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真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー2022/03/03

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

 31日後に隕石の衝突によって地球が滅亡してしまう世界を舞台にしたドラマ「サヨウナラのその前に Fantastic 31Days」(日本テレビ系)が、3月1日からスタートしました。

 本作は朝の情報番組「ZIP!」で放送され、月曜から金曜日まで曜日ごとに5人の主人公がリレー形式で物語を紡いでいきます。人は限られた時間に何を考え、どんな行動をしていくのか。年齢も性別も立場も違う5人の揺れ動く感情は必見です。曜日ごとに主人公が切り替わるだけでなく、主人公のうち1人を視聴者投票型オーディションで決めるといった新たな試みも取り入れられています。

 TVガイドwebでは本作の主人公5人を取材。3月6日まで1人ずつインタビューをお届けしていきます。4人目は、「金曜日の喫茶店主」に出演する真木よう子さんです。さまざまな作品で存在感を放つ真木さんは、タイミングが悪い人生を自覚しながら、喫茶店を切り盛りする金島陽子を演じます。インタビューでは、陽子の印象や朝のドラマ出演への気込みについて伺いました。(1人目、奥平大兼さんのインタビュー:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1401555/、2人目、南沙良さんのインタビュー:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1404065/、3人目、北村一輝さんのインタビュー:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1406158/

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

――台本を読んだ時の率直な感想を教えてください。

「日本のドラマは週1回の放送が多いですが、主役が異なるものの月~金曜に放送するのは新しい挑戦ですよね。斬新ですし、そんなドラマに参加できたことをうれしく思います」

――演じる金島陽子の印象をお伺いしたいです。

「台本で『モノローグ』という心の声の部分を読んだ時に、最初は彼女に対して暗めのイメージを持っていました。でも、誰も朝に暗いものを見たくないじゃないですか(笑)。モノローグは、キャラクターの本音かもしれないけど、『そんな悲しいこと思っているんだ!』と感じさせないように演じていきます。朝らしく、『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

――陽子はタイミングの悪い人生を歩んできた人物ですが、真木さんがこれまで経験した「タイミングの悪い出来事」はありますか?

「私自身はこれまで本当にタイミングのいいことしかなかったですね。タイミングに恵まれてきたんですよ。『タイミング最高じゃん!』という人生だったので。そこが難しいんですよね…陽子を演じる上で。でも、実際いるじゃないですか。どうしてもタイミングが悪い人は。ただ、朝なので、暗い気持ちを抱えていても爽やかに演じるという矛盾をクリアしないといけないんですよね」

――それでは、逆にタイミングの良かった出来事を教えてください。

「小学生くらいの時に、父親に買い物を頼まれたんですよ。当時はマンションに住んでいたのですが、出掛けた時に階段に黒い猫がいて…。でも、その猫が通してくれないんですよ。猫をまたごうとしても、その猫から『絶対に通さない』という意思を感じて。結局買い物には行けなくて父には叱られたんですけど(笑)。あの猫を乗り越えていたら、何か事故とかに遭って、私は今ここにいないんじゃないかと思っています。必死に説明したんですけど父は信じてくれなくて。でも、母は『そういうことはあるかもね』と信じてくれました」

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー
真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

――撮影はこれからですが、共演者の方の印象をお伺いしたいです。

「奥平大兼さんは、ドラマ『ネメシス』(同系)で共演シーンがあって、すごく堂々と演技されていたのが印象的でした。パソコンをいじりながら長ゼリフを言うシーンを目の当たりにして、直観的に『この子は絶対にくる!』と思いました。南沙良さんは、映画『彼女』(Netflix)で共演しました。女性同士のラブストーリーなのですが、南さんは主演の水原希子さんが演じる女性の大学時代を演じまして。私はその主人公の女性が大好き、触れたい、抱きしめたい、でも拒まれるという役柄でしたので、今回はチューまでいきたいです(笑)。北村さんは、ドラマ『東京フレンズ』(avex・フジテレビ)などで共演していますね。私も大好きな俳優さんなので、現場が楽しくなる予感しかしないです」

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

――もし実際にドラマの設定のような状況になったら、多くの人は閉塞感を持つと思います。現実ではコロナ禍で閉塞感が漂った時期もありましたが、そういう時はどのように気持ちを前向きにしていましたか?

「特に閉塞感を感じることはなかったですね。家にずっといないといけない状況を負担には感じなかったですし、母と買い物に行ける時があるだけでも幸せだと感じていました。以前から私は大切な人がそばにいて、笑ってくれるっていうことが一番の幸せだと感じていたからですかね」

――ご家族の存在が大きかったんですね。

「娘は私の命より大事な存在なので。いつも抱きつきにいって娘に嫌がられてを繰り返していて、姉妹みたいになっている関係もいとおしいですね」

――娘さんについてのエピソードをお伺いできますか?

「コロナ禍で自宅にいることが増えたため、学校から帰宅した娘を迎えてあげられるんですよ。それが母としてすごくうれしくて。娘の顔色を見た瞬間に、学校で良いことがあったのか悪いことがあったのか、母親って大体分かるんです。それで娘が嫌な気持ちとかを抱えて帰ってきた時は、すかさずフォローにまわって。母親として娘のそばにいられるってことが、私にとってすごく幸せです。繰り返されていく毎日で、子どもの成長が見られたり、自分の母親が元気だったり、そういうことがすごくうれしかったですね」

――そういうご自身のお気持ちは、ドラマで生きていきますね。

「ドラマのメッセージの一つには、危機的な状況で初めて大切なものに気付くということがあると思いますので、視聴者の方が温かい気持ちになって、『すべては誰かに支えられている』と気付けるようなドラマになっていけたらと思います」

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

――ドラマのように間もなく地球が滅亡するとしたら、最後はどのように過ごしますか?

「基本的に娘と一緒にいますね。うそでもいいから『何も起こらないよ』と言って、不安を取り除いて、娘を安心させます。あっ、あと私の弟に、実は一つだけ謝らなければいけないことがあるんです。それをきちんと伝えて謝罪したいです」

――謝りたいことですか?

「ひどいことなんで、(弟が)怒っちゃうと思うので今は秘密ですね(笑)。そういう時期がきたら、ちゃんと謝ります!」

――ありがとうございました!  

 真木さんの弟さんへの謝罪内容が気になるところですが、陽子を演じる上での課題やタイミングのいい出来事、家族への感謝の気持ちを、時に冗談を交えながら教えていただきました。いろいろなことがうまくいかないながらも、陽子が限られた時間の中で見いだす希望や幸せとは…。「サヨウナラのその前に」、明日3月4日の第4回目の放送では、朝の顔となる決意をした真木さんの熱演をお見逃しなく!

真木よう子「『金曜の朝の顔です』と堂々と言えるようにしたいです」 ――「サヨウナラのその前に」インタビュー

【プロフィール】

真木よう子(まき ようこ)
1982年10月15日生まれ。千葉県出身。主な出演作は、ドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」「問題のあるレストラン」「セシルのもくろみ」(すべてフジテレビ系)、映画「ゆれる」(2006年)、「さよなら渓谷」「そして父になる」(13年)など。

【番組情報】

「サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days」
日本テレビ系
月~金曜 午前7:50ごろ
※「ZIP!」で放送

取材・文/W・O(日本テレビ担当) 撮影/尾崎篤志 スタイリスト/小林祥子 ヘア&メーク/荒井智美



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