット空間”で極限に追い詰められた時に見える人間の本性を描く」という企画を聞いて、最初に思ったことを教えてください。

泉澤 「本当にワンシチュエーション、同じ空間の中で物語が繰り広げられていくので、台本を読んだ時は『これ…覚えられるのか』と心配になって(笑)。ワンカットなのかカットを割って撮るのか、どういうふうにしていくんだろうというワクワクと不安の入り交じった感じでしたね」

細田 「僕は一緒に演じさせていただくのが、脚本も書かれている岩崎う大さんで。しかも今回、僕は芸人の役をやらせていただいていたのですが、う大さんは芸人もされているので、鋭い目線で見られると思い、頑張らなきゃと引き締まる気持ちでした」

――ストーリーについてはどんな印象を持ちましたか?

細田 「お互いというか、特に僕の役には隠さなきゃいけないことがあって、その場からどう逃げるかっていう。その間に起きるちょっとしたことで秘密が徐々に明らかになっていく感じが、すごく読み応えがあって面白いなあと思いました。う大さんはコントもたくさん書かれたりしていると思うんですけど、笑いもあってサスペンス調にもなっていて、台本を読んだ時にすごいと思いました」

泉澤 「最終的なことでいうと、『どうなったらそうなるの?』という感じのストーリーなので、自分をどうやってそこまでもっていけばいいのかというふうに、台本を読みながら悩みましたね。共演した岩松さんと台本の読み合わせをした時に掛け合いがとても面白くて、そこで自分を納得させることができたというか。すごく岩松さんに救われたと思います。普通だったらありえない状況だと思うので、やっていて違和感というか、『どうなったらこんなことになるんだ?』と思ってはいましたけど(笑)。でも、それに説得力を持たせる岩松さんがいて、演じながら面白いと思いました」

――演じたキャラクターはどんな人物でどう役作りをしましたか?

細田 「最後にネタばらしがあって、そこへ向かってどう演じるべきなのかとすごく考えましたね。芸人という設定で、目の前にう大さんという最高の味方がいるので、う大さんに芸人らしさというか、そういったキャラクター作りを手伝っていただいて演じたという感じですかね」

泉澤 「人物としては…実はあまり理解できなかったんですよ(笑)」

――確かに状況が状況だから、どういう人間性かとか、そういう問題ではないかもしれないですね。

泉澤 「自分だったらすぐに電話を切っちゃうだろうし、相手に付き合わないと思うんですよ。『死ぬから』って言われても…」

細田 「でもあれで、電話を切らない説得力を持たせるのって、相当すごいことだよね? 僕も見て、最初はやっぱり『切ればいいじゃん』と思うんですけど、切らないからこそ面白く展開していくし、『早く切れよ』ということ以上に面白くなるから…。(自分の出演回ではないのに)勝手にペラペラしゃべっちゃったけど(笑)」

泉澤 「いやいや、ありがたいですね(笑)。いきなりあんな電話かかってきたらすごく嫌だもんなあ…」

細田 「非通知で電話かかってくるのって怖いよね?」

泉澤 「怖いですねぇ。あんまりかかってくることないかも。あ、でも最近、非通知で1回かかってきました」

――そういった場合、出ますか?

泉澤 「非通知って表示されたので、出ないで切りました。このドラマやってるし(笑)、出ないのが一番いいと思って」

細田 「僕は、以前に非通知の不在着信がめちゃくちゃあった時期があって…。最終的に出たんですよ。ずっとタイミングが合わなくて出られなかったんですけど、タイミングが合って出たら、間違い電話だったんです(笑)」

泉澤 「ずっとかかってきていたんですか?」

細田 「そう。ずっとかかってくるから、『この非通知は僕が今まで出会った誰かからだ』と勝手に思っていて、『あの人かな?』とか『あの子かな?』とか、いろんな可能性を想像して…。それが何カ月も続いていたんです。それでようやく出たら、間違い電話だったっていう(笑)」

――「THE LIMIT」での役では、お二人とも追い詰められた時にイライラを表現していましたが、細田さん、泉澤さんご自身は追い詰められた時はどうなりますか?

細田 「僕はイライラすることもできなくて、嵐が過ぎるのを待ってしまうと思うんですよね。シチュエーションによりけりだとは思いますが。昔、ネズミが家に出たことがあって、夜中に電気を消すとベッドの下でカサカサいってるのが聞こえるんですが、電気をつけると動きが止まるんです。それで、追い払うために電気をつけて戦えばいいものを、そのまま次の日まで待つことしかできなかったんです…。その後、気がついたらいなくなっていたんですが、そんなことからも、自分は戦わないんじゃないかなって」

泉澤 「俺は泥棒とか入ってきたら、『なんか仲良くできるんじゃないか』とすごく安易な考え方をしていて(笑)」

細田 「なんでだよ(笑)」

泉澤 「変な人というか、面白そうな人に積極的に関わりにいっちゃうかもしれないですね」

――実際にそういったエピソードはありますか?

