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「あのコの夢を見たんです。」松本花奈監督が伝えたいことは…「人を傷つけるのも“言葉”、人を救うのも“言葉”」2020/10/16

 「きのう何食べた?」や「勇者ヨシヒコ」シリーズなど、数々の話題作を生み出しているテレビ東京・金曜深夜の「ドラマ24」が今回で60作目を迎えました。その記念すべき60作目は、現在放送中の「あのコの夢を見たんです。」(テレビ東京ほか)。原作は、南海キャンディーズの山里亮太さんが人気女優やモデルとの妄想話を執筆した短編小説です。今夜放送の第3話に登場するヒロインは森七菜さん。そこで、今回はキュートでかわいらしい森さんの回を撮影された松本花奈監督に、撮影秘話や作品を通して伝えたいことなどをたっぷりと伺ました!

――本作の監督を務めた感想を教えてください。

「私は芳根京子さんの回(10月9日放送・第2話)と森さんの回の監督を務めたのですが、どちらのお話も非常に魅力的でした。しかも、180度全く違う内容なので、撮影中はぜいたくに二度ホットな夏を味わわせていただいた気分になりました。“妄想”をテーマに映像化していく中で、山里さんがヒロインの女の子たちとどう出会い、どんな話をしていくのか、さらにこの先どうなっていくのか…など“妄想”を積み重ねていく時間が楽しかったです」

――ちなみに、撮影前に第2、3話の台本を読まれての感想はいかがでしたか?

「まずは、ストーリーが山里さんの心情が軸になっている回と、ヒロインの心情が軸となっている回があるという印象を受けました。原作も読んだのですが、その時は“妄想”の幅の広さや自由さを感じました。また、読んでいていろんな感情が湧き上がってきて、気持ちがグチャグチャになりました。設定はぶっ飛んでいるのに、読み終わると“現実”への活力が湧いてきます」

――そのほかにも、本作の撮影前に準備されたことはあったのでしょうか?

「第2話に関しては、ストーリーのモチーフでもあるゲームのドラゴンクエストを実際に始めてみました。今までやったことがなかったんですけど、始めると結構ハマってしまい、危うく“ドラクエ廃”になりかけるところでした(笑)。また第3話に関しては、ヤマ(仲野太賀)が学校にいる時の息苦しさや居場所が見当たらないつらさなどの心情が表れていて、自分も経験した感情を思い出しました。なので、その当時にひっそりとやっていたブログを久しぶりに読み返し、その時の自分の心情を掘り出してみました。すると、結構あの頃の自分とヤマが重なっていることに気づいたので、ヤマに自分を投影させながら撮っていこうと思っていました」

――第3話では松本監督が体感された心情も表れているんですね。そういった心情なども含めて、ヤマ(山里)を演じる仲野さんとはどんなお話をされたのでしょうか?

「芳根さんの回では、山里という人物をいかに悪賢く描けるかで、京子の見え方も変わってくるんですよ。なので、全体に“偽りの正義”というテーマを設定したいとお話しました。また、山里が京子に見せている顔と、裏の顔の二面性をどのタイミングで明かしていくのかなど、事前に細かく仲野さんと相談しながら作り上げました。森さんの回では、“HHP”という悲劇のヒロインプロジェクトが繰り返し行われていく中で、初めは、ただヤマがそのプロジェクトに巻き込まれていくんですけど、段々と楽しくなってしまう…という能動的になっていく段階を踏む流れにしていきたいという話をしました」

――仲野さんとは役作りについて綿密にお話されながら、山里とヤマという人物を作り上げられていたんですね。その中で、松本監督が一番こだわって撮影されたシーンがあれば教えてください。

「芳根さんの回では、戦闘シーンにこだわりましたね。ただ戦うのではなく、勝枝(濱田マリ)や剛力(宇野祥平)らが自分の衰えを感じるシーンでもあるので、攻撃を食らっても動じないドラゴンの動きなどについて細かく話し合いをして撮影に臨みました。その結果、想像以上の仕上がりとなりましたね。あと、森さんの回は、夜の学校に忍び込むシーンにこだわりました。“HHP”という悲劇のヒロインプロジェクトの中で、特にヤマと森さんの距離が縮まるシーンだったので、2人にとって一番良い思い出になってくれていたら良いな、と思いながら撮りました」

――視聴者の皆さんにもぜひ注目して見ていただきたいですね。今回監督された回では、芳根さんと森さんがヒロインでしたが、松本監督が女性として共感できる部分はありましたか?

「まず芳根さんだと、SNSに疲弊していく京子の様子に共感しました。SNSの普及であらためて“言葉”の力の強さを感じている今、人を傷つけるのも“言葉”、人を救うのも“言葉”ということをこの作品から伝えていけたらいいなと思います。あと、森さんの回でも、七菜の一度思い立ったら行動せずにはいられないところに共感しました。ただ、私の周りにはヤマのように付き合ってくれる人はいないので、いつも1人で行動して失敗しての繰り返しです…。なので、ヤマのような存在がいるのがうらやましく感じました」

――本作には、今、世の中で起きていることへのメッセージが詰まっているんですね。少しお話を変えて、松本監督ご自身についてもお伺いします。これまで大学に通われながら、数々の映画を撮られてきたかと思いますが、大学生と映画監督を両立されていく上で、苦労したエピソードなどがあれば教えてください。

「通っていた大学のキャンパスが都内から1時間以上かかる場所にあるので、授業が終わった後に都内で撮影や打ち合わせがある時は移動が大変でした。ただ、大学では主に心理学の授業を専攻していたのですが、そこで学んだことが今この仕事に役立っているんだなと実感します。なので、頑張って両立させて良かったなと思います」

――貴重なお話、ありがとうございました! では、最後にあらためて視聴者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

「山里さんの自由な“妄想”を自由に撮らせていただきました。もしかしたら、こんな世界がどこかにあるのかも…? と“妄想”しながら楽しんで見ていただけたらうれしいです!」

——ありがとうございました!

【番組情報】

ドラマ24 第60弾特別企画 「あのコの夢を見たんです。」
テレビ東京ほか
金曜 深夜0:12~0:52
※地域によって放送日時が異なります。

テレビ東京担当 M・M

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