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まるで大河ドラマ!? 海外ドラマ「レ・ミゼラブル」の見どころを徹底紹介!2020/03/08

 フランスの文豪、ビクトル・ユゴーの不朽の名作をイギリスのBBCがドラマ化した「レ・ミゼラブル」が3月15日からNHK総合でスタート! 吹き替え版は、日本では初めて放送されるとのこと。これまでミュージカルや映画で何度も上演されている本作の魅力と、ドラマならではの見どころを総括プロデューサー・堀江さゆみさんに伺いました。

──「レ・ミゼラブル」が選ばれた理由は?

「NHK総合の日曜日の夜11時は、韓国ドラマや欧米ドラマの名作を放送してきた枠です。今回の『レ・ミゼラブル』は、文学作品を映像化することにチャレンジしているBBCの制作で、見やすい上にワクワクさせてくれる優れた作品だったので放送することになりました。また、2016年に総合テレビで放送された海外ドラマ『戦争と平和』の脚本家とドラマスタッフが集結した、世界で最高峰のドリームチームの作品という期待もあります」

── ミュージカルや映画と何が違うのでしょうか?

「舞台や映画は2時間強くらいで物語が完結しますよね。原作のエッセンスは入っているけれども、そこに至る人間関係や時代の背景が大幅にそぎ落とされていて、もったいないところがたくさんあるんです。本作では、ミュージカルには入らなかったものを原作に近い形で感動をそのまま届けたいという思いがあったようです。作中で生まれた子どもが結婚するまでを描いていたり、ドラマチックな人間関係が時代の変遷で移っていくので、BBCが作った“大河ドラマ”という感じです。一番の大きな違いは、誰も歌わないことですね(笑)。ミュージカルでは、生活が苦しく、どん底に落ちたファンティーヌが歌う名場面があります。ドラマでは、少女の頃からファンティーヌを見ることで、どん底に落ちた彼女を見た瞬間、皆さんの脳内にミュージカルでファンティーヌが歌う曲が流れると思います」

── 初めて恋を知る少女のファンティーヌから見ることができるのは新鮮ですね。

「何事にも純粋で目の前に現れた王子さまみたいな貴族の若者を信じて飛び込むファンティーヌに、思わず『待って!』と言いたくなってしまいます。また、ファンティーヌだけではなくて、ジャベールとジャン・バルジャンの2人の心理描写も最後まで描かれます。ミュージカルでは唐突に思えたジャベールの最後も、ドラマでは細かく描かれるので納得がいくと思います。ジャベールとジャン・バルジャンの2人のシーンは、“マウス&キャットストーリー”というネズミとネコが追いかけっこをするようなハラハラドキドキの展開になっています」

── 原作に忠実に描かれているのでしょうか?

「脚本家はかなり原作に忠実にすることを心掛けたようです。実は原作を愛していて、ミュージカルはあまり好きではなかったそうで。できる限りユゴーの世界をBBCのドラマで実現したいと思って頑張ったと言っています。役者陣はミュージカルを見て世界観を知っている人が多いのですが、ミュージカルよりも納得がいったとか、自分が演じるキャラクターが生き生きと描かれているので、演じられてよかったと言ってる人が多かったそうです。原作に寄ったことで難しくなったわけではなく、ミュージカルを見た人には、欠けていたパズルが埋まるような感じで見ていただけたらと思います」

── 19世紀のフランスの街並みが再現されているようですが、どこでロケをしたのでしょうか?

「ベルギーとフランスの国境近くにある、1830年代の構造物が残っている場所で撮影しました。第1回の冒頭に登場するワーテルローの戦場もベルギーの中で見つけたそうです。NHKの大河ドラマと同じように考証的にもこだわりがあったようで。また今後、下水道を通って逃げていくシーンがあるのですが、そこは下水道を実際に作って撮影をしていて、全体的に映画のような仕上がりになっています。ほかにも、革命のシーンがあるのですが、それも非常に見応えのあるシーンです」

── ミュージカルを見たことがない「レ・ミゼラブル」初心者はどこを楽しむといいでしょうか?

「ミュージカルや映画をご覧になっていなくても、『レ・ミゼラブル』の名前はどこかで聞いたことがあると思います。ユゴーの原作は分厚い本が6冊もある超大作なんですけれども、読まなくても世界観が分かるドラマになので、知識ゼロでも楽しめると思います。むしろ、ドラマから見た人は詳細なユゴーの世界を純粋に楽しめるのではないでしょうか」

── あらためて、今、「レ・ミゼラブル」を放送する意義はどこにありますか?

「19世紀の革命の話ですが、一人一人の運命や流転が現代社会にシンクロしているんです。ファンティーヌは純粋に恋愛をしていたのに裏切られて、シングルマザーになるのですが、社会の状況が片親を許さず、どんどん転落していきます。そして、小さな罪で徒刑場に入ったジャン・バルジャンは刑期を終えて出所しても、社会が受け入れてくれず、名前を変えて生きていく…。おのおのの設定にリアリティーがあるんです。だから、『レ・ミゼラブル』を知らなくてもフランスや革命に興味がなくても、それぞれのドラマが女性にも男性にも心に刺さるのではないかと思います」

── ありがとうございました!

 3月15日の放送では、1815年のワーテルローの戦いが終わったところから物語が始まります。戦場で略奪をしていたテナルディエ(アディール・アクタル)は、偶然、ポンメルシー大佐(ヘンリー・ロイド・ヒューズ)の命を救います。パリの街では、学業のために滞在しているフィーリックス(ジョニー・フリン)と恋に落ち、明るい未来を夢見るお針子のファンティーヌ(リリー・コリンズ)の姿が。一方、1斤のパンを盗んだ罪で19年もの間、服役することになったジャン・バルジャン(ドミニク・ウェスト)は、刑期を終えた後、町に出るのですが、元受刑者が持つ黄色い旅券を見せなければいけないため、厳しい現実に直面することに。悲惨な人々や哀れな人々という意味をもつ「レ・ミゼラブル」。ファンティーヌやジャン・バルジャンらがどんな苦労や困難に見舞われていくのか。ドラマならではの物語にも注目です。

【番組情報】

「レ・ミゼラブル」 
3月15日スタート 
NHK総合 
日曜 午後11:00~11:48(終了時間は日によって異なります)

NHK担当 K・H

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