Feature 特集

山﨑賢人×門脇麦が“キスの契約”を交わす「トドメの接吻」。プロデューサーが「どんなにクズな役でも山﨑賢人さんなら嫌われない」と堂々宣言2018/01/28

「俺とキスの契約をしろ。俺が望んだ時にキスしてくれたら、お前の願いを一つ叶えてやる」

 放送中の「トドメの接吻」(日本テレビ系)は、山﨑賢人さん演じる金と権力に強欲な人気ナンバーワンホストの主人公・堂島旺太郎が、門脇麦さん演じる謎の女・佐藤宰子とキスをすることで1週間前にタイムリープし、次々と欲しいものを手に入れながら過去のある事故の真相を探っていく、ミステリアスな連続ドラマです。

 冒頭で紹介したせりふは、1月28日放送の第4話で旺太郎から宰子に向けられるもの。最初は宰子にキスされることを恐れていた旺太郎ですが、次第に宰子の能力を利用し、自分の都合の良いように過去に戻ろうと無理矢理宰子のくちびるを奪い始めます。当初は旺太郎がホスト仲間・小山内和馬(志尊淳)に命を狙われていることを悟り、彼を助ける目的で自らキスをしていた宰子ですが、だんだんエスカレートする旺太郎の身勝手ぶりに侮蔑の念を抱くほどに。

 旺太郎と宰子が交わすキスは、愛のないキス。「お前のキスは神のチカラだ」と言い切り、幸せを手に入れたいとキスの契約を迫る旺太郎の無情さ。一方、学生時代に経験したキスにまつわるつらい過去にとらわれている宰子。旺太郎とくちびるを重ねるたび宰子の心がすり減っていくのではないかと、見ているこちらまで胸を締め付けられる思いになります。

「本来、キスは“愛の象徴”ですよね。でも、このドラマでは、それとは逆の意味の象徴にしたい」。そう語るのは、鈴木亜希乃プロデューサー。これまで、「デスノート」(2015年)、「そして、誰もいなくなった」(16年)といった連続ドラマを手掛けた鈴木さんですが、

「デスノート」では、「名前を書いた人間を死なせることができるノートを手に入れた主人公が、犯罪者を抹殺し理想の世界を作り上げようとする」

「そして、誰もいなくなった」では、「“パーソナル・ナンバー”を奪われ突如現れた偽物に人生を丸ごと乗っ取られた主人公が、信頼していた仲間から裏切られ、次々と押し寄せる不可解な事件に立ち向かう」

と、その設定自体はどこかSF的でありながらも、人間の根底に潜む、欲望、葛藤、嫉妬、成功、そして愛。鈴木さんは、そんな「人間の本質」に迫った作品を描くことに長けている印象です。

 本作のキャスティングの理由をうかがうと、「“クズ”なホスト役というイメージから一番かけ離れている人が良いなと思い、いつも爽やかな印象の人を思い浮かべた時、この役は絶対山﨑賢人さんだと思いました。今まで演じられた役柄から離れていますし、今回視聴者の女子たちがドン引くようなクズな役なんですけど、でも山﨑さんなら嫌われない。そんな自信があります」とこう然たる口ぶり。さらに「正統派のヒーローやヒロインより、ゆがんでいる人間が好きなんです(笑)」と話す鈴木さん。前述した2本のドラマを見ても、その言葉にすんなり納得してしまいますが、旺太郎の「ゆがみ」は山﨑さんの繊細な表情も相まって、悲痛な叫びのように見えてしまうのです。

 一方、門脇さんに関しては、「かわいい女優さんはたくさんいるんですけど、背筋がゾクッとするような人ってなかなかいない。“キスで殺す女”というリアリティーのない役柄ですが、門脇麦さんならその怖さに説得力があるなと感じたんです。存在感もオーラもあるし、何より人間の狂気を体現できる人」と絶賛。加えて「スチール撮影の時、それまで談笑していたんですけど、カメラが回った瞬間に声を掛けることができないほどに入り込んでいて。ひときわ存在感を放っていました」と明かします。今は旺太郎の言いなりになっている宰子が、「人間の狂気」を見せた時…その時が、旺太郎の真っすぐな「ゆがみ」が変化する時なのではないかなと思います。

 スリリングでスピード感のある展開に、“キスで殺す”というテーマ、そして山﨑さん、門脇さん、新田真剣佑さん、新木優子さん、佐野勇斗さん、菅田将暉さんといった華やかなキャスト陣と、何も考えずとも受動的に楽しめる仕掛けが用意された「トドメの接吻」。そこで少しだけ能動的になって、登場人物一人一人が抱えている秘密に寄り添って見てみてください。そこに浮かび上がったものこそ、あなたの「本質」なのかもしれません。

【番組情報】

「トドメの接吻」 
日本テレビ系 
日曜 午後10:30~11:25

取材・文/宮下毬菜

この記事をシェアする




Copyright © TV Guide. All rights reserved.