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「青天を衝け」吉沢亮は踊ってない? タイトルバック制作者・柿本ケンサク氏を直撃!2021/05/09

 渋沢栄一の生涯を描いた大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)が始まって約3カ月。世の中を変えてやると息巻いて、尊王攘夷の思想にどっぷりはまっている栄一(吉沢亮)の物語も楽しみではありますが、ドラマの世界観を表現したオープニング映像がどのように作られているのか、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今回はタイトルバックを制作した柿本ケンサクさんにオープニング映像の見どころを伺いました!

――なぜ、鳥が栄一たちを見ている視点で始まるオープニングにされたのでしょうか?

「佐藤直紀さんの音楽を聴いた時に、鳥の映像が直感的に浮かんできたんです。清らかな鳥のさえずりのような音から始まって、そこからのびやかに美しいメロディーに展開していく音楽から、ダイナミックな雄大な景色が思い浮かび、生命の始まりがのびやかに羽ばたいて広がっていくのを意識して、鳥から始めたんです」

――タイトルバックは水墨画のようなタッチで描かれてますが、どのように撮影されたのですか?

「水墨画的なタッチはかなり意識をして制作しているんです。今回は2019年のラグビーワールドカップで話題になったボリュメトリック撮影という自由視点の手法を取り入れて渋沢の人生の軌跡を描きました。ボリュメトリック撮影とは、約150台のカメラで360度あらゆる方向から一斉に撮影する手法なのですが、この撮影法には人物の間隔を最低でも1.5m以上は空けて撮影しないと映像データが取れなくなってしまうという弱点があって。その弱点を強みにできないかなと考えて、撮影に挑みました」

――弱点を強みに変えるとは?

「普通は人物の間隔を空けて撮影するところを、あえて人物を重ねたり、ダンスで人を持ち上げたりしているので、映像データが破損してしまうんです。そこに水墨画的なタッチを用いることで、破損した部分がにじんで空間に溶けていくような映像ができました。空間に余白をつくりたいというデザイン的な目的もありましたし、破損を強みに変えるという狙いもあって、水墨画を意識したわけです。また、基本はタイトルバックということで、出演者の方の名前などを読ませる役割もあるので主張しすぎないということも意識していましたね」

――ミュージカル調の表現を使われているのも特徴的ですね。

「渋沢が高い壁を目の前にしても笑っていて、踊るように生きた人間だと感じたところから着想を得たことも一つですが、大河ドラマでミュージカルという意外性も感じていただきたいという気持ちもありました。さらに、渋沢の人生がまさにジェットコースターで駆け抜けるような、一つの演目になるというところも踏まえてミュージカル調を採用しました」

――撮影中の吉沢さんは、いかがでしたか?

「実は、吉沢くんは踊っていないんです。ほかの出演者はダンサーでミュージカルを演技しているんですけれども、吉沢くんだけは渋沢栄一なんです。本編の渋沢がタイトルバックにも登場して吉沢くんが同じ渋沢を演じる。そうすることでダンサーとのコントラストが出て、渋沢の物語であるということがしっかり表現できたかなと思っています。吉沢くんには、場面設定や時代設定をその都度説明し、ぶれない渋沢のまま強い視線でずっと挑んでもらいました」

――柿本さんが感じる作品の魅力について教えてください。

「渋沢が生きた時代は、幕末から明治に移り変わり、それまでの文化や生活様式が一変して、多くの人がプライドを捨てて、欧米諸国に必死に食らいついた時代だと感じております。そんな中、渋沢は型にはまらずに常に変化し続けて、挑戦し続けて…。渋沢の人生は現代の社会を生きる自分たちに大きな気づきと勇気を与えてくれると思っています。オープニング映像は、渋沢の、変化に臆することなく挑戦し続ける熱を表現できたらと思って作ったので、それを感じていただけたらと思っております」

――ありがとうございました!

【番組情報】

大河ドラマ「青天を衝け」
NHK総合 日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム・NHK BS4K 日曜 午後6:00~6:45

NHK担当 K・H

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