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萩原みのり、仕事のモチベーションは「“褒めてもらうために頑張る”だけなんです」――デビュー10年目で訪れた圧倒的な変化2021/03/22

 2020年、「転がるビー玉」「37セカンズ」「佐々木、イン、マイマイン」など7本の映画に出演した女優・萩原みのりさん。続く2021年は既に、話題作「花束みたいな恋をした」に菅田将暉さん演じる山音麦の現在の彼女・本條朱音役で出演、4月には「愛がなんだ」「あの頃。」などを手掛けた今泉力哉監督作品「街の上で」の公開が控えている。

 また、3月に放送・配信がスタートする連続ドラマのなんと4本に出演が決定。「お茶にごす。」(Amazon Prime Video)、「やっぱりおしい刑事」(NHK BSプレミアム)、「賭ケグルイ双」(Amazon Prime Video)、そして主演を務める「RISKY」(MBSほか)だ。

 連続ドラマ初主演となる「RISKY」は、愛憎が渦巻く女と女の復讐劇。萩原さん演じる広瀬ひなたは、幼い頃、両親を事故で失い、さらに親のように育ててくれた姉まで奪われ、その敵を取るためにじわじわと相手を追い詰めていく謎めいた人物。原作コミックを読み「自分の想像を毎度上回る展開に魅了され、ページをめくる手が止まりませんでした。ひなたを自分が演じられることが本当に楽しみで、撮影が始まる日を毎日ドキドキしながら待っています」と高揚感に満ちていた萩原さん。ここではクランクインを迎えて数日後の萩原さんに、役作りの方法から現在の心境、周囲の反響への思いなどをインタビュー。

「萩原みのりが出てるから見る」と思い続けてもらえる役者でいたい

――2020年は本当にたくさんの作品に出演され、萩原さんの名前をいろんなところで目にしました。中でも「アフター6ジャンクション」(TBSラジオ)でRHYMESTER・宇多丸さんが「これから存在感が増していくと思う」とコメントするなど、何度も萩原さんの名前を挙げていたのが印象的です。2020年、そして2021年に入って、さらに周りの方からの反響を実感することも多かったのではないかと思うのですが、ご自身では手応えは感じていますか?

「もうデビューして10年目になるんですが、不安と自信のなさは10年前と全く変わらないです。唯一変わってきたのは、“自分を知ってくれてる人がいる”と実感できるようになったこと。でも、宇多丸さんが名前を……しかも1回じゃなくて何回も名前を出してくださったり、昔からテレビで見ていた役者さんや、自分の好きなアーティストの方が“萩原みのりを知ってくれている”ことが、今はまだよく分からない感じです」

――うれしい言葉もたくさん届いているのではないかと思います。

「尊敬する方々が『あの作品見たよ』『頑張ってるね』と褒めてくださるのって、すごいことだなっていつも思うんですよ。ファンの方々の中には、昨年の出演映画を『全部見ました』と言ってくださる方もいて。私がこのお仕事を始める前、10代の頃って、ドラマや映画を見るのは好きだったけど『この役者さんが出てる作品を全部見よう』という感覚はありませんでした。『萩原みのりが出てるから見る』と言っていただけるのってすごくうれしいことだから、そう思い続けてもらえる役者でいたいです。今は、どんどんそういう思いが増しているところです」

――そういう思いを抱くようになったのは、2020年以降の変化ですか?

「そうですね。圧倒的に褒められる回数が増えたという実感があって。私の仕事のモチベーションが“褒めてもらうために頑張る”だけなんです。すごくシンプルなんですけど(笑)。褒めてもらえるから次の作品も頑張ろうと思うし、もっと女優を続けたいって思う。昨年は作品の数が多かった分、褒めてもらえる回数も、いただける言葉も増えました。今後、さらに増えていったらいいなと思います」

――1月に公開された「花束みたいな恋をした」が話題となっている中、4月にはヒロイン役で出演の「街の上で」がついに公開されますね。念願の今泉監督作品への出演とのことですが、そのあたりの反響は既に耳に入ってきていますか?

「『街の上で』は本当は昨年公開する予定だったので、既に試写でご覧になった関係者の方々からたくさん連絡をいただきました。でも、正直『街の上で』は自分自身はめちゃくちゃ落ち込んだ作品で。ここ数年でも特に『悔しい』って思った作品なので、たくさん連絡をいただいてうれしいと同時に、何とも言えない気持ちになります(苦笑)。作品はすごく面白いし、『面白かった』と言われると『ですよね』って思うけど、そのたびに『頑張ろ……』って。身が引き締まる思いというか…」

――「街の上で」はいつ頃撮影されたのですか?

「いつだろう? 『転がるビー玉』の直後だったんですよね。2年前の夏だったかな。だいぶたちましたね」

――「花束みたいな恋をした」「街の上で」と映画の公開が続くのと同時に、今年は既に4本のドラマに出演されることが発表されています。出演作を重ねる中で、今はどのような心境ですか?

