Feature 特集

「トドメの接吻」鈴木亜希乃プロデューサーが愛を語る。「山﨑賢人さんに救われている」とも2018/02/25

 キスをすることで7日前に戻ることができる── 放送中の「トドメの接吻」(日本テレビ系)は、山﨑賢人さん演じる金と権力に強欲で愛にゆがんだナンバーワンホスト・堂島旺太郎が、謎の女・佐藤宰子(門脇麦)が持つタイムリープの能力を利用し、過去を何度も繰り返すことで欲しいモノを手に入れようとする刺激的なラブストーリーです。

 旺太郎が狙うのは、資産、そして権力を兼ね備えた社長令嬢・並樹美尊(新木優子)。陰では「100億の女」と呼び、欲望に目を光らせる旺太郎。一方、美尊とは血のつながっていない兄・並樹尊氏(新田真剣佑)は旺太郎の本性を探り、美尊に近づけまいと警戒するあまり、思いもよらぬ行動に出ようとして…。

 登場人物それぞれの気持ちが交差することがないばかりに、次第に過激な展開を呼び、回を追うごとに切ない後味を残す本作。ここでは2月25日放送の第8話を目前にプロデューサーの鈴木亜希乃さんを直撃し、本作への思いや、撮影の裏話などを伺いました。

やっぱり、ゆがんでる人が好き

「愛なんていらない」と言い切る旺太郎。

たった1人、美尊の愛が欲しい尊氏。

旺太郎に「あなたの役に立つ道具になる」と宣言する宰子。

旺太郎の言葉を素直に受け止めるあまり、騙されてしまう美尊。

 そんな彼らに対し、鈴木プロデューサーは「みんなそれぞれ、愛情表現の仕方が狂ってしまっている…。ゆがんでしまっています。第8話から9話にかけて、旺太郎と尊氏の人生観がぶつかり合います。“ラブストーリー”と銘打っていますが、どこか女性の気持ちを無視した“男同士の戦い”が繰り広げられていて、見てくださっている方の共感は得られていないんだろうな、なんて少し不安に思っています(笑)。幼い頃の出来事がきっかけでずっと父親を許すことができない旺太郎の価値観が、宰子と出会うことで少しだけ変わっていく。でも、相変わらず野心に燃える旺太郎が、とても彼らしいというか。旺太郎のそんなところが、個人的には好きなんですけどね(笑)。ゆがんだキャラクターが多い中で、宰子は救いですね」と、以前も「正統派のヒーローやヒロインより、ゆがんでいる人間が好き」(※注1)と話してくださった価値観は一貫して今もそのまま。

 さらに、「旺太郎が自分本位にタイムリープを繰り返さなければ、きっと尊氏も当初のまま“王子様”で居続けることができたかもしれません。でも、人間っていろんな一面があって当然じゃないですか。人間誰しも1個ネジが取れるだけで、奥底に潜んでいる“悪”が姿を現すことが、日常にもあると思うんです。だから尊氏の闇堕ちにも納得ですし、私は好きです(笑)。尊氏には“愛ゆえの人間の狂気”を存分に表現していただいて、最後にどうなるかも見どころです」と目を輝かせる鈴木プロデューサー。

(※注1)山﨑賢人×門脇麦が“キスの契約”を交わす「トドメの接吻」。プロデューサーが「どんなにクズな役でも山﨑賢人さんなら嫌われない」と堂々宣言:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-241583/

みんなかわいくて、つい甘やかしちゃいます(笑)

 物語は、死と隣り合わせの殺伐とした展開を迎えていますが…?

「現場の雰囲気はすごく良いと思います。キャストの皆さんが仲良しで、和気あいあいとしています。みんな自由で、笑い転げながら騒いでいたりするので、時々『怒った方が良いのかな…』なんて思うんですけど、『楽しそうだし、いいか』って甘やかしちゃいます(笑)。みんながかわいくて、怒れないですね(笑)。山﨑さんは主演で出ずっぱりですし、ほかのお仕事もあって本当にお忙しいと思うんですけど、いつも“山﨑賢人感”を崩すことなくいてくださって、すごく救われています。主演が山﨑さんじゃなかったら、もっと殺伐とした現場になっていたかもしれないです」

“王子様”から“闇堕ち”への怒涛の変貌を遂げた尊氏役の新田さんについては、「撮影前に想像していたのと、最も印象が違った方です。もっとクールで大人しい方なのかと思っていたのですが、すごくフレンドリーな方。現場のムードメーカーです」と意外な一面があったことを告白。2月11日放送の「行列のできる法律相談所」(同系)にゲスト出演したDISH//の北村匠海さんも、新田さんとの2年前の共演時はそのテンションの高さが苦手だったと明かしており、記者もそれまで新田さんに抱いていたイメージとのギャップに驚かされたばかりです(「今はすごく仲が良い」とのこと)。

最終回に向けて描きたいこと──

 宰子が持つ不思議なキスの力。12年前の事故をきっかけにその能力が身についてしまったことに対し、「宰子が“罰が当たった”と言っていたように、決して良いものではないと制作側は捉えています。抱えた罪は消えないけれど、じゃあ、その先の人生をどう生きていくか。過去に起きたことは変えられないし、なかったことにはできない。一生抱えないといけないものは、抱え続けなければいけない。それとどう付き合っていくかを、このドラマで描けたらいいなと考えています」と淡々と、しかし力強い信念を込めて言葉を紡ぐ鈴木プロデューサー。

 また、「それぞれ一生懸命誰かを愛しているだけなのに、ちょっとしたことでゆがんでしまった。そんな、それぞれが抱えている“愛”が旺太郎にどう影響するか、見届けていただければ」と真っすぐに先を見つめます。「愛を捨てた」旺太郎が再び愛に触れた時── 手にするものは、一体何なのでしょう。

 2月25日放送の第8話では、美尊との結婚に向けて着々と駒を進める旺太郎の元に、旺太郎の父親・旺(光石研)が長谷部寛之(佐野勇斗)を殺害したとの連絡が入ります。いつも自分の幸せの邪魔ばかりする父親に、激しい怒りを感じる旺太郎。一方、尊氏は宰子の秘密を力づくで暴こうとするあまり、過激な手段に出て…。交差することのないそれぞれの思いに、今回もまた、胸を締め付けられるかもしれません。

【番組情報】

「トドメの接吻」 
日本テレビ系 
日曜 午後10:30~11:25

取材・文/宮下毬菜

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