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飯豊まりえ、母親と約束した「最後のオーデイション」で起きた奇跡「忘れられない日です」<「そのご縁、お届けします」インタビュー>2020/11/10

 国内最大のフリマアプリ・メルカリにまつわる、実際の体験談を基に書き下ろされた連続ドラマ「そのご縁、お届けします―メルカリであったほんとの話―」(MBS/TBS)。ものを売る人、買う人たちの心温まるエピソードが、全6話のオムニバス形式で描かれます。

 飯豊まりえさん演じる主人公の黒江陸は、寂れた商店街にある青果店の片隅で配送業を営む24歳。小さなトラックに乗って、日々売り買いされるものの集荷や配達を行っています。飯豊さんによると「陸は『魔女の宅急便』のキキのような役どころ」とのこと。

 ここでは飯豊さんに、撮影でのエピソードをはじめ、思い出の詰まった“もの”の話、大切にしている“ご縁”の話などを聞いたインタビューをお届けします。

トラックの運転シーンは「車を押してもらいながら」!?

――メルカリがきっかけとなって生まれた“ご縁”がオムニバス形式で描かれる作品の主人公という役どころですが、撮影を終えられていかがでしたか?

「私の演じる陸は、簡単に言うと『魔女の宅急便』のキキのような役どころです。ものをお届けして縁をつないでいく、ストーリーテラーみたいな。新型コロナウイルスの影響で人との関わりに距離ができて、“一人になる”っていう感覚になることが増えてきた時に、人と人の出会いや縁がテーマの話をお届けすることができるってすてきだなと思いました。やりがいのある撮影だったので、早く見ていただきたいです!」

――陸はあまり多くを語らない、過去に何かを抱えているような役ですが、演じる中で難しかった部分はありますか?

「陸は、段ボールを持つとなんとなく何が入っているか分かる子なんです。そういう不思議な力を持った子だったので、ミステリアスさが出るように意識していました。あと、車に乗るシーンは楽しかったです! 男性のスタッフさんたちに後ろから車を押してもらいながら撮影しました(笑)」

――陸と一緒に暮らしている、三田史郎役の塚地武雅さんとの共演はいかがでしたか?

「塚地さんとは『LIFE!~人生に捧げるコント~』(NHK総合)以来だったのですが、今回の撮影ではよくK-POPの話をしていました。あと、八百屋さんを一日貸し切って撮影させていただいたんですけど、終わった後にお店の方が『八百屋にある野菜、好きなだけ持って帰ってください!』って言ってくださったんですよ。塚地さんと『そんなマイケル・ジャクソンみたいなことしていいの!?』『どれ持って帰る?』ってはしゃいじゃいました(笑)」

――たくさん持って帰りましたか?

「なんか申し訳なくて…。山芋とか長芋をいただいて帰りました。お好み焼きにして食べました(笑)」

家族から譲り受けた、大切な宝物たち

――メルカリを使う登場人物たちのように、飯豊さんご自身は売ってみたいものや買ってみたいものはありますか?

「昔、地方にお仕事に行った時に、アンティークショップに寄って100年前に作られたようなクッキーの缶を買って、家にお土産として送ったことがあります。海外でも買ったりして、『誰が使ってたんだろう?』とか思いながら持って帰るのが好きで。その缶の中にいただいたお手紙を入れたりしてるんですけど、中がさび付いていたりして、時代を感じるんです」

――日本ではあまりないようなデザインがお好きなんですね。

「そうなんです。スペインのものとかがすてきなので、探してみたいですね。あとメルカリではないんですけど、昔ファッションショーで、自分の使っているものや書いたものをオークションに出品して、その売上金をチャリティーで寄付するという企画に参加したことがあるんです。その時買ってくださった方から『ずっと大切にしています』とコメントをいただいて、うれしかったです。捨てずに大切にするという意味では、私もお洋服は基本的に捨てずに、お友達に譲ったり、支援団体に送ったりしています」

――それは結構前から、そのようにしているのですか?

「そうです! 学生の頃からそうしています。ファッションのお仕事をしているとお洋服を買う機会も多いので、着れなくなったものは送ることが多いです。最近はお洋服をリサイクルできるところも増えているので、手放す時は捨てるんじゃなくて、意識的にそういうところを選ぶようにしています」

――ドラマでは、第1話ではギター、第2話では寝袋…というように、思い入れのあるものが人と人をつないでいきます。飯豊さんは、大切にしているものはありますか?

「おばあちゃんが使っていた、エルメスのかばんです。小学生の頃に亡くなっちゃったんですけど、譲ってもらったかばんを今も大切に使っています。あともう一つあって、おじいちゃんが亡くなる前、お金を渡されて『これで好きなものを買って、形見を作ってくれ』って言われたんですよ。一緒には買いに行けなかったのでネットで調べて、おじいちゃんに選んでもらったかばんがあるんですけど、今は仕事の現場で使ったりしています」

――すてきなご家族ですね。

「先日も、母親が初めて自分で働いて稼いだお金で買った時計を譲ってもらったんです。それは自分がもし結婚して子どもができた時にも使えるように、大切にしたいなと思っています。そういう家族から譲ってもらったものはずっと思い出に残っていて、見るとその人を思い出したりするので、宝物です」

「おじいちゃんが私の両親をつないでくれてるなって思うんです」

――先ほどご家族のお話が出ましたが、飯豊さんは「なんでも家族に報告する」とお聞きしました。

「何かにつけて母親に電話をしているので、たまに『しつこい』って言われます(笑)」

――普段、どんなことを話しているのですか?

