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山崎育三郎が語る「エール」撮影秘話! 役作りで減量&福島三羽ガラスの友情&森山直太朗との思い出2020/11/01

 現在放送中の連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)。誰もが知る「栄冠は君に輝く」が完成した第20週(10月26~30日放送)、古山裕一(窪田正孝)と村野鉄男(中村蒼)が佐藤久志(山崎育三郎)と再会し、“福島三羽ガラス”の絆が描かれました。戦後、ボロボロになった久志を見て、驚いた方も多いのではないでしょうか。“プリンス・久志”といえば、女学生の心をわしづかみにしたり、音(二階堂ふみ)に歌を教えていた御手洗清太郎(古川雄大)と発声練習対決をしたり、自信満々でちょっとキザな印象が強かったですよね。そんな彼は戦後、周りから陰口をたたかれ、どう生きていいのか分からず、自暴自棄の生活を送っていました。キラキラ輝いていた頃とは一変、久志の新たな一面にビックリした1週間でしたね。

 今回は、クランクアップを目前に控えた山崎さんに、これまで撮影してきた感想や戦後シーンの撮影秘話などを伺いました。

◆これまでの経験を生かした役との出会い

――約1年間に及ぶ撮影ですが、振り返ってみていかがですか?

「佐藤久志という役をいただいた時、これまで自分がやってきたこと全てを生かせる役どころだなと思いました。僕自身、音楽大学付属高校から音大に通っていて、学生時代は三大テノール歌手のプラシド・ドミンゴの楽曲が大好きで、何度も聴いていました。クラシックの楽曲を歌ったり、ピアノを弾くシーンがあったり、すごく縁を感じて、楽しくやらせていただきました」

――佐藤久志に共鳴する部分があれば、教えてください。

「子ども時代の久志は、お母さんとの別れがあって落ち込むんですが、藤堂先生(森山直太朗)と出会い、『君には歌があるんだ!』と励まされて、歌が自分の自信になっていきました。実は僕自身、もともと人前が嫌いで、苦手だったんですよ。幼い頃、おとなしくてしゃべらないのを母が心配して、“何か自信を持ってもらいたい”という思いで、近所の音楽教室に連れていってくれました。僕はウインクをしないですけど(笑)、共通する部分を感じました」

――劇中では、たくさんの方々が音楽パフォーマンスをしてきましたが、印象的だった方はいらっしゃいますか?

「新人歌手オーディションの参加者を演じてくださった、演歌歌手の徳永ゆうきさん(笑)。撮影を見ていたのですが、面白かったです! 指をパチパチしながら歌って、駅員さんのものまねもされて…。あれは見とれちゃいましたね」

◆役作りで減量&「栄冠は君に輝く」に込めた思いとは?

――戦後のシーンは、どのような思いで撮影をされましたか?

「第20週では、これまでの久志とは全く違って、より人間くさくて、泥くさい姿で登場しました。みんなから『あれ誰?』と言われる姿に全力で挑みたくて、実は5kgくらい体重を落としました。ボロボロの久志を裕一は何度も助けに来てくれるんです。最終的には『栄冠は君に輝く』という楽曲に出合って、久志は復活していくんですけど…」

――「栄冠は君に輝く」を歌ってみて、いかがでしたか?

「裕一が連れていってくれた球場で、『栄冠は君に輝く』の冒頭をアカペラで歌った時は、撮影をしていた1年間を走馬灯のように思い返しました。あと、僕も小学校6年間野球をやっていて、野球が大好きで、毎年甲子園を楽しみにしていたのが中止になってしまって…。久志の思いもあったけど、甲子園を目標にしてきた球児たちの気持ちや、いろんな思いでうまく歌えなくなるぐらい気持ちが込み上げてくる瞬間がありました。結果的に、それがすごく作品の流れとリンクして、監督から『すごく良いシーンになった』と言っていただけました」

――アカペラで歌ったシーンの撮影前後で、『栄冠は君に輝く』の印象は変わりましたか?

「僕がマウンドに立って、ホームベースのところに裕一がいたんですけど、目の前にいる裕一に歌で返していく瞬間、“これは感謝の歌なんだ”と思いました。これまでは、甲子園球児たちが熱く戦っている姿とか、青春のイメージが強かったんですけど、アカペラでポツポツと歌った時に、全く違う楽曲に感じて…。テンポを崩して、歌詞をかみしめるように、ゆっくり歌った時に、すごく切ないバラードのように聞こえました。明るくてポジティブで前向きな楽曲の裏には、そういう作詞家の思いが込められていたということを、この役を通じてあらためて気付きました」

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