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ジェームズ・マカヴォイが「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」の魅力を語る2020/01/22

HBOとBBCがタッグを組み、フィリップ・プルマンの大ヒットファンタジー小説をドラマ化。本作は、現実によく似たパラレルワールドを舞台に、少女・ライラ(ダフネ・キーン)の冒険を描く壮大なファンタジーアドベンチャーだ。原作の大ファンであり、学者・探検家でライラを守るアスリエル卿に扮したジェームズ・マカヴォイに、作品の魅力や見どころを聞いた。

娯楽大作ドラマで大胆で危険なことができて興奮した!

── 演じたアスリエル卿について教えてください。

「アスリエル卿は若い頃は野心的な貴族だったんだ。ところが、ある人物との間に大きな過ちを犯してしまってね、そのせいで大きな代償を払うハメになったんだ。彼は自分の所有する土地のすべてを失い、マジステリアムという宗教組織に何もかも奪われてしまったんだよ。人生が大きく変わり、40歳を迎えた今、その宗教組織そのものや、教義、目的を大いに嫌悪し疑いを抱いているんだ。この13年間は自分の信念を追い求め、マジステリアムを倒そうとしている。スピリチュアリズムが本来あるべき姿を取り戻し、その宗教組織によってゆがんでしまった僕らの世界をどうにかしたいと考えているんだよ」

── 主人公の少女・ライラの保護者でもありますね?

「アスリエル卿はライラにとって存命する最も近い親類に当たる人物だ。保護者として、彼女をオックスフォードのジョーダン学寮に連れて来て、“身の安全を守ってほしい”と依頼する。というのも、彼がいないと彼女の命が危険にさらされるからだよ。子どもらしく自由に過ごせるようにと学校に彼女を託すんだ。そして定期的に彼女のもとを訪れては、贈り物をしたり、凍てつく北極の自然の話、鎧(よろい)を着たクマや魔女といった話を聞かせてあげている。まるでおとぎ話のように聞こえるけれど、彼らの世界ではそれが実際に起こっている現実だからね。彼の話が、ライラの冒険心や経験したことのないことをしたいという願望に火をつけるんだ」

── アスリエル卿はこの作品の象徴的な存在です。この役を引き受けることに緊張しましたか?

「いいや、もうどんな役を引き受けても緊張はしなくなったよ。それくらい年を取ったということさ! それよりも、この役を演じることや、こんな娯楽大作ドラマで大胆で危険なことができて興奮した。それはつまり、宗教組織についてするどい視点で描いているということだよ。アスリエル卿が宗教組織と対立していること、さらには何か悪行を隠しているとにらんでいることまで描いているからね。それにこのキャラクターをとても気に入っている。彼の冷酷さも華やかさも活気に満ちあふれたところもね。僕がこれまでに出会った人たちの半数よりも、彼は生き生きとしているね。彼には彼なりの宿命があるんだ。魔法と科学と神学が混ざり合った世界の中でこんな人物を演じられるなんて最高だよ。彼のことがとても気に入っているから、このドラマの一員になれてとても幸運だと感じているよ」

── 本作の舞台となっているのは、どんな架空の世界なのでしょうか?

「『ロード・オブ・ザ・リング』のような重厚さではなく、もっとスピリチュアルなドラマなんだ。それに作品のポイントもはっきりとしている。また、『ハリー・ポッター』の世界観もとてもはっきりしていたけど、このドラマの方が『ハリー・ポッター』ほどの気まぐれさはないんだよ。原作者のフィリップ・プルマンはとても気骨があって恐れ知らずのストーリーテラーだ。彼はストーリーがどんどんクレージーでワイルドになっていっても、真相を探る冒険をするライラやロジャー、そしてウィルに読者や視聴者がついていきたいと思わせるものを描き上げることのできる素晴らしい作家なんだ。彼の描いたものを演じる僕らもとても怖かったし、ドキドキしたし、無事に生きていることの幸せを感じたくらいだ。ダストの正体、マジステリアムの正体、オーソリティの謎に挑むライラの旅路、そして自分の人生を自分の手でつかんでいく姿…どれをとってもとても魅力的で、原作ファンも視聴者も前のめりになるはずさ」

── 脚本を手がけるジャック・ソーンがこの壮大な物語をまとめあげたことについての感想は?

