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中村蒼が語る「エール」 村野鉄男は熱いだけの“ガキ大将”ではなかった!? 記者の経験を生かした“言葉で伝えられる男”2020/10/25

中村蒼が語る「エール」 村野鉄男は熱いだけの“ガキ大将”ではなかった!? 記者の経験を生かした“言葉で伝えられる男”

 現在放送中の連続テレビ小説「エール」(NHK総合ほか)。戦後を迎えた第19週(10月19~23日放送)、古山裕一(窪田正孝)は曲を作ることができなくなってしまいました。しかし、劇作家の池田二郎(北村有起哉)と出会い、戦災孤児をテーマに制作されたラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の主題歌「とんがり帽子」を作曲。さらに、原爆の現実を克明に描いた映画の主題歌「長崎の鐘」も書き上げました。

 そして第20週(10月26~30日放送)、音楽への情熱を取り戻した裕一は、幼なじみの村野鉄男(中村蒼)、佐藤久志(山崎育三郎)と再会! いよいよ“福島三羽ガラス”が帰ってきます!

 個性豊かで性格もさまざまな3人が、タッグを組んで音楽業界を盛り上げていますが、その中でもひときわ正義感が強いのが鉄男です。子どもの頃の“ガキ大将”が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。そんな鉄男は、恩師・藤堂清晴先生(森山直太朗)の紹介で、新聞記者に。働きながら作詞活動もしていました。日中戦争が勃発すると、裕一から陸軍馬政課が制作する映画の主題歌「暁に祈る」の作詞を依頼され、悪戦苦闘。裕一が作曲、歌を久志が担当し、“福島三羽ガラス”が誕生しました! 戦時中は再び記者の仕事に戻りましたが、裕一にとって大切な存在。今回は、鉄男を演じている中村さんに、撮影中のエピソードや鉄男の心境、最終回に向けての見どころを伺いました。

中村蒼が語る「エール」 村野鉄男は熱いだけの“ガキ大将”ではなかった!? 記者の経験を生かした“言葉で伝えられる男”

――新型コロナウイルスの影響で撮影がストップした時期がありましたが、現場の雰囲気はいかがですか?

「休止前と変わらず、共演者の方々とたわいもない話で盛り上がっています。窪田さんには『コマーシャルでご自身が歌っているんですね!』とか、育さん(山崎)には『この前テレビで歌っているのを見ましたよ!』とか、出演作品の感想を話しています」

――窪田さん、山崎さんの印象は変わりましたか?

「窪田さんは、一緒にお芝居をすればするほど“この人についていけば大丈夫だ!”というリーダー感が増しています。周りのスタッフさんは、窪田さんのリーダー感についていこうと頑張っているんですよね。一方で育さんは、圧倒的存在感で、回を追うごとに久志ファンが増えていると思います。愛すべきキャラクターを演じられるのは、育さんだからこそだと思うので素晴らしいです」

――裕一と久志のキャラクターについては、どう思いますか?

「裕一は、妻の音(二階堂ふみ)をはじめ、本当に周りの人々に恵まれているんですよね。そうでなかったら、裕一は第3週くらいで挫折していたんじゃないでしょうか(笑)。久志は、本当にキザで自信満々で、普通だったら鼻につきますが、なぜか嫌みがないんですよね」

中村蒼が語る「エール」 村野鉄男は熱いだけの“ガキ大将”ではなかった!? 記者の経験を生かした“言葉で伝えられる男”

――第20週では、戦後、自暴自棄になっている久志に前を向いてほしいと思う裕一と鉄男が活躍しますね。“ガキ大将の鉄男”は見られるのでしょうか?

「時代は戦後になり、みんなつらいけど乗り越えようとしている。『自分だけがつらいんじゃないんだ!』と鉄男が久志に諭すシーンがあります。鉄男は、新聞社で数々の情勢を伝えてきた分、どちらかに偏ることはなく、常に俯瞰して戦況を見られる人間です。もちろん“ガキ大将”ですけど、きちんと言葉で伝えようとする鉄男は、とても男らしいと思います。それでも久志はなかなか立ち直らなくて、グズグズしていて…。鉄男は活を入れたくなる性格なので、熱くなるシーンは激しかったです」

――最後に、最終回へ向けて見どころを教えてください。

「戦時中は、たくさんの人が悩んで、戦争は不幸しか生まないなと思います。裕一は戦意を高揚する曲を書いていたことへの責任を感じ、平和になると書けなくなってしまいます。でも、当時の人たちの支えは、裕一が作った曲だったと思います。今後もみんなが裕一を応援したくなるシーンが増えます。悲惨な経験をしたからこそ、純粋に音楽を楽しめて“平和っていいな”と思えるようになっていきます。キャストそれぞれが変わっていく姿を見てもらいたいです」

――ありがとうございました。

第20週あらすじ

中村蒼が語る「エール」 村野鉄男は熱いだけの“ガキ大将”ではなかった!? 記者の経験を生かした“言葉で伝えられる男”

 裕一は「長崎の鐘」を書き上げたことで仕事が殺到。戦時中に出会った新聞記者の大倉憲三(片桐仁)から「全国高等学校野球選手権大会の歌」の作曲を依頼されます。ある日、裕一と鉄男は藤丸(井上希美)に連れられて闇市付近の家に行くと、そこには久志の姿が。2人は彼の変貌ぶりに絶句します。戦時中、久志も苦悩していたことを聞いた裕一たちは、話をしようと何度も訪問。すると音は、前を向くきっかけになるよう、大会歌の「栄冠は君に輝く」を久志に歌ってもらうのはどうかと提案しますが…。

 かつては“プリンス・久志”として輝いていた彼が変貌!? 中村さんもおっしゃっていたように、戦争はたくさんの人が悩んで、変わってしまう…。そんな切ない第20週ですが、“福島三羽ガラス”のチームワークが見どころです。裕一と鉄男は、久志を救うことができるのか? グズグズしている久志に対して、熱くなる鉄男もお見逃しなく!

【番組情報】

連続テレビ小説「エール」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



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