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生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?2023/02/04

生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?

 2023年2月1日で日本のテレビ放送が開始して70年を迎えたことを記念して、NHK総合では2月4日に、大河ドラマの誕生をドラマ化した「大河ドラマが生まれた日」を放送します。時は1962年、ドラマ業界を全く知らない新しい芸能局長・成島庭一郎(中井貴一)から、「テレビ10周年を記念した大型娯楽時代劇を作れ」と言われたことから、若手アシスタントディレクターの山岡進平(生田斗真)やプロデューサーの楠田鉄治(阿部サダヲ)の奮闘が始まります。

 当時、映画会社は専属俳優をテレビに出さない「五社協定」を結んでいた時代。それを突破すべく、銀幕の大スター・佐田啓二(中村七之助)の自宅に日参し、出演をお願いしますが、なかなかよい返事がもらえません。やがて、幕末の人間模様を描く「花の生涯」に作品が決定し、収録が始まりますが、現場ではさまざまな問題が起こってしまうのです。

 今回は、AD・山岡を演じる生田斗真さんとプロデューサー・楠田役の阿部サダヲさんに、大河ドラマへの思いや豪華な共演者との撮影エピソードを伺いました!

――大河ドラマ誕生の物語をドラマ化すると聞いた時の思いを教えてください。

生田 「僕自身も何度か大河ドラマに出演させていただいて、そもそもの始まりや、どういう人たちがどんな思いを込めて、どんな涙を流して今の大河ドラマの形が生まれたのかということにとても興味がありました。なので、すごくワクワクしながら、楽しみながら参加しました」

阿部 「プロデューサーという役職に興味が湧いていた時だったので、すごくうれしかったです。ドラマ制作がどのように始まっていくのかを知らなかったので興味があったし、楽しかったですね。疑似体験をさせてもらった感じです」

――本作は金子茂樹さんの脚本ですが、台本を読んでいかがでしたか?

生田 「以前から何度も作品を共にしていて、金子さんの作品はずっと大好きです。金子さんらしい、冗談も交えたうそみたいな本当の話がたくさん詰め込まれていて、フィクションだろうと思っていたのに実際にあった話だったというエピソードなどがあり、興味深く拝見しました」

阿部 「金子さんの脚本は初めてなんですけど、笑えるところもあって面白かったですね。イッセー尾形さんが演じるおでん屋さんとの場面のセリフは、演じていて楽しかったです」

――実際に大河ドラマにも出演されているお二人が印象に残ってる作品や、記憶に残る大河ドラマはありますか?

生田 「『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年)の阿部さんが演じていた田畑政治がヒトラーに会うシーンがあり、『すごい大河だな』と思いました」

阿部 「年齢があまり関係ないところが大河ドラマだなと。初めて参加した大河ドラマが『元禄繚乱』(1999年)で、主役の中村勘三郎さんとほぼ同じ年の役で出演したんです。そういうのがすごく面白いし、それができるのが大河って感じですね」

――「いだてん」では共演シーンはありませんでしたが、今回初共演されて、お互いの役者としての印象を教えてください。

生田 「笑いも取れて、体も利いて、シリアスのものもできて、オールラウンダーの阿部さんは憧れの人。ずっとご一緒したいと思っていたので、とてもうれしく毎日楽しかったです。“阿部サダヲはセリフ覚えが早い”という、すごく有名なうわさがあったんですが、本当にセリフ覚えが早くて、絶対にセリフを間違えないんです。『どういうふうに覚えているんですか』と聞いたら、『写真を撮ったみたいに入ってくる』とおっしゃっていて、なるほどと思いました。うわさは本当でした」

阿部 「斗真くんの舞台を見たり、楽屋でも会っているんだけど、なかなか共演する機会がなくて。近いところにいるのに、これが初めて。すごく勘のいい人で、笑いもできるし、芝居の間も僕が好きな感じでガッツリやれてうれしかったです。しかも、そこにAD・大江育間役の矢本(悠馬)がいて、すごくにぎやかで楽しかったですね。セリフ覚えといえば、七之助くんが2日で覚えなきゃいけない歌舞伎の演目があって、それを本当に覚えたと聞いて、まだまだ上には上がいるっていうことが分かりました。でも、そういう人がいるから、みんな大変になるんだよとも思っちゃいました(笑)」

生田 「そうなんですよね。“あの人はやれた”と聞くとやらなきゃいけなくなっちゃうから、やめてほしいですよ(笑)」

生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?

――今作はテレビマンたちの奮闘記ですが、特に印象的だったシーンはありますか?

