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佐久間宣行×橋本和明、東京03の地上波初冠コント番組で強力タッグ! 東京03と“スタア”の共演は「自主的に練習して全国大会を狙う強豪校の部活みたい(笑)」2021/10/17

佐久間宣行×橋本和明、東京03の地上波初冠コント番組で強力タッグ! 東京03と“スタア”の共演は「自主的に練習して全国大会を狙う強豪校の部活みたい(笑)」

 東京03の地上波初冠番組「東京03とスタア」が日本テレビで日曜日に放送中です。東京03の飯塚悟志さん、豊本明長さん、角田晃広さんが、千葉雄大さん、白石麻衣さんら“スタア”とコントで共演するもの。コントはオークラさん、かもめんたる・岩崎う大さんといった実力派作家によるオリジナル脚本で、東京03のお三方とスタアによる化学反応が楽しめます。

 企画・演出では、テレビ東京系の「ゴッドタン」などの人気番組を担当している佐久間宣行さん、そして日本テレビで「有吉の壁」などを手掛ける橋本和明さんのタッグ結成も話題ですね。佐久間さんにとっては、フリー転身後、初の民放テレビ番組演出となります。

 そんなお二人を直撃し、同番組の誕生秘話や東京03の魅力などをたっぷりと伺いました!

――まず、お二人のもともとの関係性について教えてください。

佐久間 「僕の記憶だと、橋本さんと最初に話したのは誰かの単独ライブの後だと思うんです。『ウレロ☆シリーズ』の時に、SKE48のシチュエーションコメディー(『SKE48のマジカル・ラジオ』)を橋本さんがやってらっしゃって、そこに角田さんが出ることになったので、『ウレロ』のキャラクターで出したいんですと相談があり、もちろんOKを出したんです」

橋本 「『ウレロ』の時に連絡したのは覚えていますけど、よく覚えていますね、その時の電話の内容まで(笑)」

佐久間 「その時に連絡先を交換したのが10年前とかですね。その時くらいからの知り合いではあったんです」

橋本 「僕は『ウレロ』が好きだったから、『テレ東で面白いことしているなあ。こんなお仕事を芸人さんとやれていいなあ』と思って見ていました」

――それ以降はどのようなつながりがありましたか?

佐久間 「頻繁には連絡は取っていないんですけど、僕も有吉(弘行)さんと番組(『有吉のバカだけど…ニュースはじめました』)をやっている時に特番で『有吉の壁』が始まって。それを見てすごく面白いなって思って。有吉さんの楽屋で盛り上がったのは覚えていますね」

橋本 「違うテレビ局だと、なかなか会う機会もないですよね。『ゴッドタン』はもちろん拝見しているし、制作だから番組が始まると誰がやるのかは見るので、『あ、佐久間さんまた今度やるんだ!』って。でも、なかなか会う機会はないですよね」

佐久間 「ないですね。僕は制作で関わりがあったのは、(テレビ朝日の)加地(倫三)さんくらいですよ。加地さんとは『ゴッドタン』と『アメトーーク!』で企画のやりとりが何回かあったので。それ以外に他局の方とはないです」

橋本 「それがたまたまこのタイミングで一緒にやることになったという、不思議な…。きっかけは、佐久間さんからメッセージをいただいて、『あちこちオードリー』で『有吉の壁』の話をするという内容で。そんなにお気遣いいただくほどひどい話をしているわけでもないんですけど…」

佐久間 「結構長い話になったんですよ。佐藤栞里さんとパンサーがゲストの回で、『有吉の壁』の話が20分くらい続いたので、さすがに一報入れておいた方がいいなと、久しぶりに橋本さんにご連絡したんです」

橋本 「久しぶりに佐久間さんからメッセージもらって、『佐久間さん、テレ東を退社されたんですよね?』みたいな雑談をしていて、そのうちに『せっかくなので、何かやりましょうか?』というのが、この番組を始めることになった経緯ですよね」

――お互いが手掛ける番組についてはどんな感想をお持ちですか?

佐久間 「コント師をバラエティーで着地させることがずっと難しいと思っていて…。『有吉の壁』で、コントの設定で大喜利するというのを見た時に、『はっ!』と思って。『これはすげえ番組が始まったな!』と思ったのが、一番鮮烈だったかなと思いますね」

橋本 「佐久間さんの番組を見ていて、その芸人さんとの信頼関係をどう築いているんだろうというのが、ずっと疑問だったんですよね。『ゴッドタン』とか『あちこちオードリー』を見ていても、芸人さんがその他の番組では言わないことを言うし、他の番組では見せない顔を見せる。それがどういうからくりなのか、『魔法使いみたいなことやっているのか?』って(笑)。最近では佐久間さんがラジオを含めて出役になっているので、そこがだんだん見えてきて、今回一緒にやっていてさらに見えてきたんです」

――一緒にお仕事をしてみて驚いたことや発見したことなどはありますか?

