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高畑淳子、「舞いあがれ!」でヒロイン・舞の祖母役が話題。「台本を読むたびに、胸が詰まるような気持ちになった」2022/10/14

高畑淳子、「舞いあがれ!」でヒロイン・舞の祖母役が話題。「台本を読むたびに、胸が詰まるような気持ちになった」

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「舞いあがれ!」(月~土曜午前8:00ほか)で、福原遥演じるヒロイン・岩倉舞の祖母・才津祥子役を務める高畑淳子が、役柄への思いや作品の見どころを語った。

 連続テレビ小説107作目となる物語の舞台は、1990年代から現在。主人公の舞が、ものづくりの町・東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生の物語だ。20年に同局の「心の傷を癒(いや)すということ」で、第46回放送文化基金賞番組部門テレビドラマ番組最優秀賞を受賞した桑原亮子氏によるオリジナル作品となっている。

 五島列島に住む祥子は、岩倉めぐみ(永作博美)の母親だ。漁師だった夫が亡くなった後、女手一つでめぐみを育てた。なんでも自分でやって、自分の力で生きていくことをモットーにしている。めぐみとは折り合いが悪いが、孫の舞にとってはよき理解者となる。

 本作への出演が決まり「そりゃあもう、うれしかったです」という高畑は、「『こういう役があるんだけど』と話をいただいてから、『どうなるか分かりませんけど、少し待ってください』と言われて何週間か待ちました。何人か候補がいらっしゃるんだろうなと思って、オーディション気分で待ちました(笑)。私たちの時代は“朝ドラ”が登竜門で、私も何度受けたかな。4回ぐらい落ちましたね。そういう若い時の記憶があるぐらいなので、とってもうれしかったです」と裏話を交えつつ、喜びを伝える。

 そして、演じる祥子の役柄を「五島にある海の資源と陸の資源を無駄なく使って無駄なく生きる、SDGsを難しい理屈なしに当たり前のこととして、おおらかに実践している人です。自分の娘と大げんかして14年も会っていないなど頑固なところもありますが、空を見て、海を見て暮らしている人の強さがあり、発する言葉に深みがあります」と紹介。

 五島言葉での演技には苦労しているそうだが、「練習をしながら何度も何度も読んでいると、気付くとティッシュの山ができているほど、涙が止まらないんですよね。例えば、『変わりもんば、変わりもんとして堂々と生きたらよか。周りに合わせんでよか。自分ば知っとる人間が一番強かけん』というセリフがあるのですが、これも五島の言葉で言うからいいんでしょうかね。標準語で『自分を知ってる人間が一番強いからね』とか言われても、カッチーン!となるかもしれませんよね。海の潮の流れや、空の気候など、あらがえない自然と共に生きている人の言葉だからでしょうね」と感銘を受けたことを明かす。

 なお、船の免許は持っていないそうで、「撮影のために2階建てで運転できる船を探してくださったんです。本当は上で運転しているけど、私が運転しているように見える船で撮影したんですが、海面すれすれのところを走るので、座っているすぐ横に波が走っていくのが見えて、本当に気持ちよかったです。五島は本当に奇麗でした!」と物語の一つの舞台である五島に魅せられている様子。

 脚本に関しては「今の世の中はとても生きづらいと感じる人が多いと思いますが、この作品には、もう少しうまく楽に生きられるはず、もっと違う観点があるのではないか、といった問いかけが込められていると私は思います。脚本家のお一人の桑原亮子さんが、中途失聴による重度の聴覚障害がおありだと知り、だから言葉を紡ぐというなりわいに、ご自身のいろいろなことを詰めておられるのだなと思いました。台本を読むたびに、胸が詰まるような気持ちになったんです。いろいろなことにぶつかりながらも生きなければならないことを体感なさっている方なんだなと思いました。人生っていろいろなことにぶつかりながらも生きていかなければならないもの。“朝ドラ”は『今日も頑張るぞ!』と思ってもらうような役割もあるんだろうなと思いました」と自身の解釈を伝える。

 また、主演の福原については「福原さんとは別のドラマでご一緒したんですが、肌も透けるようで本当にお奇麗で。舞ちゃんという人が抱えている繊細さと、気を使いすぎたり、人のことを背負いすぎたりというところなど、福原さん自身が、常にそういう気配りできる優しさがあるので、まさに適役だと思います」とその魅力を語る。

 最後に、視聴者に向け、「この作品では、五島の美しい夕日や海辺などの日本の旅情的な景色と、人々が忙しく働く東大阪の町工場という正反対の場面が出てきます。“朝ドラ”は歴史上の人物が出てきて流れを感じたり、その時代を回想したりしながら見るのが好きなのですが、同時に『人間の根幹はここにある』ということを感じ取っていただける作品ではないかと思っています。ストレスが多い現代ですが、見る角度を変えれば、親子の問題を含めて氷解することもあります。何か目線が変われば、顔を上げて生きていける。そういう力になれたらと思います」と思いを伝え、「私たちは畑を耕しているわけでも、お米を作っているわけでもありませんが、演劇やお芝居は、そういう面でのお肉を作っていると思うのです。人の気持ちを強くできるというのが、テレビや舞台の一番の仕事だと思います。視聴者の方に、気持ちが強くなっていただけたらうれしいです」と呼び掛けている。


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