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劇場版公開間近!バイオレット役の一城みゆ希がドラマ「ダウントン・アビー」への愛を語る2020/01/09

20世紀初頭のイギリスを舞台に、ダウントン・アビーと呼ばれる貴族の大邸宅で繰り広げられる人間模様を描いた人気ドラマ「ダウントン・アビー」(2010~15年)。相続問題に揺れる名門貴族と彼らに仕える使用人たちの喜びや悲しみを、格調高く描いた本作の劇場版が1月10日に公開されるが、スターチャンネルではテレビシリーズ全6シーズンを1月22日から放送。これに合わせ、主要キャラクターの1人、バイオレット・クローリーの日本語吹き替えを担当した一城みゆ希がインタビューに応じた。

バイオレットはダウントン・アビーの当主でグランサム伯爵であるロバート・クローリーの母親。貴族の名誉を重んじる誇り高い貴婦人であると同時に3人の孫娘(メアリー、イーディス、シビル)の幸せを願う、よき祖母でもある。強烈な個性と群を抜く存在感でファンから愛される人気キャラクターを6年間演じ、劇場版でもバイオレットを担当した一城が、本作の魅力や共演の声優陣について語った。

劇場版の素晴らしさはドラマがあればこそ!

── もうすぐ劇場版「ダウントン・アビー」が公開されますね。

「劇場版が作られているといううわさは聞いていましたけど、日本語吹き替え版が作られるなんて思ってもみなかったので、決まった時はうれしくて、うれしくて。共演した声優にはいつも会いたいと思っていました。みんな、とってもいい人たちで、しかも、とってもうまいんですよ。第1~6シーズンまで一緒にやってきたので、つながりが深いんですよね」

──「ダウントン・アビー」のキャストは皆さん仲がいいと聞きますが、声優さんも同じなんですね。

「私たち声優は、ダウントン・アビーの舞台である大きなお屋敷にお庭があるような場所ではなく、制作会社の一番小さなスタジオで日本語版を収録していました(笑)。『ダウントン・アビー』は衣装から何からとてもゴージャスなのに、スタジオの私たちはジーパンだったりするじゃない? このギャップがあるからこその演じることの楽しさ。“『ダウントン・アビー』(の現場)に来れば、私たちは貴族”という思いがあるから、みんな背筋をしゃんと伸ばしていました。セリフも普段使わない言葉なので、ギャップはすごかったですね。でも、普段使わない言葉が多いという点での苦労はなかったです。このドラマはとても丁寧に作られているので、私たちも丁寧に丁寧に演じただけ。声優陣は苦労はしていなかったと思います」

── では、バイオレットさんの劇場版での見どころはどこでしょうか?

「劇場版は素晴らしい仕上がりで、見どころはいろいろあるんですけど、それは第1シーズンから第6シーズンまでのドラマがあるから分かるんですよね。『えっ、ここで?』という展開や、クスッと笑えるところ、ちょっと泣けるところもありますよ。バイオレットさんはとにかく自分の家のことばかり考えています(笑)。ここをなんとかしようという思いでいる。だから、孫たちにこの結婚はダメ、こっちの結婚になさいと、いろいろ勧めるんですけど、結局ドラマ版の最後ではみんないいポジションにはまって終わっているんですよね。ロバートの長女で夫を亡くしたメアリーも、ずっとフラれ続けていた二女のイーディスもいい人と結婚できて。なんと言ってもかわいそうなのはドラマ版の途中で亡くなった三女のシビルですけど、その夫のトムにも劇場版ではいいことがあるんですよ。本当によかったわ。トムはいい人だから(笑)。ずっと意地悪だった執事のトーマスも幸せになれそうなの。彼はすごくいい表情をするシーンがあるんですよ。実はバイオレットがメアリーにあることを打ち明ける場面があるんですけど、そこは初めて劇場版の試写を見た時に泣けました」

── キャラクターの一人一人に愛情を持っていらっしゃいますが、特にお気に入り入りの人物はいますか?

