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草彅剛、「青天を衝け」の徳川慶喜は「つかみどころがない感じで演じたい」2021/05/15

 第13回(5月9日放送)より「一橋家臣編」がスタートした大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)。第14回(5月16日放送)では、平岡円四郎(堤真一)の計らいにより、いよいよ渋沢栄一(吉沢亮)と徳川慶喜(草彅剛)が対面を果たします。

 第1回(2月14日放送)で馬を走らせていた慶喜に、栄一と渋沢喜作(高良健吾)が激走しながら声を掛けていたあのシーンの詳細が明らかになるわけです。そんな慶喜を演じる草彅剛さんから、大河ドラマへの思いや吉沢さんや堤さんなど、共演者の皆さんとのエピソードを伺いました。

――放送が始まった今の気持ちを教えてください。

「久しぶりの連続ドラマなんですけど、毎週放送されるってすごいなと思います。毎週楽しみになるのが連続ドラマの醍醐味(だいごみ)でもあるかなと。僕は、皆さんと一緒にお芝居ができて楽しい日々を過ごしています」

――草彅さんにとって大河ドラマはどんな存在ですか?

「大河ドラマは期間が長いですからね。若い方からご年配の方までいろんな方が親しんで見てくれるような国民的ドラマだなってあらためて実感しています」

――大河ドラマのどんなところにやりがいや魅力を感じていますか?

「セットも出演者もすごく豪華で、スタッフの人数もすごく多くて…。とにかく手間暇かけて作られているなと。撮影中『ここ、スタジオだよな』と思うくらい、すべてにおいてスケールが大きいというところですかね。CGではない本物の馬をスタジオに入れて撮影をするんです。その中で自分が負けないように、ただ馬に乗せられているだけ、ただ衣装を着せられているだけじゃなくて、しっかりとした心持ちでいようと心掛けて…。いろんな意味で薄っぺらいものにならないように頑張っています」

――しっかりした心持ちとは具体的に言うと、どんなことでしょうか?

「地に足をつけてということですね。将軍なので着物もすごく豪華で着せてもらうと重いんですよ。その上、豪華な兜(かぶと)をかぶって歩くこともあるので、たまに油断していると重くてふらふらしちゃったりするんです。だから、いつもよりドンと構えています。加えて、政治でさまざまな判断を迫られるシーンが多いので、その中でもドンと構えていないといけないという心持ちもありますね」

――反響の大きさからも大河ドラマの“すごみ”を感じていらっしゃるのでは?

「そうですね。SNSで僕のファンの“NAKAMA”の皆さんが『すごく良い慶喜だ』と言ってくれているので、“#青天を衝け”をエゴサーチしてます(笑)」

――慶喜は“最後の将軍”ですが、オファーを受けた時、どんな感想を抱きましたか?

「最後の将軍ということで特別な思いはありました。物事の始まりはドキドキ、ワクワクするんですけど、最後に終わらせるってどんな感じなのかなと。そこに興味を持ちました」

――また、慶喜は新しい物好きで趣味人だったそうですが、草彅さんはどのような人として演じていらっしゃいますか?

「つかみどころがない役がいいんじゃないかと黒崎(博)監督と最初の打ち合わせで話しました。歴史に詳しい方はご存じでしょうが、どうしたって慶喜は将軍になるわけで…。現在、生きている僕らは先のことを分かってるんですけど、『本当に自分が将軍になっていいのかな』という慶喜の葛藤が見え隠れするような、つかみどころがない感じで『これ、もしかしたら慶喜が将軍にならないんじゃないかな?』と思ってしまうくらいの、力の抜けた感じの役どころとして今回は演じていこうかなと思っています」

―― 主演の吉沢亮さんに加え、慶喜の父・徳川斉昭役の竹中直人さんや円四郎役の堤真一さんとの共演が多いと思うのですが、現場でのエピソードを教えてください。

「皆さんにとても良くしていただいています。堤さんとは何度か一緒にお芝居をしたことがあったのですが、久しぶりで身が引き締まる思いでした。すごく緊張しましたが、円四郎と慶喜の関係性は、今まで堤さんと培ってきた時間が反映されていたと思います。竹中さんは今回初めてだったんですけど、『草彅くんが本当に俺の息子に思えてきた』と言ってもらえたことが、すごくうれしかったです。吉沢くんも初めてでしたが、とてもピュアな純粋なオーラが漂っていました。体が細いイメージでしたが、思ったより体幹がしっかりしていて、そこからあふれ出るエネルギーが栄一にぴったりだなと。吉沢くんや高良くんの若いフレッシュな人から刺激を受けて、年上の堤さんや竹中さんの間に挟まれた僕はちょうどいい感じにサンドイッチされていて、とても楽しいです」

――堤さんとはお芝居についてもお話されたのでしょうか?

