Feature 特集

「共演NG」斎藤工が役についての思いを激白!?「『超ラッキー!』と思っていたんですけど、そんなに甘くなかったです(笑)」2020/12/07

 中井貴一さん演じる遠山英二と、鈴木京香さん演じる大園瞳の元恋人同士の大物俳優2人の歯に衣着せぬ掛け合いが話題のドラマ「共演NG」(テレビ東京系)。瞳の元カレ・間宮礼司(青木崇高)の登場もあり、2人のお互いへの思いにも変化があったようで…今後どうなっていくのでしょうか? また、ドラマ当初から異彩を放つ存在のショーランナー・市原龍(斎藤工)からも目が離せません。劇中劇「殺したいほど愛してる」の脚本家で、企画やキャスティング、宣伝にも目を配る立場の市原ですが、出演陣のスキャンダルに注目させるなど、ドラマを成功させるためにあらゆる手法をとる彼。ドラマの最終回に向けて、さらにどんな狙いで何を仕掛けてくるのか気になりますよね。

 今回は、そんな謎多き市原を演じる斎藤さんを直撃し、ショーランナーという肩書を持つ彼をどんな思いで演じたのかを伺いました。ほかにも、リモートでの出演場面の撮影秘話、12月14日放送の特別編への思いや斎藤さんご自身が“共演NG”なものについてなど、たっぷりと明かしてくれました。

――今回演じられた市原は、とてもミステリアスでどういう狙いがあって動いているのかすごく謎なイメージが強いのですが、どういった部分を意識しながら演じられたのでしょうか?

「まず、本作の企画・原作が秋元康さんであるということが、ショーランナーを務める市原龍を演じるにあたり意識せざるを得ないことなのかなと。今までいろんなムーブメントを作ってこられた秋元さんのDNAみたいなものを、自分なりに受け取って演じたいなと思いました。ただ、秋元さん自身の若い頃を今の時代に移行して演じるというよりは、僕自身も携わっている、裏側という立場から見えている“2手、3手先を読む”という現在のやり方を意識しましたね。音楽業界だとプロデューサーという立ち位置がとても目立つんですけど、市原が担う映像業界のフィクサーのような存在を第1話から見せていくという方式は、すごく新しいと思いましたね」

――それこそ市原は、視聴率を上げるためにドラマの制作発表で英二と瞳の過去のスキャンダルに注目させたり、佐久間純(細田善彦)と篠塚美里(若月佑美)の不倫スキャンダルや謝罪会見を逆手に取ったりという、手段を選ばない一面がありますが、そういう市原のやり方はどのように感じましたか?

「市原にどこまで見えているかは分からないですけど、ちょっと乱雑なところがあるように見えるものの、結果的にその人の中にあるわだかまりや、背負っているものをどこか浄化していくことにつながるきっかけを与えているような角度もあるかなと。当事者はしんどいと思うんですけどね。時間がたって振り返った時に、その瞬間はとてもやるせない思いをしたとしても、それによって誤解が解消されたり、次の段階にいくきっかけになっているんじゃないかなと感じる部分もあります。僕の実生活でもそうなんですけど、なにかアクセントとなるものがあることで、ほつれた糸が奇麗になる…ということはあると思うので、必ずしも視聴率や話題至上主義で、出演者を人とも思っていないというわけではないんじゃないかと(笑)」

――不倫スキャンダルの謝罪会見によって、共演NG陣の絆が深まったりしていますもんね。

「自分でも映画を作っていて感じるのですが、キャスティングが成立した段階で一つのゴールテープを切っていると思うんです。ここにこの人がいてくれることで、物語がこうやって展開していく…というような。だからこそ、あの謝罪会見も、里見浩太朗さん演じる出島徹太郎先生があの場にいてくれたから、あんな終わり方ができたんですよね。そう考えると、市原の立場はサッカーなどのスポーツの監督に近いかも。布陣を最初に決めて、試合が始まってしまうと本人たちに託すしかないけれど、ハーフタイムにまた軌道修正して…という感じですね」

――市原はスポーツの監督のようなイメージなんですね。そんな市原は、本作では常にPCを介してリモートで登場し、意見を言ってきていましたが、実際の撮影も斎藤さん1人で行われていたのでしょうか?

「そうですね。第2話(11月2日放送)の本読みのシーンの撮影の時だけスタジオにお邪魔して、僕がそこで生で芝居をするバージョンと、別室に移動してそこからリモートで参加するバージョンと、さらにあらためて画面を撮り直すバージョンの3層になっていました」

――1人で撮影されるのは大変だったのではないですか?

