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坂口健太郎が「おかえりモネ」菅波先生を好演! ヒロインとの関係を「軽やかに見せたい」2021/06/12

坂口健太郎が「おかえりモネ」菅波先生を好演! ヒロインとの関係を「軽やかに見せたい」

 現在放送中の連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合ほか)。第4週(6月7日~11日放送)は、永浦百音(清原果耶)が地元・気仙沼でお盆休みを過ごす様子が描かれました。山と海と空がつながっていることを実感し、気象の世界へどんどん魅了されていく百音。第5週(6月14日~18日放送)から、いよいよ気象予報士試験の勉強を始めます。

 お盆休みを終えた百音は、登米へ戻るバスで菅波光太朗(坂口健太郎)と遭遇。相変わらず無愛想で気まずくなりますが、気象予報士の資格に興味を持っていることを話すと、またしても辛辣(しんらつ)なアドバイスが。医師だからこそ説得力がありそうですね。

 今回は菅波を演じる坂口さんが、モネ(百音)との関係性や宮城県の魅力を語ってくださいました。

――昨年から撮影されていると思いますが、いよいよ放送が始まりました。今の心境をお聞かせください。

「とても美しい“朝ドラ”が始まったなという感覚があります。まだまだ物語の序章なので、登場人物の紹介や、モネがどういう思いで登米にいるのか、第1週(5月17日~21日放送)は説明のような展開でしたが、第5回(5月21日放送)の最後でモネが北上川の移流霧を見るシーンは、とても丁寧に撮っていると感じました。森林組合は実際の登米にあり、室内はセットで撮っていますが、とても奥行きがうまく表現されていて、こういうロケ場所があるのかなと思うくらいすてきでした」

――菅波を演じる上で、難しいと思うことはありますか?

「やはり専門用語は難しいです。芝居については細かくやっています。“朝ドラ”は1日15分の放送で、極端にキャラクターが変わるのではなく、モネと出会ったことで少しずつ変化していく菅波を表現するのが難しいですね。第5週では、モネが気象の勉強を始めます。監督とは、菅波の偏屈なところやちょっと変わっているところが見えてもいいのでは…キャラクターっぽくなってもいいのでは…と話しました。はじめ2人は距離がありましたが、モネに巻き込まれながら、少しずつ行動を共にすることによって、菅波も変化していきます。時には、テンションの高い菅波も。静かな菅波、何か過去を抱えていそうな菅波、口が悪い菅波、熱が高ぶっている菅波、ちょっとドジな菅波など、いろいろな面を出せる役だと思います。第2週(5月24日~28日放送)までは、モネも森林組合の人たちも『菅波先生というお医者さんがいるんだよ』という感じでしたが、やがて『おい! 菅波先生!』って言われるくらいになってきて、視聴者の皆さんもだんだんと菅波を愛らしく見ていただけたのではないでしょうか」

坂口健太郎が「おかえりモネ」菅波先生を好演! ヒロインとの関係を「軽やかに見せたい」

――モネを演じる清原さんの印象はいかがですか?

「果耶ちゃんと初めてお芝居をした時に、役の考えていることをとても真剣に考える子だなと思いました。モネを通して果耶ちゃんの人物像が見える時もあるし、モネが果耶ちゃんに見える瞬間も時々あって…。役とリンクしていないと、そういう瞬間はなかなか生まれないんですよ。なので、一緒にお芝居をしていて気持ちいい女優さんだなと思います」

――今後、菅波とモネはどのような関係になっていくのでしょうか?

「今はまだ菅波の人物像が謎に包まれていますよね。森林組合の人たちやモネの家族とは少し距離感が違って…。菅波のセリフにもありますが、彼は他人と関わることをすごく苦手としています。最初は“気になる”まではいかないと思いますが、“新しく森林組合に来た元気な女の子がいるな”“不思議な女の子だな”と見ていて…。モネが自分を犠牲にしながらも相手のことを考えて動く姿を見るようになって、“この人はちょっと違うな”という思いに変わり始めます。勉強会で先生と生徒のような関係になって、少しずつ仲良くなるというか一緒に時間を過ごしていきます。それを愛と言っていいのか難しいですよね。愛と言ってしまうと湿っぽい感じがして…。果耶ちゃんとは『菅波とモネの関係を軽やかに見せたいよね』と話しました。モネは清らかさや純粋さを持っているので、2人の関係性を美しく見せるにはどうしたらいいか探りながら撮影している段階です」

――2人の恋愛模様は、まだ分からないですか?

