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奥平大兼「童心に戻って現場を楽しみます(笑)」――「サヨウナラのその前に」インタビュー2022/02/28

奥平大兼「童心に戻って現場を楽しみます(笑)」――「サヨウナラのその前に」インタビュー

 31日後に隕石の衝突によって地球が滅亡してしまう世界を舞台にしたドラマ「サヨウナラのその前に Fantastic 31Days」(日本テレビ系)が、明日3月1日からスタートします。

 本作は朝の情報番組「ZIP!」で放送され、月曜から金曜日まで曜日ごとに5人の主人公がリレー形式で物語を紡いでいきます。人は限られた時間に何を考え、どんな行動をしていくのか。年齢も性別も立場も違う5人の揺れ動く感情は必見です。曜日ごとに主人公が切り替わるだけでなく、主人公のうち1人を視聴者投票型オーディションで決めるといった新たな試みも取り入れられています。

 TVガイドwebでは、本作の主人公5人を取材。本日2月28日から3月6日にかけて、1人ずつインタビューをお届けしていきます。トップバッターは、「火曜日の男子高生」を演じる奥平大兼さん。その演技力と存在感から注目を集めている奥平さんに、作品とお芝居への思いを伺いました。

――台本を読んだ時の率直な印象を教えてください。

「曜日ごとに主人公が違うというのは、新しいドラマだなと思いました。撮影はこれからなのですが、このような作品は僕も初めての体験なので、どうやってお芝居していくのか、予想がつかないですね。まずは自分でできることをやって、現場に入って流れとかを把握しながら取り組んでいきたいと思います」

――出演が決まった時、家族や友人の反応はどうでしたか?

「『ZIP!』は家族で見ている番組だったので、ドラマの出演を伝えた時は、家族が『おぉ~』って一番喜んでくれました。役者の友達は、曜日ごとに主人公が違うことに対して『面白そうだね』って言ってくれました」

――「ZIP!」は家族で見ているのですね。

「この番組は僕の朝のルーティンの一つになっています。朝ご飯食べて、少しゆっくりしている時に『ZIP!』を見て、放送が終わってから学校に行っていたので。自分にとって朝の一部だった番組に出演できるのは本当にうれしいです」

――演じる椿木宙(つばきそら)について、どのような役作りをしているかお伺いしたいです。

「台本を読んだ時は、自分でどういう芝居をするのかあまり想像できなくて。監督と話した時には『楽しく、現役の高校生らしく』という言葉があり…。自分なりの高校生の経験を生かせたらとは思います。変な言い方ですけど、童心に戻って現場を楽しみます(笑)。宙が考えていることで『そんなこと思いつくんだ!』っていう発見もありますし。自分自身も普段からいろいろなことに興味を持つようにしているので、宙のそういう部分は自然に演じられると思います」

――本作にはどのような見どころがあると思いますか?

「この作品の良さは、朝に約8分という時間で気軽に見られるところですね。内容も地球が滅亡するというSFな感じですけど、登場人物の話はリアルで、現実味があるものだと思います。だからこそ、自分もお芝居するのが楽しみです。演じているうちに、自分自身も危機的な状況でこういうふうに振るまうのかなって想像したり考えたりもできるので」

――ドラマの放送ではトップバッターを務めますね。

「自分が最初だと考えるとちょっと緊張しますね(笑)。視聴者の方が、『明日も見たいな』って思ってくれるような芝居をしたいです」

――奥平さんは火曜日に出演ですが、火曜日はどんなイメージがありますか?