「そうですね。でも、スタッフチームの皆さんはいらっしゃるし、大根仁監督が『シーンの配分はどうなのかな?』など、いろんなチューニングをしてくださっていたので。あと、実際に僕が撮影する時には、中井さんや鈴木さん含む皆さんのドラマの映像や、与謝野・M・リリカ役の瀧内公美さんが登場する場面の映像などを全て撮り終えてくださっていたので、とてもやりやすかったですね」

――映像に合わせて受け答えをしながら演技をされたのですね。また新しい撮影の仕方ですよね。

「まとめ撮りとリモートの相性はめちゃくちゃいいんだなと思いました。市原のリモートでの登場シーンはすべて1日で撮影させていただいたので、展開が早かったですね。僕の出ているパートから見る『殺したいほど愛してる』の撮影シーンやドラマの出来上がりの展開が、すごいテンポで進んでいました(笑)」

――12月7日放送の第6話以降では、市原がリモートでしか参加できなかった理由なども明かされますね。

「そこから僕も驚きの何とも言えない展開になってくるんですよ!(笑)。正直なところ、最初は市原ってピンポイントで登場するおいしい役だなと思ったんですよ。ピンポイントでの出演だけど、ドラマの中では存在感がある役なので『これは超ラッキー!』と思っていたんですけど、実際は、そんなに甘くなかったです…(笑)。実は、12月14日放送の特別編で『え、何!? このバージョン!?』というシーンがあって、その撮影も含めて、最終日は長時間に及ぶ撮影になりました(笑)。結果的にはありがたくて貴重な経験だったんですけど、その台本を読ませていただいた時に、4度見くらいしましたね(笑)。その特別編に込められたものは、僕も胸に染みまくりましたね…。個人的には、全局のプロデューサー陣に見ていただきたいです! もちろん、視聴者の方にも見ていただきたいんですけど、それ以上に、テレビ業界に携わるすべての方に、大根監督と秋元さんが“市原龍”という存在やこの作品を通して、一つの真実というか、大きなエールを送っているので!! 僕自身も、本当に身につまされました…。自分で言葉を発しながら『いや、本当だよな!!』と反省しました(笑)」

――特別編が気になりすぎます…(笑)。最後に、ドラマのタイトルにちなんで、斎藤さんが「これだけは共演NGだ」というものがあれば教えていただけますか?

「僕は、好き嫌いはないんですけど、ニンジンを甘く煮詰めたグラッセってあるじゃないですか? あれだけが解せないというか…(笑)。カレーとかだとニンジン本来の甘さを感じられるんですけど、あの本来の甘さを砂糖でがんじがらめにして味付けされると、僕がもしニンジンだとしたらもう地獄でしかないと思って。酢豚のパイナップルや生ハムメロンもそうなんですけど、素材を加工し過ぎたものって悲しくなっちゃうんですよ。なぜかニンジンの気持ちになっちゃうという…僕だったら、カレーを食べた時に感じる甘さで食べてほしいので(笑)」

――まさかのニンジンの立場になって考えてしまうんですね(笑)。

「そうなんです(笑)。でも、リアルな“共演NG”って自分にあるのかな?って。本人は分からないんですよね。例えば、オーディションに行くと必ず会っていた同世代の人がいたり、自分がスケジュールの兼ね合いでできなかった仕事を誰がやっているのかを知った時に、『なるほど!』と感じることもあったりして。同じタイプの人間が一つの作品内に共存するということはあまりないと思うので、逆に、僕も映画を作る際にキャスティングをさせてもらう時は、そういった部分は意識していますね。でも、キャスティングって本当に一番楽しい作業なんですよ! 色に例えたら申し訳ないんですけど、例えば、水彩画を描く時にこの色とこの色を合わせると新しい色が生まれるという発見って楽しいじゃないですか? それが、本作では中井さんと鈴木さんのタッグが見事で、新しい色なんだけど、懐かしくも感じる部分もあって。見たかった景色であり、見たことがあるような景色であるという…不思議な感覚に、僕自身も一視聴者として楽しく見させていただいていますね」

【プロフィール】

斎藤工(さいとう たくみ)
1981年8月22日生まれ。東京都出身。2020年は、ドラマ「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)、 映画「8日で死んだ怪獣の12日の物語」「糸」、Amazonプライム映画「緊急事態宣言『孤独な19時』」など多くの作品に出演。齊藤工名義でFILMMAKERとしても活躍し、初長編監督作「blank13」(18年)では国内外の映画祭で8冠を獲得。主演作「シン・ウルトラマン」、監督作「ゾッキ」が21年公開予定。劇場体験が難しい地域の子どもたちに映画を届ける移動映画館「cinēma bird」を主催するなど活動は多岐にわたる。

【番組情報】

「共演NG」 
テレビ東京系 
月曜 午後10:00~10:54
出演/中井貴一 鈴木京香 山口紗弥加 猫背椿 斎藤工 リリー・フランキー 里見浩太朗 堀部圭亮 細田善彦 小澤廉 若月佑美 小野花梨 小野塚勇人 森永悠希 小島藤子 岡部たかし 迫田孝也 岩谷健司 瀧内公美 橋本じゅん

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)



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