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「ここは今から倫理です。」最後の授業で高柳が生徒たちに語り掛ける言葉とは?2021/03/13

 山田裕貴さん主演のよるドラ「ここは今から倫理です。」(NHK総合)が3月13日に最終回を迎えます。

 さまざまな悩みと葛藤する生徒たちに寄り添ってきた倫理教師の高柳(山田)。第7回(3月6日放送)では、体育祭を前に3年4組のクラス全員が入っているグループチャットが盛り上がります。そんな団結心が、ふに落ちない南香緒里(中田青渚)は、同じような考えを持つ逢沢いち子(茅島みずき)に共感。ある日、高柳から“個人主義”を教わったいち子はグループチャットを退会し、クラスメートからいじめに遭います。状況を知った高柳は倫理の授業で対話をすることを提案。果たして、生徒たちが導き出す答えとは…?

 最終回を前に、これまで高柳が生徒たちに投げ掛けてきた倫理や哲学の言葉をまとめてみました。

これまでの授業を総復習!

背中に触れることはできませんが、言葉を聞き、心に触れ、慰めることはできる…

 高柳に思いを寄せるいち子は、“教養がある女性がタイプ”と知り、彼に見合った女性になろうと決意します。そして勉強に励んでいたある日、男友達からの心ない性行為を拒否。暴行のような姿を発見した同級生の谷口恭一(池田優斗)は、勇気を振り絞って高柳に助けを求めに行きます。駆け付けた高柳はいち子に「倫理は人の心に触れ、自分の心に触れてもらう授業です。あなたの背中に触れ、慰めることはできませんが、あなたの言葉を聞き、あなたの心に触れ、慰めることはできる…」と寄り添い、マックス・シェーラーの「愛こそ貧しい知識から豊かな知識への架け橋である」という言葉を贈りました。

 そんな高柳を見た恭一は、「いじめられっ子を救えるような“いい先生”になりたい」と告白。すると「善なる者は吾これを善とし不善なる者も吾これを善とす。徳は善なればなり」と老子の言葉を語り掛けました。「善人であるから救う。悪人であるから救わない。そうしてしまえば…あなたはいつか、いじめっ子をいじめてしまうかもしれませんよ」と言われた恭一は返す言葉が見つからず…。“いい先生”とは、どのような教師なのでしょうか。

映画に縛られる2時間に“自由はないが、不安もない”単純に楽しい時間

 “自由であることは幸せなことか”をテーマに対話をする授業で寝てしまった間幸喜(渡邉蒼)。実は毎晩、夜中まで遊び歩いていたのです。幸喜の母は仕事で帰りが遅く、孤独な夜を過ごす日々…。学校では話しづらいだろうと察した高柳は、携帯電話の番号を教えます。ある晩、幸喜は高柳のことが気になり、電話をかけてみることに。すると自由すぎる時間が不安なのではないかと指摘され、映画鑑賞を勧められました。そしてキルケゴールの言葉にある「不安は自由のめまいだ」を教えられ、「映画に縛られる2時間は“自由はないが、不安もない”。それはただ単純に楽しい時間です」と言われた幸喜は映画に没頭。確かに、夢中で何かに取り組んでいる時間は、あっという間ですよね。ほかのことを考える余地もありません。

 第3回(1月30日放送)では、教師と生徒の恋愛についても描かれました。大人の男をおとしめようと物理教師・松田(田村健太郎)をもてあそぶ深川時代(池田朱那)に掛けた言葉は、ソクラテスが若者に言った「自分の姿を鏡に映し、美しければそれにふさわしい者となるように、醜ければ教養によってその姿をかくすように」。

 また第4回(2月6日放送)では、高柳と因縁のあるジュダ(成河)が登場。“善”と“悪”について考える2人の議論は、さまざまな哲学者の言葉が飛び交い、理知的な格闘のようでした。

どんなに心の理論を語っても、求めていない人には届かない

 生徒に寄り添うばかりでなく、高柳自身の悩みも明かされました。ある日の授業、都幾川幸人(板垣李光人)は、高崎由梨(吉柳咲良)が手首にカッターナイフを当てようとしている姿を目撃。高柳は、養護教諭・藤川(梅舟惟永)から「教室で何があったの? 分からないなら知る努力をしようよ」と非難されてしまいました。「“正しいこと”が何なのか話し続けたけれど、一瞬の心揺さぶる“激情”には勝てない。どんなに人の心の理論を語っても、それを求めていない人には届かない」と悩み続けます…。教師と生徒の関係に限らず、どんな相手にも当てはまりますよね。

 悩みもがいても高柳は教壇に立ちます。親の期待が大きすぎて思うように成績が伸びないと悩む田村創(杉田雷麟)と向き合うことも。勉強は、誰のために、何のためにするのでしょうか。そんな田村にエリック・ホッファーの「他者への没頭は、それが支援であれ、妨害であれ、愛情であれ、憎悪であれ、詰まるところ自分から逃げるための手段である」という言葉を語り掛け、「大学へ進んだら“自分のための勉強”をしてくださいますか? 自分のために生きてくださいね」と思いをぶつけたシーンは、印象的でしたね。学生の方だけでなく、どの世代の人にも響く言葉だったのではないでしょうか。

 夏が終わる頃、職員室では言葉を発さない生徒・曽我涼馬(犬飼直紀)が話題に。高柳は無理にしゃべらそうとはせず、一緒にご飯を食べながら、「われわれは他人と同じようになるために厳しい自己放棄によって自身の4分の3を棄てねばならない」とショーペンハウアーの言葉を弁舌。他人と同じになろうとはしないことに対して「棄てているとしても4分の2くらいな気がします」とこぼすと、曽我は「…2分の1」と初めて言葉を発しました。約分しない方が伝わりやすいと思った高柳の心遣いでしたが、記者も思わずテレビに向かって「2分の1じゃないの?」と突っ込んでしまいました(笑)。

 さて、ついに高柳の最後の授業が始まります! ずっと高柳にアプローチしてきたいち子の思いは届くのでしょうか。そして悩み続けた生徒たちは、どのような思いで卒業していくのでしょうか。最終回は3月13日放送です。

 さらに! 本作と関連したミニ番組「ここはぺこぱと倫理です。」スペシャルの放送が3月20日に決定。レギュラー放送でMCを務めているぺこぱ(松陰寺太勇、シュウペイ)の2人に加え、高柳を演じた山田さん、生徒役の茅島さん、池田優斗さん、渡邉さん、池田朱那さん、吉柳さん、板垣さんがこれまでの放送で反響の大きかったテーマについてディスカッションします。お見逃しなく!

【番組情報】

よるドラ「ここは今から倫理です。」
NHK総合 
土曜 午後11:30~深夜0:00


「ここはぺこぱと倫理です。」スペシャル
NHK総合
3月20日 午後11:30~深夜0:00

NHK担当 M・I

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