「とてもとてもいい脚本なんだ。僕にとってフィリップはいろんな意味でミステリアスな作家で、そこが彼の魅力の一つになっている。彼はストーリーテリングの天才だけど、分かりやすいヒントや教訓といったものを読者に与えないから、どういう展開になるのか全く予想もつかないことがある。それは本の読者としてはとても楽しいけれど、目の前にあるものからしか情報が入らないテレビや映画という受け身のエンターテインメントツールでは難しいことなんだよ。受け手が想像力を働かせたり、セリフを頭と口でよく吟味する時間の余裕はないからね。テレビや映画は目の前にあるものがすべてなんだ。だから難しいことなのだけれど、ジャックは優れた脚本家でね、素晴らしいストーリーに仕上げてくれたよ」

── アスリエル卿の衣装は役作りにおいて、どんな役割を果たしましたか?

「彼は人前では必ずネクタイをしている時代の人物だ。スーツを着ていなくてもネクタイはつけているという時代のね。だから登山をしていてもネクタイをつけている。実際には神学者であり、科学者だけど、彼の中の軍人的な部分がそうさせているんだろうね。彼は冒険家であり、探検家でもある。神学者、科学者、軍人的要素が混ざり合っているところが彼の服装に表れているんだよ」

── アスリエル卿のダイモン(守護精霊)を教えてください。また、ダイモンはアスリエル卿のどんな存在なのでしょう?

「彼のダイモンはユキヒョウで、名前はステルマリア。彼女は故郷の山にいて、そこの崖の淵にしがみつきながら頂上まで登りつめ、さらにはその頂きを征服して狙った獲物を捕獲しようとしている。ステルマリアが示唆しているのはつまり、アスリエル卿は何かを探しているということなんだ。最初は彼が何を探しているのか分からない。でも最後にはそれがはっきりと分かって、僕らは彼の途方もない野心を知ることになるんだよ。シーズン2、シーズン3で彼がどんな大胆な計画を立てているのか想像もつかないね。でもとにかく、彼の自我(エゴ)は彼自身の中とステルマリアの中にもあると思うよ」

── ダイモンのステルマリアはどのように命を吹き込まれたのですか?

「この世界で20年間仕事をしてきて、架空の物を相手に何度も共演をしてきた。だから今回はとても楽で、“おお、人形使いがいる! 人形がちゃんとリハーサルから一緒にいてくれるんだ”と思ったね。ステルマリアがいつもそばにいて、彼女を演じる役者と共演できたんだ。2人で1組になって、共生しながら演技をすることができて、とてもよかったね」

── もしあなたにダイモンがいるとしたら、どんなダイモンで、何と名付けますか?

「きっと僕のダイモンは山の動物になるんじゃないかと思うよ。マウンテンフォックスかな。というか、マウンテンフォックスなんているのかな? 世界のどこかにはいるのかもね(笑)。とにかく彼女のことはアテナ(=ギリシア神話に登場する女神)と呼ぶよ」

【プロフィール】

ジェームズ・マカヴォイ James McAvoy  
1979年4月21日生まれ。英・スコットランド出身。2005年の映画「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」のタムナス役で人気を得る。映画「X-MEN」シリーズの若い時代のプロフェッサーX役でも有名。ほか「つぐない」(07年)、「ウォンテッド」(08年)などに出演。

【番組情報】

「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」
2月17日スタート 
スターチャンネル2 
月曜 午後11:00~深夜0:15ほか(字幕・全9話)※1月17日の第1話無料放送

2月20日スタート 
スターチャンネル3 
木曜 午後10:00~11:15 ほか(二カ国語・全9話)※1月27日は~午後11:10

原作・製作総指揮/フィリップ・プルマン 
製作総指揮/ジェーン・トランターほか 
出演/ダフネ・キーン ジェームズ・マカヴォイ ルース・ウィルソン リン=マヌエル・ミランダ クラーク・ピーターズほか

マジステリアムという宗教組織が権力を握り、人間の魂はダイモン(守護精霊)として動物の姿をしている世界。オックスフォードのジョーダン学寮で暮らす少女・ライラは、何者かにさらわれた子どもたちを救うため、北極へと向かうことになる。

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