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井上真央が2人の“寅ちゃん”と1年ぶりに再会して感じたこととは? 「少年寅次郎」がスペシャル版で復活!2020/12/04

 映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎の少年時代を描いた「少年寅次郎」(NHK総合ほか)が1年ぶりに「少年寅次郎スペシャル」として帰ってきます。ふらっと突然帰ってくる感じは寅さんっぽいですよね! スペシャル版では、寅次郎が家を出てから1年後の世界が描かれます。ビジネスの修業に出た寅次郎が、旅先で最愛の妹・さくら(野澤しおり)や亡くなった母・光子(井上真央)のことを思い出していくことから物語は始まります。

 今回は再び光子を演じた井上真央さんに、1年ぶりに演じた思いや2人の寅ちゃん(藤原颯音、井上優吏)と再会しての感想を聞きました!

――1年ぶりに「少年寅次郎」がスペシャルで戻ってくると聞いた時はいかがでしたか?

「前回のドラマが終わった後に、家族のように仲良くなっていたし、この作品が大好きだったので、『また再会できたらいいね』と話していて、次の話は寅ちゃんが悪さをしようとすると、幽霊の光子が出てきて『寅ちゃん!』って怒るんじゃないかという妄想をみんなでしていました。岡田(惠和)さんの脚本が届いた時に、寅ちゃんは柴又に帰ってきて、光子は回想という形で出るんだと知りました。前後編の2回ですけれども、その続きが読みたくなるような物語です。皆さんと再会した時にはホッとすると言いますか、大変な状況(コロナ禍)の中でこの家族に会えたのは心強かったです」

――2人の寅ちゃんに1年ぶりに会った印象はいかがでしたか? 成長しているなと感じたところはありましたか?

「『変わってないな』と思うことが多くてホッとしました。ただ、会話をしていると『ちょっと成長したじゃん』というところもありました。大寅ちゃん(井上)に関しては、見た目も背が高くなって、少年らしさ、大人に近づいているなと感じて『立派な子に成長したな』と。元々シャイな子なんですが、人見知り感がより増していて、10回話しかけて1回返事が返ってくるくらいのシャイさというか…。『ちょっと、お母ちゃんさみしい』というのはありました。大寅ちゃんはお芝居で大変なシーンがあるので、彼なりに『頑張らなければ』と背負っているのを感じましたね」

――藤原くんはいかがでしたか?

「小寅ちゃん(藤原)に関しては、ほとんど変わっていなかったのですが、若干、口が達者になっていたというか(笑)。今回も彼の明るさと無邪気さに助けられました。ほとんど変わってなかったと思います。機嫌が悪くなる回数が前回よりも減ったかな(笑)。私が浴衣や着物の衣装ではなく、私服で来た時に『お母ちゃん、そんな格好で来たの?』と寅ちゃんに言われて『なんで? かわいいでしょ』と答えたら『ふーん。ま、おいら、お母ちゃんの顔しか見てないから』と言われまして…(笑)。『そんなことを言うようになったのか』と成長を感じました。そんなことがあって、今日は何を言い出すんだろうと…毎日、面白かったですね」

――光子を演じたことによって変化したことや意識したことはありますか?

「光子は私の中で難しい役と言いますか…。もちろん、台本を読んでいて愛情を感じるんですけど、時代も違うし、3人の子どもを持つという経験もないので、光子のような肝の据わったお母ちゃんをやれるのだろうかというのは、前回も今回も常に思っていました。前回は映画『男はつらいよ』の世界観を大事にしたいなというのがあったので、映画を何度も見ていました。見た人が懐かしくなったり、映画を見返したくなるようになればいいなと、しぐさをまねしたり、取り入れたりしたんです。今回は目の前にいる子どもに対して自然に湧き上がる感情を大事にしたいと思っていました」

――車家の家族とも1年ぶりだと思いますが、家族のエピソードで印象的だったことはありますか?

