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スペシャルインタビュー

注目のお笑いコンビ・シシガシラ、千鳥・大悟のまぶしい背中に飛躍誓う【ロングインタビュー後編】2022/02/16

　吉本興業所属のお笑いコンビ・シシガシラ。独創性が光る“ハゲ漫才”を武器に、「M-1グランプリ」では4年連続で準々決勝まで進出している実力派コンビです。インタビュー後編では、浜中英昌さんと脇田浩幸さんの学生時代のエピソードや、憧れの先輩についてお聞きした模様を。ここだけの特別プレゼントもいただきました！（前編はこちら：https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1383111/）

毎日○○を見すぎて、留年!?

――ここからは、お二人の過去について教えていただけたらと思います。浜中さんは高校時代はサッカーに打ち込んでおり、大学卒業後にNSCに入学されたとのことですが、どのような学生生活でしたか？

浜中　「千葉商科大学の商経学部経済学科に進学したんですけど、1、2年の頃はずっとスロットに行っていました。そしたら全然単位が取れなくて、3、4年は毎日学校に行く羽目に。大学を卒業したらNSCに入りたいと思っていたんですけど、お金がなかったので、バイトしながらスロットで稼いで。スロットで稼いだお金を入学金にして、大学を卒業して1年後にNSCに入学したんです。大学に面白いヤツがいたらそいつと一緒にNSC行きたいなって思ってたんですけど、いい相手が見つからなくて、1人で入学しました」

脇田　「こいつ、スロットで貯めたお金でお笑いやってるんですよ」

――影響を受けた芸人さんはいますか？

浜中　「とんねるずさんが大好きだったんです。外ロケで笑わせるような企画が好きで、『めちゃ×2イケてるッ！』もよく見ていました。それからNSCに入学して、初めてダウンタウンさんを見たんです。勉強しようと思って、ダウンタウンさんのネタやコント、『ごっつ（ダウンタウンのごっつええ感じ）』を見たんですけど、面白すぎて衝撃を受けて…。ダウンタウンさんを見るまでは、コントの面白さが分からなかったんです。そこからどんどんお笑いを知っていった感じです」

――一方、脇田さんは全寮制の高校に通っていたとのことですが、地元の鹿児島の高校ですか？

脇田　「そうです！　鹿児島高専（鹿児島工業高等専門学校）だったんですけど、僕の家から電車で1駅というすごく近いところにあるんですよ。だから寮に入ること自体意味が分からなかったんですけど、精神を鍛えるために入学して1年は全員寮に入るというのが義務付けられていたんです。朝は6時半に毎日校庭に集まって、ラジオ体操をして、ランニングして。すごく厳しい寮だったんですけど、2年目からは自由だったので、僕はすぐに退寮を決めて、自宅から原付で通うようにしたんですね。その頃両親は共働きで、僕が起きたら2人とも仕事に行っていたんですけど、当時、僕『ポンキッキーズ』が大好きだったんです」

――ポンキッキーズ、ですか？

浜中　「脇田さん、高校生だよね？」

脇田　「そうだよ。あんじさんというモデルの方が出演されていたんですけど、めちゃくちゃ好きで。毎日『ポンキッキーズ』を見てから登校してたんですよ。そしたら遅刻で、1限目の単位を全部落としちゃったんです。ある日、先生に親と一緒に呼び出されて、『今後もし全部のテストで100点を取ったとしても、進級できません』と通告されてしまって、何も知らなかった親は『どういうこと!?』って。僕が『ポンキッキーズが好きで…』って説明したんですけど、『はぁ!?　どういうこと!?』って怒られて…」

浜中　「そりゃそうだよ（笑）」

脇田　「それ以降は『ポンキッキーズ』を見るのを控えていたのに、結局翌年も留年が確定しちゃって。2回までしか留年ができないので、退学するか、ほかの学校に転入するしかなくて、単位制の高校に編入しました。そこでもまた事件が起きるんです」

浜中　「何？（笑）」

脇田　「1年生の時、僕ヤンキーに軽くいじめられてたんです。学校にも寮にもそいつがいるから逃げられなくて、地獄の高校生活だったんですよ。でもそいつがヤンキーで悪すぎて退学になっちゃって、やっと平和が訪れたんです。なのに僕の編入先の高校に、そのヤンキーが編入してきちゃったんです」

――そんな…。

脇田　「『ウソでしょ～!?　またいじめられる！』って絶望しました。ところがそいつは退学になった後、美容師をしていたんですけど、ヤンキーすぎて社会で通用しなかったみたいで。そこから更生してマイルドヤンキーになっていて、編入先ではすごく仲良くしてくれたんです」

――平和な高校生活を送ることができたんですね…。

脇田　「本当に良かったです（笑）。それでなんとか高校生活を20歳で終えて、幼なじみと『お笑いやろう』って言って、地元の工場で働いて、NSCに入るためのお金を貯めました。東京のことを全く知らなかったので、神奈川の藤沢に住む美容師の友達の家に1カ月住ませてもらいながら家を探して、やっと上京したんです。浜中と組むまでめちゃくちゃ遠回りしました（笑）」