「とにかく今は“何でもやってみる”という精神です。いただいたお話はとにかく挑戦してみる。まだやったことない役ばかりなので、『どんな役やりたい?』と聞かれても『何でもやってみたい』としか答えられないんです。全然、まだまだなので。『映画によく出てるよね』と思ってもらえるのもうれしいし、もっとたくさん出たいとも思うけど、ドラマはドラマで別の難しさに直面します。最近ドラマに挑戦させてもらえる機会が増えているので、映画とはまた違う“萩原みのりの見せ方”を徐々に見つけていきたいです」

――映画とドラマ、その見せ方の違いは、例えばどのような部分になるのでしょうか。

「ドラマだと、一つ一つの動きをほんの数ミリずつ大きくすることで分かりやすくなることがあるなと感じています。逆に、視線の動きを一つやめることもあります。カメラの画面に対して情報を映す時、スクリーンで見ると気にならない動きが、テレビの画面で見るとうるさく感じたり。そういう部分は今後も勉強しながら、自分の表現方法みたいなものを見つけていきたいなと思っています」

壮絶な復讐に手を染める主人公は「自分と似てる役だとは正直思っていないです」

――「RISKY」では、連続ドラマ初主演。率直なお気持ちを教えてください。

「私としては『よし、主演だ!』と気合を入れたというより、『萩原みのり初主演』と記事が出た時に周りの方から予想以上にたくさん連絡をいただいたことで、皆さんのリアクションを見て『そうか…!』と感じたというのが正直な思いです。こうやって取材を受ける時に『初主演ですね』と言われて、やっと実感が湧いている感じです」

――萩原さんとしては、『やっとつかんだ!』というより、『着実に積み重ねていく中でめぐり合えた』といった感覚になるのでしょうか。

「んー、どうなんでしょう…。でもとてもありがたいです」

――徹底的に復讐に燃えるひなたの気持ちを、萩原さんは理解することはできますか…?

「自分がひなたのような状況に陥った時、どういう選択肢を取るか分からないというのが正直なところです。今の時点で、ひなたと同じくらいの苦しみはまだ味わったことがないなと…。両親を亡くして、唯一の家族のお姉ちゃんまでも奪われて、その悲しさがひなたをあそこまで突き動かす原動力になっているのかなと思うんですけど、復讐の内容が内容だけに、自分と似てる役だとは正直思っていないです」

――そのような役を演じるにあたって、役作りにはどう向き合いましたか?

「台本を読む前に、ひたすら原作の漫画を読みました。漫画とドラマで違うシーンもたくさんあるんですけど、それでもやっぱり、ベースは漫画のひなただと思ったんです。漫画という大きなヒントを手掛かりに、とにかく漫画のひなたを自分の中に落とし込むことを一番大事にしました」

――ひなたを演じる中で、特に意識していることはありますか?

「古川雄輝さん演じる桜井亨の前にいるひなたと、それ以外の時では、違いが出るようにかなり気を付けて演じています。だましているモードの時、居心地のいい時というのが、視聴者の方が見て一目で分かるようにしたいなと。一つの作品の中でいろんな表情を見せる役なので、自分としてはすごく挑戦的な役なんです」

前向きになることができた、共演した方からの言葉

――3月6日にはお誕生日を迎えますね。先ほど「いただいた役は何でもやってみたい」とおっしゃっていましたが、この1年はどのように過ごしたいですか?(取材は3月頭に実施)

「以前共演した方から『カッコつけないとラクになるよ』という言葉をいただいたことがありました。『売れたいとか賞が欲しいとか、普通あんまり言わないけど、言った方が絶対気持ちいいよ』とおっしゃっていて、その言葉がずっと心の中にあるんです。確かに、言わなければ仕事がなくなった時に『別にマイペースに仕事してるだけだから』ってカッコつけることもできるけど、そうすると自分の中で一つモヤっとするんですよね。『仕事欲しい!』って口にした方が、絶対気持ちいいなと考えるようになりました」

――自分の気持ちに正直に向き合った方が、健全な気がしますよね。

「そうですね。自分の気持ちをちゃんとそのまま口にするようになってから、すごく前向きになったと思います。言霊ってそういうことなのかなって何となく思うし、その方が楽しいなって。スカしてるより、いろんな役と素直に向き合っていけたらいいなと思ってます。よく『小さい役も大きい役もない』って言うじゃないですか。でも私、あると思うんですよ。いっぱいお仕事してるとそう言えるようになるのかもしれないですけど…。だからこそ、好きな友達が主演になったり、どんどん大きい役と出合ってたりするとめちゃくちゃうれしいんですよね。『そっちもそんなことやってるんだ!』って、周りの友達の活躍は刺激になるし、『私もこんなことやってるよ』って言えるような仕事を、これからもずっとしていけたらいいなと思います」

【プロフィール】

萩原みのり(はぎわら みのり)
1997年3月6日生まれ。愛知県出身。うお座。B型。2013年、ドラマ「放課後グルーヴ」(TBSほか)で女優デビュー。主な出演作は、映画「昼顔」「ハローグッバイ」「お嬢ちゃん」「転がるビー玉」「37セカンズ」「アンダードッグ」「佐々木、イン、マイマイン」「花束みたいな恋をした」、ドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)、「I”s(アイズ)」(BSスカパー!)など。ドラマ「お茶にごす。」(Amazon Prime Video)が配信中、「やっぱりおしい刑事」(NHK BSプレミアム)が放送中。21年3月26日より、「賭ケグルイ双」(Amazon Prime Video)が配信予定。4月9日には、映画「街の上で」の公開も控えている。

【番組情報】

ドラマ特区「RISKY」
MBS 3月25日スタート 木曜 深夜0:59~1:29
tvk 3月25日スタート 木曜 午後11:00~11:30
チバテレ 3月26日スタート 金曜 午後11:00~11:30
テレ玉 3月31日スタート 水曜 深夜0:00~0:30
群馬テレビ 4月1日スタート 木曜 午後11:30~深夜0:00
とちテレ 4月1日スタート 木曜 深夜1:30~2:00

<配信情報>
見逃し配信:TVer、MBS動画イズム
独占配信:TSUTAYA プレミアム/TSUTAYA TV
※各話放送1週間前より先行配信(第1話は3月18日配信開始、第2話以降は毎週木曜日深夜配信開始)

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【締切】2021年4月18日(日)正午

取材・文/宮下毬菜 撮影/蓮尾美智子

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