泉澤 「ありますよ。飲みに行けていた時期とかは、カウンターで一緒になった知らない人と普通に話して、それで友達になって家族ぐるみの付き合いになった、みたいなこととかも」

細田 「えっ、家族ぐるみ!? それは相手の家族と仲良くなったってこと?」

泉澤 「そうです、そうです。あとは知らないおじいちゃんと銭湯で話したりとか。そういうのはできるんですよね」

細田 「さっき(別の取材で)自分は人見知りだって言ってたじゃん?」

泉澤 「そういうののリハビリというか、『ちょっと気になるな』という人がいたら話しかけるようにしたんです。全然話さずに自分を守っちゃうタイプだったので、ちょっと変えてみようと思って」

細田 「それは結果、すごくいいことになっているよね?」

泉澤 「そのおかげで人とのつながりは増えました。それが正解なのかはよく分かんないですけど(笑)」

――話は変わりますが、お二人の関係性についてもお伺いしたく、同じ事務所所属で役者として活動されている仲間であると思うのですが、どういった間柄ですか? 

泉澤 「腹違いの兄弟!」

細田 「腹違いの兄弟って言ってくれましたが…(笑)」

泉澤 「違いますね(笑)。なんだろう…。でも、やっぱりすごく頼りになるお兄さんという感じです」

細田 「いやいやいやいや、そんなそんな(笑)。全然頼りにならないんですけど、仲良くさせていただいていますね」

泉澤 「(自分が)引っ越しする時に洗濯機とか冷蔵庫とか、善彦さんにいただいたものを今でも使っています」

細田 「(照)」

――お互いに役者としてどんな印象をお持ちですか?

細田 「役者としてというか、ずっと勝手にテレビとかで見ていたんですけど、いつまでも若いなって思うんですよね。全然老けないよね?」

泉澤 「いや、善彦さんもですよ」

細田 「いやいやいやいや」

泉澤 「善彦さんも変わらないんですよ、ルックスが。ずっとその感じできています、生まれた時から」

細田 「生まれた時のルックスは知らないでしょ(笑)。僕は太ったりとか痩せたりすることもあるし…。でも、祐希は全然変わらなくて。『どうやって維持させてるの?』と思うくらい、見た目が変わらないじゃない?」

泉澤 「自分の中では変わっていますけどね。老けてはきています」

細田 「でも『老けたね?』なんて言われたことないでしょ?」

泉澤 「それはあまりないですね。『まだ高校生の役できるね』とかずっと言われますけど」

細田 「いいよね、それ!」

泉澤 「いや、それがいいのかどうかも分かんないですよ。もちろん、若い役をできるのはいいんですけど、その分、教師役をやっていると『違和感がある』とか言われちゃうし…」

細田 「そう! 教師役を演じた今期のドラマ(『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』)は、中学校の話だよね? だから生徒と年齢差があるように見えるけど、高校が舞台の話だったら…」

泉澤 「全く教師に見えないですよね」

細田 「同級生に見えちゃうよね(笑)。でもそれくらい、いつまでも若々しいから」

泉澤 「逆にそれが悩みなんですよ。ちょっと大人っぽく見られたくてひげとか生やしたりもしてみるんですけど、それが求められてないというか」

細田 「ははは(笑)。求められているのが今の感じなんだったら、逆に今のままの方ががいいんじゃないの?」

泉澤 「そうなんですかねぇ…。善彦さんの印象は、役者としてはめちゃくちゃストイックだなって。身体もしっかり作り上げるし」

細田 「それは身体だけでしょ(笑)。しかも、3年前の1回だけだから」

泉澤 「でも、結構見てる気がするんですよ」

――確かに以前披露した肉体美は印象的でしたね。それでは、最後に作品の見どころをお聞かせください。

泉澤 「人間の追い詰められていくさまというか、人が不幸になっていくというのは、はたから見ると面白いんだなと改めて感じました(笑)。心情の変化や会話がすごく面白くて、しかもオムニバスでいろいろ違う作品を見ることができて飽きないと思いますので、ぜひお楽しみいただければと思います」

細田 「僕の出ている作品では、本当に狭い空間の中で2人での会話劇が繰り広げられるんですけど、その中で二転三転と転がっていく様子を、狭いからこそアングルにもこだわって撮っています。限られた空間とシチュエーションでの約20分という短い話でさくっと見れて、『もう1回見たい』と思ってもらえる内容だと思うので、ぜひ一度見ていただけたらうれしいです」

――ありがとうございました!

【プロフィール】

細田善彦(ほそだ よしひこ)
東京都出身。魚座。O型。映画「ピア~まちをつなぐもの」「武蔵-むさし-」「君の物語を語る者に」と主演作が近年続き、大林宣彦監督最後の作品「海の映画館-キネマの玉手箱」で話題となった。ドラマでは「共演NG」(テレビ東京系)などに出演。3月24日にドラマ、第32回フジテレビヤングシナリオ大賞「サロガシー」(フジテレビ)が放送される。


泉澤祐希(いずみさわ ゆうき)
千葉県出身。双子座。A型。ドラマ「東京が戦場になった日」(NHK総合)「連続テレビ小説『ひよっこ』」(NHK総合ほか)「少年寅次郎」(NHK総合)、映画「マスカレード・ホテル」など数々の作品に出演。2021年はドラマ「青のSP-学校内警察・嶋田隆平-」(フジテレビ系)やWOWOW開局30周年記念のアクターズ・ショート・フィルム「機械仕掛けの君」などに出演。

【番組情報】

Huluオリジナル「THE LIMIT」
Huluで毎週金曜、新エピソード独占配信中(全6話)
第3話「ユニットバスの2人」は3月19日、第5話「切れない電話」は4月2日に配信

取材・文/K・T 撮影/蓮尾美智子

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