「特別何かイメージがあるわけではないですけど、週の始めなので『頑張ろう!』と思っていた印象ですね。あと、学校の時間割だと体育のイメージがあります。3~4時間目に連続で体育があって、運動した後にご飯を食べるというとても幸せな時間で(笑)、テンションが上がりましたね。もともと運動が好きで、バスケットボールをやっていたので、体育の時間がバスケだったりするとうれしかったです」

――共演シーンが多い南沙良さんの印象を教えてください。

「クランクイン前で、まだお会いしてないんです。出演されたドラマを見たことはありますが、直接お芝居をしている様子は見たことがないので。どんなふうに演技するのか見れるのは楽しみです」

――今回はオーディションで選ばれた方もいますね。

「僕は配信でオーディションの様子を見ていたのですが、『自分と共演する子がこの中にいるんだ』と思うと結構面白くて。例えば『この人とお芝居をしたら、こんなふうになるのかなって』って想像するのが楽しくて仕方なかったです。だから、現場でお会いできるのを楽しみにしています」

――奥平さん自身のオーディションにまつわるエピソードを教えてください。

「僕はオーディションの時に、取り繕うというか悪い言い方をすると猫をかぶっていくような感じはあんまり好きでなくて。いいことなのかどうかは分からないけど、できるだけ自分の素を出すことを意識しています。自分の素を見て、判断していただきたいなと思うので、失礼がない限りは、できるだけフラットにしています。印象に残ったオーディションは、やはりデビュー作(映画「MOTHER マザー」/2020年)ですね。『最低限のことはやろう』と意識していたことは今でも忘れられないし、すごく印象に残っています」

――ドラマの設定のように、もし地球が滅亡するなら何をしたいですか?

「 とりあえず、お金を全部使いますね!(笑)。あと1カ月で地球が滅びるとなると、やりたいことができなくなっちゃうと思うので。最後は友人とか今までお世話になった人たちとご飯を食べたりして、最後はパーン!と楽しく終わりたいですね」

――今後挑戦したい作品のジャンルや役柄はありますか?

「特定のジャンルとかはないのですが、これまで共演した人と全く別のテイストの役柄でもう一度共演したいと思っています。例えば、学校の同級生役で共演した人と、次はお互いに敵対する役を演じるとかですね。共演した人に前回と違う演技を見せたいですし、お相手の別の演技も見てみたいです」

――目指している俳優像を教えてください。

「すてきだなと思う俳優の方はたくさんいます。自分自身もこれから経験を重ねて唯一無二の俳優でいられるように努力していきたいです」

――俳優として、今後の意気込みを教えてください。

「デビュー作の『MOTHER マザー』で、長澤まさみさんと共演したのですが、ここで泣けたらいいねっていうシーンがあったんです。そのシーンのテストの時、泣くというより泣くのを我慢する芝居をしたんです。でも、長澤さんのお芝居を見たら、泣くつもりがないのに泣いてしまって。自分の演技で相手のお芝居を変えられるってすごいなって…。簡単にできることではないので、そういう芝居をやっていきたいと思います」

――ありがとうございました!

 インタビューでは、芝居の楽しさや奥深さなどについて熱く語っていただきました。奥平さん演じる椿木宙が、危機迫る世界で、何を思い、仲間とどんな時間を過ごしていくのか見逃せません。「サヨウナラのその前に」第1話は、明日の朝7:50ごろ「ZIP!」で放送です。お楽しみに。

【プロフィール】

奥平大兼(おくだいら だいけん)
2003年9月20日生まれ。東京都出身。初めて受けたオーディションにて、20年公開の映画「MOTHER マザー」で、メインキャストに大抜てきされてデビューする。第44回日本アカデミー賞新人俳優賞など新人賞4冠を受賞。その後、21年にはドラマ「ネメシス」(日本テレビ系)など話題のテレビドラマにメイン出演。今後はドラマ「卒業式に、神谷詩子がいない」(日本テレビほか)に出演するほか、「WOWOWオリジナルドラマ 早朝始発の殺風景」、映画「マイスモールランド」の公開が控える。

【番組情報】

「サヨウナラのその前に Fantastic 31 Days」
3月1日スタート
日本テレビ系
月~金曜 午前7:50ごろ
※「ZIP!」で放送

取材・文/W・O(日本テレビ担当) 撮影/尾崎篤志 スタイリスト/小林祥子 ヘア&メーク/荒井智美



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