生田 「先ほど話にも出ていた矢本くんとのシーンですね。現場がつらくて逃げ出そうとする大江を引き止める時に、山岡が『主演が降板したって脚本家が変わったって、誰かがその穴を埋めて毎週放送していくのがテレビだよ。でも、俺はお前と最後まで走り切りたいんだよ』と言う場面がすごく印象深くて。おそらく金子さん自身の思いも入っていただろうし、これはどの職業にも当てはめられることなんじゃないかと思った、思い出深いシーンです」

阿部 「僕は、中井貴一さんが演じる成島のところに山岡を連れてく行く場面。中井さんのお芝居をすごく見たかったんです。しかも、撮影日が1日しかなかったのに、その日がちょうど中井さんのお父さまである佐田啓二さんの祥月命日だったので、感動的でした」

――大河ドラマの原点を演じたことで、大河ドラマをはじめとするドラマに対する思いに変化はありましたか?

生田 「僕らはテレビドラマの台本をいただいて、撮影をして、それが放送されますが、初めの一歩は本当に大変だったと思います。特に黎明期は、“テレビなんかにうちのスターを出せません”という五社協定を切り崩して、テレビやドラマの価値を上げてきた先人たちがいたから今の僕たちは芝居ができている。しかも、僕が演じたアシスタントディレクターや、阿部さんが演じたプロデューサーのように、いろんなところに頭を下げたりするなど、影の努力があることもあらためて実感しました」

阿部 「五社協定という垣根をなくしていただいたおかげで、舞台出身の僕とジャニーズ事務所の人が一緒に芝居をできて。今回、歌舞伎の人も出ているし、すごく楽しかった。それができるようになったのは、生田くんもおっしゃっていましたけど、先人たちのおかげだということがよく分かります。これからも歌手やお笑いの人が役者をしてもいい、それがすごく楽しいので、いい状況だなと思いますね」

生田 「演劇人がいて歌舞伎役者がいて、伊東四朗さんみたいな喜劇役者がいらっしゃって、確かに五社協定の真逆を行くキャスティングですよね」

生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?

――今ほど阿部さんのお話にもありましたが、佐田啓二さんを演じる七之助さんとの共演はいかがでしたか?

生田 「同じ高校に通っていた一つ先輩で、すごく古い仲なんです。中井さんのお父さまの佐田さんの役を演じることから、普段の七之助さんとはまたちょっと違ったような責任感を感じました。また、中井さんが『もしよかったら、役作りの一つに使ってください』と、佐田さんが実際に身に着けていた形身の腕時計を七之助さんに託されていて、ずっと時計をして撮影されていたんですが、その重みを非常に強く感じられていたんじゃないでしょうか。また、七之助さんは昔から映像の芝居に対して、自分はちゃんとできているのかという不安な気持ちを抱えていらっしゃる方なのですが、それが、テレビの世界に初めて踏み込む怖さとワクワクする気持ちを抱いている佐田さんと重なって見えました」

阿部 「佐田さんに直接お会いしたことがないのでどういう方だったのかは分からないですが、こんな人だったんじゃないかと思わせてくれる七之助くんの芝居がよかったです。落ち着きがあって、(芝居で)ウイスキーを飲ませてくれる感じがよかったですね」

生田 「あはは。飲んじゃいましたね」

阿部 「本人もウイスキーに詳しかったし(笑)」

――では、中井さんと共演した感想を教えてください。

生田 「初めて中井さんとご一緒したのですが、気品や色気があって、そして何よりも腕がある、なかなかいらっしゃらないタイプの俳優さんで圧倒されました。『うわっ、本物だ』と思ったし、一緒にお芝居していて緊張しました。本当にご出演してくださってすごくうれしかったし、ご一緒できたことが自分の宝になりました」

阿部 「どんな芝居をしても受け止めてくださって、すごくありがたかったです。お父さんの佐田さんは中井さんが幼い頃に亡くなったので、あまり記憶がないらしいんですよね。でも、その頃の話も伺えて勉強になりました。僕は昔から中井さんは優しいと思っていたんですよ。なぜかというと、うちの中学の卒業アルバムに、中井さんの写真が載っているんです。クラスで鎌倉に行った時に友達がお会いして、気さくに撮影に応じてくださって。その時から優しい人だと思っていました」

生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?

――ほかにも豪華な共演者がたくさんいらっしゃいましたが、思い出に残っているエピソードはありますか?