「みんな、みんな、好きなんですけど、やっぱり(ロバートの従者の)ベイツさんと(メイド長の)アンナさんのすごく深い愛が好きですね。第1シーズンだったと思うんですけど、アンナさんが風邪をひいて寝込んじゃって、ダウントンの人たちはお祭りか何かで出かけているんですけど、ベイツさんは残って食事を作ってあげたことを思い出しますね。そこからちょっと恋が芽生えるんですけど、2人を演じる役者さんの芝居が細かいんですよね。ベイツさんは殺人の濡れ衣で刑務所まで入っちゃうじゃない? でも、アンナさんはずっと待ち続けるんですよね。偉いな、深いなと思います。『ダウントン・アビー』には(メアリーとイーディスの確執など)結構ドロドロしたところもあるんですけど、ちゃんといい状態で収まるのがいいところ。ただ、次のシーズンに行きますよっていう時には『さあ、どうなるの?』っていう展開になりますね。そこがやっぱり魅力ですね。そうでなければ第6シーズンまで続かなかったと思います」

── バイオレットとご自身に共通点はありますか?

「私は皮肉とか言わないし…(笑)。演じていらっしゃるマギー・スミスさんはとても素晴らしい人格者なんだと思います。とてもたくさんのことを学ばせていただいたと感じています。表情とかしぐさとか。例えば、歩いている時に相手の目を見るシーンがあれば、私もそれにふさわしい声が出るんですよ。それは計算ではなくて、私たちは忠実に忠実に演じていくだけ。マギー・スミスさんが素晴らしく演じてくれたおかげで一城みゆ希は成長させていただきました。感謝です。私は『ダウントン・アビー』で初めてマギー・スミスさんを演じさせてもらいましたが、最初に台本を開けた時に『ええ~、マギー・スミスさん!?』と思いました。だって、大女優だし、これまで先輩たちが担当なさってきた女優さんなので。でも、ほかの声優さんは参考にはしませんでした。私が出すものでダメであればディレクターが何か言ってくれるだろうと思って演じたんです。特に打ち合せはしなかった。それはほかの皆さんもやっていないんじゃないかしら。ディレクターが私たちに任せてくれたので、それに応えなければいけないと思ってやっていました」

── ドラマではバイオレットとイザベル(メアリーの他界した夫の母親)の関係も印象的でしたね。

「マギー・スミスさんは自由に演じていると思いますが、イザベルさん役のペネロープ・ウィルトンさんがそれをドンと受け止めてくれて。セリフは決まったものしか言えないでしょう? でも、イザベルさんの表情を見てください。バイオレットさんの言ったことに対して、セリフは言えないけど、表情で気持ちを表現していますから。ああ、悔しかったのね、とか、分かるんです。『ダウントン・アビー』の役者さんたちは皆さん、表情豊かなの。セリフのないことろで芝居をしているんですよ。それは私たちも同じで、声優は声を出すことが仕事だけれども、相手の言うことをちゃんと受け止めて返してる。そういうところが声優の面白さですね」

【プロフィール】

一城みゆ希(いちじょう みゆき) 
8月23日生まれ。岩手県出身。アニメや洋画、海外ドラマの日本語吹き替え、テレビ番組のナレーションなどで活躍。海外ドラマファンには「ダウントン・アビー」のバイオレット役のほか、「NCIS:LA~極秘潜入捜査班」(09年~)のヘンリエッタ・ラング役でおなじみ。ほかにスーザン・サランドン、メリル・ストリープ、サンドラ・ブロックなどの吹き替えを担当。アニメ「名探偵コナン」(日本テレビ系)ではジョディ・スターリングを演じている。

【番組情報】

劇場新作「ダウントン・アビー」公開記念 全6シーズンレギュラー放送

1月22日スタート 
スターチャンネル2 
水曜 午後11:00~(字幕/2話連続放送)

1月27日スタート 
スターチャンネル3 
月曜 午後10:00~(吹き替え/2話連続放送)

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