「昔からかわいがっていただいて、今回もよろしくということでお尻をつねられたりとか…(笑)。僕は堤さんのお芝居がすごい好きで、堤さんのように演じられたらなという意識があったりするんです。そういう僕のことを分かっていてくれるみたいで、あまり余計なことは話さないんですけれど、そばにいて空気を感じて背中で語ってくれる感じです。また、堤さんは『慶喜は何を考えているか分からないところがいい』と言ってくれました」

――慶喜はやがて栄一と懇意になっていきますが、栄一のどこを認めたのだと思われますか?

「慶喜は円四郎に心をすごく開いていて、その円四郎が連れてきたということがすごく大きいんじゃないかな。周りの人々はみんな、慶喜に必要以上に気を使っている部分があるんだけど、円四郎と栄一に限っては、人の幸せを思ったり、みんなが喜ぶ世の中にしたいという熱意みたいなものを、変に気を使わずストレートに言ってくれるので、そういうところが好きになっていくポイントじゃないかなと思っています」

――慶喜の感情が読めないような表情について好評ですが、その辺りについていかがですか?

「何も考えないでやっているので、とても恐縮です(笑)。褒めていただいて本当にうれしいです。あまり邪念というか、奇をてらわない方が見ている方々にとって面白いんじゃないかなとは思っていて。父・斉昭は『攘夷だ、攘夷だ』とストレートに感情をぶつけるので、僕は対極にいた方がいいんじゃないかなという気持ちもありました。黒崎監督とも話して、ふわふわしている感じにして。父があんなに熱意を込めて将軍として推してくれているのに、人ごとのような感じで。それが後に大きな器を持っている人間というふうに見られるといいなと思っています」

――今は抑えた演技をされていますが、この先、将軍になって変わっていく慶喜の本領をどのように表現されていかれますか?

「普通にやっていればなるんじゃないかなと。(声色を変えて)『私は将軍です!』って急になっても、『お前どうしたんだよ』ってなっちゃうから(笑)。体の中に自然に入ってくる脚本なので、脚本の通りにやっていればいい感じになるんじゃないかなと思っています」

――同じ人物を長い期間演じることで、ご自身の中で変化はありますか?

「みんな、役の上で死んで撮影に来なくなっちゃうんですよ。堤さんも、藤田東湖役の渡辺いっけいさんも演じられている役が史実に沿って亡くなっていくので…。武田耕雲斎も亡くなったら津田(寛治)さんも来ないんだなとか。そういうところで当時の人は本当に大変だったんだなと感じたりして…。『え? 急に?』みたいな。いろんな争いや戦いがあったから、今までがあって今日に至るんだなというのは、キャストの方が来なくなって時代を感じるというか…(笑)。昨日まで一緒に撮影していたのに、演じられている役が打ち首になっちゃって…。長くやってるとそういうことを感じますね。それだけいろんな展開が目まぐるしくあり、それが大河ドラマなんだって思いました」

――印象的な別れはありましたか?

「今後来る円四郎との別れはすごく寂しいですね。一番の家臣だったので。いなくなって寂しいけど、栄一を残していってくれたってところが、慶喜の未来にすごく大事なことなんだなと思っています。本当にたくさんの別れがあって、いろんな出来事が起きるんだけど、うまくまとまっている脚本だと思います」

――ありがとうございました!

 終始、朗らかに楽しそうに答えてくださった草彅さん。声色を変えて「私は将軍です!」と言ってくださるおちゃめな一面に、記者は思わずほっこりしてしまいました。

第14回あらすじ(5月16日放送)

 円四郎(堤)から「一橋家に仕官せよ」と迫られた栄一(吉沢)は慶喜(草彅)に自らの意見を建白することを条件に出します。円四郎は遠乗り途中の慶喜に栄一と喜作(高良)を対面させ、屋敷での謁見につなげることに成功。栄一と喜作は、晴れて一橋家に仕官することになるのです。一方、慶喜は、薩摩藩が天皇に信頼の厚い中川宮(奥田洋平)を取り込んでいることに気付き、中川宮を問い詰め、その場にいた島津久光(池田成志)らに“天下の大愚物、天下の大悪党だ”と言い放ち…。

【番組情報】

大河ドラマ「青天を衝け」
NHK総合 日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム・NHK BS4K 日曜 午後6:00~6:45

NHK担当 K・H

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