「分からないです。菅波としては、ずっと近くで寄り添ってあげられる存在でいたいなと思っています。2人の関係性をかわいらしく見てもらいたいですね。あと、菅波がモネと出会って、一緒の時間を過ごすことで、彼が少しずつ変わっていく様子も見ていただけると、うれしいです」

坂口健太郎が「おかえりモネ」菅波先生を好演! ヒロインとの関係を「軽やかに見せたい」

――では、安達奈緒子さんの脚本を役者としてどのように受け取っていらっしゃいますか?

「『おかえりモネ』の台本が届くのを楽しみに読んでいます。セリフの中に、ほんの少しスパイスが入っているので面白いです。それが登場人物のキャラクターになっていきますが、もう一つ味が欲しいという点をしっかり書いてくださっている脚本です。劇的な瞬間がたくさんあるわけではないですが、かみしめることによって、少しずつ味が出て、面白いドラマになると感じています。最初の方を読んでいた時に“菅波は一体何者だ?”と思っていたので、モネと出会うことによって変わっていくさまを面白く見ています。映像になって見た時は、果耶ちゃんの透明感や清らかさが作品と画にマッチしていて、いい意味で掛け算になった感覚がしました」

――震災から10年ということで、舞台は宮城県ですね。

「震災から少しずつ年月がたって、特に東京など離れたところにいると、どうしても震災の記憶が薄れていってしまうんですよね。今はコロナで大変な時期ですが、そういう時だからこそ“朝ドラ”を放送することにすごく意味があるなと、あらためて思いましたし、このドラマに参加できることが、とてもうれしいです。宮城の景色や風景がとても美しくて、宮城のロケ地が一つの主役になっている感じがしました」

――東京出身の医師と気仙沼出身の女の子が出会うことは現実ではあまりないですが、菅波やモネをどのようにご覧になっていますか?

「モネが未知(蒔田彩珠)に『お姉ちゃんは津波見てないもんね』と言われるシーンがあるのですが、妹からそう言われたことについてモネと菅波が話すシーンがあって、とてもつらくて苦しいだろうなと思いました。当時、僕は東京にいてリアルな状況を知らないですが、気仙沼で生まれ育ったモネが、その時たまたまいなくて、津波が来て、家族は経験していて…。これは、言葉では表せないほど悲しくて、つらい感情になってしまうだろうなと感じています。東京出身の菅波としては、最初はモネのことを客観的に見ていることが多いですが、時間がたつにつれてお互いの感覚が分かってきた時に、そばで見ていてあげられる人でいたいなと思います」

――坂口さんご自身、宮城県の思い出がありましたら教えてください。

「僕は宮城や福島あたりの東北に親戚が多くいるので、親近感がありました。他の作品ですが、気仙沼で撮影をさせてもらったことがあって、いろいろ食べさせていただきました。ハーモニカがおいしかったです! あ、菅波はサメが好きなんですよ。気仙沼にはシャークミュージアムもありますよね? 撮休の時に行きました。同じ建物の中にある、マイナス20℃の氷の水族館に入って、すごく寒かったです(笑)。僕が行ったのは冬だったので、夏に行ったらサイコーですね!」

――コロナが落ち着いたら、また行けるといいですね。ありがとうございました。

 無愛想でドライな対応をしている菅波ですが、インタビュー中はドラマでは見られない坂口さんの笑顔をたくさん拝見することができました。また取材会には宮城県の方も参加。ご当地エピソードでは、坂口さんの“東北が好き”という思いが伝わってきました。

【番組情報】

坂口健太郎が「おかえりモネ」菅波先生を好演! ヒロインとの関係を「軽やかに見せたい」

連続テレビ小説「おかえりモネ」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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