「え~、もう何でもです!(笑)。買い物する時に『これ買おうと思うんだけどどう思う?』とか、『おはよう、起きてた? 寝てた? 今○○してるんだけど…』とか…。ごはんを準備しながら電話したり。迷惑がられます(笑)」

――仲良しなんですね! どのようなご家族ですか?

「父親が天然で、母親がサバサバしてるんです。ライオンのお母さんみたいな、崖から突き落として『はい上がってこい!』って言うようなお母さんです(笑)。でも、私と似てるんだと思います。友達に『お母さんの話聞いてると、全く一緒だよ』って言われたので…(笑)。母親はチャーミングな部分もあるし、掘れば掘るほど面白い人です。あと、母親は昔から『私が怒る役になるから、あなたは怒らないでね』って父親にずっと言っていたみたいで。自分が嫌われ者になる、っていう育て方でした。だから私は1回も反抗期がなかったです」

――そんなお母さんに対して、お父さんはどんな感じですか?

「絶対に怒ることはなかったです。一緒にお出掛けしたり、楽しい思い出が多いですね。でも、父親は『あの時連れて行ってあげたじゃん!』ってよく言います。口癖です(笑)」

――そんな仲良しな飯豊さんのご家族をつなぐ、共通の大切にしているものはありますか?

「ものではないんですけど、家族をつないでくれたのはおじいちゃんです。昨年亡くなっちゃったんですけど、おじいちゃんの趣味が、おばあちゃん――自分の奥さんを奇麗にすることだったんですよ。おばあちゃんを連れて一緒に美容室に行ったりとか、お洋服を買ってあげたりとか、そういうことが自分の趣味だってうれしそうに話していました。私の父親にも『君も自分の奥さんにそうしてあげるんだよ』って言っている姿を何度も私は見てきました。だから、おじいちゃんが私の両親をつないでくれてるなって思うんです」

母親と約束した「最後のオーデイション」での奇跡的な“ご縁”

――第1話では、元バンドマンの宮下寛(浅香航大)が「ものがあると、責められてる気分になる」と苦々しい表情を見せるシーンがありました。飯豊さんはそんなふうに感じることはありますか?

「そういう感覚はあんまりないです。ずっと取っておきます。悲しかったことも、『あんなことあったな~』っていつか思い出したくなると思うから」

――つらい思い出と関わりのあるものも?

「自分がつらい思い出にしてるだけなのかなって思っちゃうんですよ、私。その時は自分の中になかった感情だから、目にすると悲しいって思うかもしれないんですけど、きっといつか自分が幸せだなっていうタイミングでそれを見たりすると『こんなこともあったな』って思えると思うんです。『この時、こんな感情を知れたな』って、いい思い出に変わる瞬間があるかもしれないので、取っておこう!って」

――そんなふうに思いながら取ってあるものはありますか?

「なんだろう、お手紙とか、人からもらったものは取ってありますね。あとは友達と撮ったチェキとか。今は疎遠になった人だとしても、一緒に撮った写真は取ってあります。その時にしか撮れなかったもの、その時にしか手にできなかったものは、自ら手放すことはあんまりないです。大切な出会いなので」

――一つ一つの出会いを大切にされているのですね。そんな飯豊さんにとって、奇跡的だったなと感じる“ご縁”はありますか?

「私がこの世界に入ったのがオーデイションがきっかけなんですけど、それが今の事務所と雑誌が共同で開催したオーデイションだったんです。『オーデイションに挑戦できるのは1年間だけ』っていう母親との約束があって、その日は『これが最後ね』って言われていて。そしたら審査員だったその雑誌の編集長だけが私を選んでくださって、この世界に入ることができました。後々聞くと『1人だけ普通っぽい子がいたから気になって選んだんだよ』と言ってくださって。その編集長がいなかったら今私はここにいないので、その方とのご縁は奇跡だったなって思います。忘れられない日です」

――ずっと大切にしたい“ご縁”ですね。

「今もずっと感謝していますし、お仕事が決まるたびに『見てくれてるかな?』って思い出すんですよ。またいつか、どこかでお仕事できたらなって思っています」

【プロフィール】

飯豊まりえ(いいとよ まりえ)
1998年1月5日生まれ。千葉県出身。やぎ座。B型。2008年、雑誌「ニコ☆プチ」(新潮社)でモデルデビュー。「nicola」(新潮社)、「Seventeen」(集英社)の専属モデルも務め、現在は「oggi」(小学館)の専属モデル、「MORE」(集英社)のレギュラーモデルとして活躍中。主な出演作は、映画「暗黒女子」「いなくなれ、群青」「惡の華」「シライサン」、ドラマ「マジで航海してます。」シリーズ(TBSほか)、「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」(テレビ東京系)、「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系)、「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)など。12月28日から3夜連続で放送予定のドラマ「岸辺露伴は動かない」(NHK)に出演する。

【番組情報】

MBS/TBSドラマイズム「そのご縁、お届けします-メルカリであったほんとの話-」
MBS 火曜 深夜0:59~1:29
TBS 火曜 深夜1:28~1:58
※放送時間は変更の場合あり

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【締切】2020年12月7日(月)正午

取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志
ヘア&メーク/AYA スタイリング/徳永貴士、伊藤文香
衣装協力/アカネ ウツノミヤ(ブランドニュース) ☎03-3797-3673

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