「回想という形なので、車家の家族が全員そろうということがなかったんです。コロナ禍ということもあり、ずっと会話をし続けることはなかったんですけど、落ち着く感じで。多くをしゃべらなくても、いるだけでホッとするのをみんな感じていたんじゃないかなと思います。また、光子は寅ちゃんとのシーンが、おいちゃん(泉澤祐希)やおばちゃん(岸井ゆきの)はさくら(野澤)とのシーンが多かったので、お互いに『どうだった?』『今日こういう発言してたんだよ』と、子どもの成長をみんなで見届けて共有し合うことが多かったです」

――光子が寅ちゃんのためにリンゴをすってあげるシーンなどが印象的でしたが、ご自身の中での印象的なシーンを教えてください。

「私も昭一郎(山時聡真)と寅ちゃんのシーンはすごく好きで、小さいのに思い合っている兄弟のほほ笑ましさにキュンとしました。自分が出ているシーンで言うと、布団の打ち直しをしているところです。この当時は布団の打ち直しを家族みんなでしていたんだなと。いろんなことをしゃべり、笑いながら、一つ一つの作業を全員でやるという、本当になんてことない当時の日常なんですけど、好きですね。時代によっては懐かしいなと思ってくださるシーンでもありますし『こんなことをやっていたんだ』と、新鮮に見ていただけたりするシーンでもあるのかなと思います」

――子どもたちと接する時は、役として接していたのでしょうか? それとも井上さんご自身として接していたのでしょうか?

「前作のドラマの時もそうでしたが、自分自身子どもを育てるという経験がなく、手探りの中で子どもたちに“母親”にしてもらったなという部分は大きかったように思いますし、今回もそうでした。実際に現場に行って、本当にしょぼんとした顔やケラケラと笑う顔を見て、ふっと生まれる愛おしさみたいな感情が自分の中にもあり、それが役と重なった感じかもしれません」

――子役の方たちと接していて、ご自分の子役時代を思い出したりしましたか?

「思い出すことはあまりなかったです(笑)。子役の方と接する機会は多くて、みんなそれぞれ違うんですけれども、寅ちゃん(藤原)は本当に子どもらしいんですよ。例えば、助監督さんから『出番はまだだから待っててね』と言われると、ほかの子たちは『はいっ!』とちゃんと待っているんですけれども、寅ちゃんは『まだ~? おなかすいたよ~』と言っちゃうんです。でも、そこがいいところだなと(笑)。今回は『寅ちゃん、そういう時は大丈夫です。待つのも仕事ですから』って言うんだよと教えたら、笑って言っていました」

――1年前と大きく違うことはコロナ禍であるということですが、そんな中撮影されたこのドラマはどんな存在だと思いますか?

「完成されたものはまだ見ていないんですけれども、岡田さんの台本を読んだ時に、渥美清さんの大ファンだった亡くなった祖父を思い出し、きっと今、報告したらうれしがるだろうな、もっと聞きたいことがあったなと思いました。今回のスペシャルは、寅ちゃんが大好きだった家族やお母ちゃんのことを思い返す物語です。こういうこと(コロナ禍)があってから、もう二度と会えない人や、今は会えない人もいると思うんですけど、相手を思うことの大切さが込められているんじゃないかと。見終わった後に大事な人のことを思えるような作品になっていると思います」

――最後に見どころをお願いします!

「前回のドラマを見ていただいた方も、今回初めての方も、家族で笑ったりちょっとほろっとしたりできる作品になっているので、楽しんでいただきたいです」

――ありがとうございました!

 2人の寅ちゃんの話を本当に楽しそうに笑いながら語った井上さん。現場では、小寅の藤原くんを何度も抱きしめたいと思いながらもコロナ禍ということもあり、我慢したんだそう。そんな現場の雰囲気があったからこそ、光子さんと寅ちゃんのシーンは、常に温かく優しい空気が漂っているのかもしれません。

前編 あらすじ(12月4日放送)

 最愛の妹、さくら(野澤)に見送られ東京の葛飾・柴又を旅立った車寅次郎(井上優吏)。それから1年が過ぎましたが、寅次郎は母・光子(井上真央)のいない故郷・柴又には戻っていません。しかしビジネスの旅の途中の山形で、初恋の人・さとこ(森七菜)と再会し、リンゴをもらったことがきっかけで、柴又の日々がよみがえります。わんぱく小僧だった寅次郎(藤原颯音)は、帝釈天のお供えから拝借したリンゴを打ち直し中の布団に隠したことを思い出し…。子どもの頃のことを思い出した寅次郎は果たして柴又に戻るのでしょうか? また、初恋の人・さとこに再び出会って、寅次郎の恋心はどうなるのでしょう? そこも気になるところです。

【番組情報】

特集ドラマ「少年寅次郎スペシャル」
12月4日・11日
NHK総合・NHK BS4K 午後10:00~10:45

NHK担当 K・H

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