生田 「すべてのキャストの方とお会いして芝居を交わすことができたんですが、リングの中に僕だけ1人ずっと立っていて、いろんな人が入れ替わり立ち替わりで人が入ってくる異種格闘技戦みたいな感じでした。七之助さんのような歌舞伎役者や、伊東四朗さんのような喜劇俳優がいらっしゃったり、イッセー尾形さんみたいな方が来られたり。それが毎日楽しくて、あっという間に撮影期間が終わっちゃいました」

阿部 「伊東四朗さんとの共演はすごくうらやましかった。あのシーン、結構アドリブがあったでしょ」

生田 「ありましたね」

阿部 「そんな感じするよね、伊東さんからしか出てこない言葉が出てきそうだもん」

生田 「細かいことでいうと、僕が演じた山岡の下宿先の名前が、伊東四朗さんがやっていらした“てんぷくトリオ”にちなんで、“てんぷくそう”だったんですよ」

阿部 「若い人は知らないだろうね(笑)」

――物語では第1作の大河ドラマ「花の生涯」の誕生が描かれますが、当時の撮影方法や表現方法で驚いたことはありましたか?

生田 「現代の撮影現場では本番前のカウントが5秒前からなんですが、当時は30秒前から数えるんです。じっと待って15秒前、10秒前とドキドキしますよね。機械が安定するまでに時間がかかるからということらしいですが、30秒もあると地獄みたいに緊張すると思うので、びっくりしました」

阿部 「『花の生涯』の最後に雪の中で桜田門外の変が起きたという撮影があるんですけど、雪が降っていない季節の撮影なので、地面に雪が積もっているように見せるために、みんなで布を持って走ったんですよ。おじさんばっかりが50mぐらい。それがすごく楽しかったですね。何回も走ったんですが、何かの競技みたいで楽しかったです。しかも、それがちゃんと雪に見えたことがすごいですよね」

――今後、ご自身が演じられたようなテレビマンと撮影現場で出会ったらどうですか?

生田 「阿部さんが演じた楠田は、割と毛嫌いされるタイプじゃないかな。調子が良くて、誰にでもいい顔して。実は裏では作品やテレビに対する思いがありましたが、パッと見はちょっと仕事したくないキャラクターですね(笑)」

阿部 「僕が演じた楠田みたいなプロデューサーは、ちょっと嫌かもしれないですね。それよりも松尾(諭)さんが演じていた監督が強気だったから、あんまり強気すぎるのもよくないなと(笑)。このドラマの監督は、すごく優しい柔らかい人で良かったです」

――お二人は俳優として裏方の人たちを実際にご覧になっていますが、手本にされた方はいらっしゃるんでしょうか。

生田 「山岡と楠田は、実際に『花の生涯』を制作していた方をモデルにしていて、その方の写真や当時使っていた道具などを見せていただきました。また、NHKのドラマ制作のスタッフの方が、われわれのために分厚い資料を用意してくださったので、それが大きなヒントになりました」

阿部 「本当にすごいよ、あの資料。楠田が作るおつまみのかき混ぜ方まで書いてありますから(笑)」

生田 「そうそう。実際にあるんですよ。七味入れてしょうゆ入れてって」

阿部 「とにかくずっとかき混ぜてって言われました(笑)」

――この作品を通して、どんなメッセージを受け取られましたか?

生田 「テレビが岐路に立っていると思うんです。そういう意味で、テレビはこのころの熱さを忘れちゃいけない。『もう1回頑張ろうよ』と捉えるか、『まだまだ負けてないし、もっと新しいことやっていこうよ』と捉えるかは一人一人が違うと思いますが、皆さんがどういうふうに捉えてくださるのかを楽しみにしています」

阿部 「楠田のセリフでもあるんですが、『小さい子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで見られるようなものを作りたいんだ』という気持ちがすごく伝わるドラマで、実際、幅広い年齢の方に見ていただけるドラマになっています。それを作る意味を感じました」

――最後に物語の見どころをお願いします!

生田 「テレビが変わろうとしている時、変わるべきタイミングかもしれない時に、テレビの価値を高めるために奮闘してきたドラマを作ることにすごく意義を感じております。皆さま一人一人にも楽しんでもらいたいですし、実際に『花の生涯』を見ていた世代の方々にも見ていただきたいです」

阿部 「『花の生涯』という物語を大河ドラマでやることから始まっていきますが、『花の生涯』は1話だけ残っていて、それをカラー化した番組をドラマの翌日(2月5日)に放送するのでそれもぜひご覧ください」

生田斗真&阿部サダヲ、「大河ドラマが生まれた日」で初共演! 生田が気になっていた阿部のあるうわさを直撃!?

――ありがとうございました!

【番組情報】

テレビ70年記念ドラマ「大河ドラマが生まれた日」
NHK総合
2月4日 土曜 午後7:30~8:45
特別版
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
2月20日 月曜 午後9:00~10:29

NHK担当/K・H



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