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「コントが始まる」福井雄太プロデューサーを直撃! 自身の“最高傑作”と語る本作について徹底取材2021/05/15

 20代後半の若者たちが人生に苦悩しながら歩んでいく姿を、“コント”という異例の要素と合わせてリアルに描き出している青春群像劇「コントが始まる」(日本テレビ系)。主演の菅田将暉さんのほか、有村架純さん、仲野太賀さん、古川琴音さん、神木隆之介さんら同世代の豪華俳優陣が集結し、第38回向田邦子賞を受賞した金子茂樹さん脚本のオリジナルドラマとしても注目を集めています。

 今回は、本作を企画した日本テレビ・福井雄太プロデューサーを直撃取材。現場での様子や脚本の印象、さらに作品に込める思いなどについて伺いました。

――まず初めに、本作の企画意図についてお聞かせください。

「20代後半って、人生の中でもちょっと特別じゃないですか。僕自身今34歳なんですけれども、20代後半でいろんなことを思ったんです。プライベートは結婚や友人関係の変化だったり、仕事ではリズムができ始めて『自分のやりたいことって何だろう』と、向こう10年のことを悩んだり。10代の青春とは違い、20代前半の大人になる・ならないの葛藤ともまた違い、20代後半はいろんな選択が迫られる時期だと思っていて。失敗が許されにくかったり、今のこの時代背景も含めてうつむきがちな世の中ですけど、それでも生きていくことの美しさや、1人じゃないということを伝えられる作品にできたらと思っています」

――第4話(5月8日)まで放送されましたが、撮影が進む中での手応えはいかがでしょうか。

「青春群像劇って、時代に寄り添うような側面があると思っていて。時代に寄り添う言葉や表現だったり、今の連続ドラマではあまり見ない形にチャレンジしたいという思いから始まったのですが、その世界観は脚本の金子茂樹さんが見事に表現してくれてます。金子さんの作り出す脚本と俳優の皆さんのお芝居が合わさったものを見た時、『とんでもないものを見てしまったな』という気持ちになりました。“ドラマっぽくない”という表現が適切かは分かりませんが、僕自身にとってもこれは最高傑作と言えると思います」

――金子さんの脚本と、菅田さんをはじめとする俳優陣の印象について詳しく聞かせていただけますか。

「青春群像劇は僕自身が本当にやりたかった作品なので、自分にとって一生後悔のない作品にしたいという思いのもと皆さんにお声掛けさせていただきました。その中でも、本当に最高のメンバーと仕事をさせていただいているなと実感しています。脚本の金子さんは本当に天才的で、彼にしか書けない世界観があるんですよね。金子さんの脚本からは、その世界に生きている人々が実在するように感じたり、リアルな息遣いが聞こえてきたりします。俳優の皆さんのお芝居も、それぞれのキャラクターが本当にいるんじゃないかと感じさせてくれますよね。非常に滑らかで、自然で、生っぽい表現というか。お芝居なんだけれども、そこにうそがない姿が、この作品の世界観を決めてくれたんじゃないかなと思います」

――金子さんの脚本の中で、お気に入りのセリフやシーンはありますか?

「もう挙げたらキリがないくらい、たくさんあります。第1話の春斗(菅田)の『本当に、アイツらに申し訳なくて…』というセリフや、同じ第1話での潤平(仲野)の『始める時も終わる時もラーメン食った後ってなんだよ』『10年前の伏線回収してくんじゃねぇよ』というセリフは、感情が一番爆発する瞬間に置かれているセリフとして本当に絶妙です。瞬太(神木)の出演シーンで言うと、第3話の『着信履歴って“心配してるよー”ってメッセージだから』というセリフですね。これは彼にしか書けないと思います」

――ドラマにコントを織り交ぜるという斬新な構成にも驚かされたのですが、このテーマを選んだ背景について教えてください。

「コントから始まるという構成は、金子さんのアイデアです。物語で描かれているコントは、マクベス(劇中で菅田・仲野・神木が組むお笑いトリオ)にとっては昔作ったものだったりもするんですけど、それが今になって意味をなしたりつながったりしているんですよね。われわれが生きている中でも、『あの時のあの出来事が今になってつながるなんて』ということがあるじゃないですか。そんな人生の面白さの表現でもありますし、ドラマの冒頭がマクベスのコントから始まるという意外性の役割も担っています。ただ、単純な意外性だけでなく、物語の伏線となる意味のあるシーンとして組み込んでいるので、そういった意味での面白さも感じていただけたらと思います」

――では、現場の雰囲気はいかがですか?

「マクベスの3人は本当に仲が良いんですよね。お芝居についてもいろんな話をされていますし、たわいのない話も含めて裏で話している姿は青春そのものです。話し合いながらマクベスとして一生懸命笑いを取ろうとしている姿には、“真摯(しんし)”という言葉がぴったりですね。僕自身も、そんな彼らと一緒に青春させていただいている感じがします。同じ熱量を持っている人たちが集まっていて、同じように真っすぐ前を向いて作品を作っているという空気感がたまらなく青春ですね」

――菅田さんと仲野さんはプライベートでも親交があるそうですが、神木さんを含めた3人の関係性をどのようにご覧になっていますか。

「菅田さんと仲野さんは、プロフェッショナルな良い関係だなと感じます。芝居に対する熱量が大きい2人ですし、それぞれプライドを持ちつつもお互いをリスペクトし合っているので、芝居の中でお互いの最大値をお互いに引き出そうとするんですよね。それは友人ということを超えて、役者同士として相性がいいんだと思います。そこに神木さんが加わって、とてもいい刺激になっているように見えます。3人がそれぞれお互いにリスペクトし合っていて、彼らにしかできない表現が生まれていると思います」

――最後に、今後の見どころを教えてください。

「後半は、マクベスの3人と中浜姉妹(有村・古川)が出会った意味や彼らが一緒にいる意味という部分で、群像劇としての世界観がより一層キラキラして見えるようになっていくと思います。ただ、実は今回のドラマを作るにあたって、“最後をこうしよう”というのを決めていないんです。3カ月後の人生なんて誰にも見えないじゃないですか。登場人物たちが今後どういう人生を歩むのかというのも、話数を重ねながら決めているんですよね。物語の中ではそれぞれが今抱えてるものを語り合ってきているので、それらに対してどう立ち向かっていくのか、むしろ立ち向かわないのかを含めて、彼らの生きざまを楽しんでいただければと思っています!」

――ありがとうございました!

 あふれる熱意を惜しみなく語ってくださった福井プロデューサー。どこを切り取っても作品への愛情や、作品に携わる人たちへの思いが伝わってきました。

 ドラマの登場人物たちの苦悩が自分の中に溜まったフラストレーションと重なり、共感している方も多いのではないでしょうか。彼らがどのような人生を歩んでいくのか、今夜(5月15日)放送の第5話もぜひお見逃しなく!

【プロフィール】

福井雄太(ふくい ゆうた)
2009年、日本テレビに入社。入社3年目にして日テレ史上最年少プロデューサーとなる。その後、「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」「崖っぷちホテル!」「ボク、運命の人です。」「学校のカイダン」など、数々のヒット作を生み出している。

【番組情報】

「コントが始まる」
日本テレビ系 
土曜 午後10:00~10:54

日本テレビ担当 K・S

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