佐久間 「僕が感動したのは、橋本さんを中心とした日本テレビの一枚岩な感じというか、この企画に若手やいろんな人も参加してきてくれて。『お笑いをやりたい』というアツいスタッフがいて、そこで橋本さんが慕われているのが感動しましたね」

橋本 「僕は、東京03(以降03)と佐久間さんがどう関係性を築いてきたのかを間近で見ることができて勉強になっています。佐久間さん流のやり方を、何食わぬ顔していろいろ盗んでいますね(笑)。それを若い社員にも見せて。教育的な観点で若手が入っているところがこの番組にはあるので、すごくいい刺激になっているんじゃないかなと。ただのファンも混ざっていますけどね(笑)。メーキングをずっと撮っている竹内(遥香)ディレクターが…あれはもうただのファンですから(笑)」

佐久間 「はっはっはっはっは(笑)。竹内ディレクターは『有吉の壁』で有吉さんに演技を褒められたので、ついに03の前で演技を見てもらうという、もはやメーキングですらない謎の時間がありましたね(笑)」

橋本 「展覧会場でのロケで、有吉さんは“展覧会場の人としては”うまいと褒めたけど、彼女は『演技が褒められたので、私ちょっと出た方がいいんじゃないか』と、この番組でも自信満々に店員の演技をやっていましたね。こちらはどうしたものかと思いつつ(笑)。でも、そういう子たちがやれるのもすごくいいなと思います」

佐久間 「そう思いますよね。03はその子のことは覚えるだろうし、芸人が覚えていると『またその人と仕事したい』ってなるし」

――すべて撮り終えての感想や出来栄えについてお聞かせください。

佐久間 「4回撮ったんですけど、どれもすごくいいなと思います。日本テレビの美術さんとか技術さんのレベルが高くて、一つのコントとしてはセットがすごいんですよ。セットって大事で、そのおかげで笑えるんだけどグッとくるみたいなものも作れているし。あと、ゲストの方々が全員セリフをばっちり入れて、しかも自分のアレンジも入れてきてくれて。03のベースの上で遊ぶというのをやってくれているので、すごくいい番組だなって思いましたね」

橋本 「東京03と佐久間さんがやっているという、いい意味でのプレッシャーが掛かっているから、ゲストも考えてきてくれますね。美術も技術も気合が入っていて、意地もあったと思うんですよ。日本テレビに来てもらった佐久間さんにも『おっ!』って思ってもらおうって。だから、技術とかも管理職の人たちが来て、ベテランのオールスターメンバーで(笑)」

佐久間 「いやあ、みんなカメラうまかったなあ」

橋本 「メインを張っている人とか普段は管理職でシフトを作っている人とかが、肩回してきているからうまいし、カット割りを直すのは早いし。そういう意味でもいい刺激になっていますね」

佐久間 「あとは、やっぱり東京03ですよね。本読みをした後に独自で練習してきてくれるんです。だから、03が来た時点でコントのベースができていて。そしてカット割りを直している間に、勝手にゲストと練習してくれるんですよ」

橋本 「僕もビックリしました。送った本を、あんなに直してもらえて。『この語尾の方がいいんじゃないか』とか『このセリフのツッコミの方がいいんじゃないか』と直されたものを見ると、ちゃんと理由が分かるというか。しかも合間に勝手に稽古してくれるっていう(笑)」

佐久間 「全国大会狙う部活みたいだったもんなあ。部員が自主的に練習している感じだから」

橋本 「そうですよね(笑)。なかなかの強豪校ですよね。カメラリハーサルの後で本番を迎えると、もう一段階よくなっていて、『あのキャリアでそんなことあるんですか?』と思いますよ。そのおかげでゲストもピリッとしますよね。だから、かなりクオリティー高いと思います」

――若手芸人がネタを書く音声コント企画はどんな発想から生まれたのですか?

佐久間 「芸人の単独ライブに行くと、幕間にVTRで音声だけのコンテンツがあるんですけど、あれは爆発的にウケるんですよ。あと、YouTubeを見ている若い人たちにとっては、書き起こしの音声コンテンツは慣れているから、そのままテレビに出しても大丈夫なのではと思って。テロップの入れ方で笑わせるものって、実はテレビでやったことがないから、全編それでやるとなると難しいけど、短い尺で1コーナーやるのだったらありなんじゃないかなと。そう思ったのがきっかけですね」

橋本 「音だけというのは新鮮で楽しいですよね。コントって音だけでも可能性がすごくあるんじゃないかと思って。それぞれの芸人さんが、音であることを生かしたネタを書いてきてくれているので、それはそれで別の番組でもできそうなくらい面白いコンテンツなのかなと」

――Huluでの配信で見られるアフタートークやメーキングの見どころをお聞かせください。

佐久間 「竹内さんが撮っているメーキングが、普段のメーキングと比べてディレクターが気持ち悪いから(笑)、気持ち悪いディレクターにしか撮れない“ねばり”があると思うんですよ。それは見どころですね。ただのメーキング担当ディレクターが撮ったのではない、ガチファンが撮ったメーキングです」

橋本 「ファンが一番見たいものは分かっているはずですからね」

佐久間 「ゲストの素顔も見れますし、いいと思いますよ。千葉雄大さんとか白石麻衣さんとかが普段だったら見せないような一生懸命さも見れて、『こんなにコントを愛してくれているんだな』というものも出ているし、こぼれ落ちる素顔も面白いと思います」

橋本 「合間に練習しているのも入っていると思いますね。あとは、終わった後にみんながホッとした顔をしているなっていうのも面白いです。『やっぱりプレッシャーあったんだな』というのが見れて楽しいなと」

 愛される東京03。今後も夢が膨らむ!

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