浜中　「美容師の友達多いんですね。ややこしい（笑）」

脇田　「その友達は美容院を何店舗か経営してるくらい成功してるの。向こうはたまに僕らのライブに来てくれたりするんだけど、僕は一切恩返しできない」

――脇田さん、最後に美容院に行ったのっていつですか？

脇田　「行ったことないです！　美容院がどんなところなのか、全く分からないんです！」

千鳥・大悟さんのまぶしい背中

――お二人にとって、憧れの先輩や師匠のような存在の方はいますか？

脇田　「囲碁将棋さんです。浜中と組んですぐ、好きなお笑いのスタイルについて話をしていた時、2人とも囲碁将棋さんを挙げたんです。ライブがめちゃくちゃ楽しいですし、ネタもすごく勉強させていただいています」

浜中　「ライブとかでご一緒すると、『お前らおもしれーな』『いいネタだな』って毎回言ってくれるんですよ」

脇田　「僕が囲碁将棋さんと初めてお会いしたのが、朝にパチンコ屋に並んでる時で。後ろから囲碁将棋さんがいらっしゃって、『お前、よしもとのヤツだよな？』って声を掛けられたんです。そしたらその後、ライブでお会いした時に『いやいや、パチンコにあんだけ並んでるヤツはおもしれーことあんのかい！』ってツッコんでくださって。覚えててくれたんだってうれしかったですね」

――先日出演されたテレビ番組「いろはに千鳥」（テレ玉）では、ノブさんが「（シシガシラを）いろいろな番組で見たい！」、大悟さんが「脇田の声もいいよな。『M-1』残っといてほしい」とコメントされていましたね（「いろはに千鳥」は「M-1グランプリ」準決勝前に収録）。4組の芸人さんが登場されていましたが、一番千鳥さんに刺さっている感じじゃなかったですか？

浜中　「（声を大にして）刺さってました!!」

脇田　「その日収録が終わって、大悟さんも『タバコ行くわー』って一緒に廊下に出たんですけど、『お前ら、マジでいけると思うから頑張れよ』って言ってくださったんですよ。それ聞いて僕ら、大悟さんの背中を見ながら『まぶしいなー！』ってはしゃぎながらも、『頑張らないと！』って奮い立たせられたよね」

浜中　「千鳥さんも苦労されている人だから、優しいんですよね…」

脇田　「めちゃくちゃうれしかったです！」

――番組のエンディングでも、千鳥さんから一番にシシガシラさんの名前が挙がっていましたもんね。テレビ出演も増えていますが、今後出たい番組や、やってみたいお仕事があれば教えてください。

浜中　「『情熱大陸』（TBS系）、『プロフェッショナル仕事の流儀』（NHK総合）に出たいです」

脇田　「はい！」

――それはコンビで、ですよね？

浜中　「あー…、どっちでも大丈夫です」

脇田　「いやいや、どっちでも大丈夫なわけないじゃん！」

浜中　「個人だったらうれしいなって」

脇田　「なんでお前個人にオファー来るんだよ！　僕は、まだ経験がないんですけど、営業に行ってみたいです」

浜中　「全国ツアーもしてみたいですね！」

脇田　「僕、まだ仕事で（地元の）鹿児島に行ったことがないんです。テレビのお仕事が増えたら、全国各地にお仕事で行けるようになるのかな？　いろんなところで漫才したいです！」

――2月21日には、ゲストに仲良しのカナメストーンさんを迎えたネタ＆トークを披露する主催ライブ「トルコキキョウ」が開催されます。

脇田　「僕らのことをずっと見てくださっている方はもちろん、まだ知らないという方にも、楽しんでいただけるライブにしたいと思っています。ネタはなんとなく見たことあるという方には、トークもできるんだということを知っていただけたらうれしいです！」

　初のトークライブを前に、シシガシラさんに取材させていただきました。とても和やかな雰囲気のお二人ですが、浜中さんは脇田さんを「ビジネスパートナー」と割り切ります。撮影中も向き合ってしゃべっているようなカットをお願いしたのですが、すぐに脇田さんと目を合わせようとする浜中さんと、それに耐えられず下を向いたり笑い出してしまう脇田さん。撮影後、脇田さんが「そういうのよく照れずにできるよなぁ～」と言うと「なんでもやりますよ。仕事なんで」と浜中さん。それを受けた脇田さんが「冷たいなぁ～」とボヤくと、浜中さんは「最高のビジネスパートナーですよ」とボソッと。

　そんなお二人のPodcastでは、「M-1グランプリ」などお笑いに対する熱い思いはもちろん、脇田さんにアンチエイジング情報を教えたりと、楽しいトークを毎週配信中です。一見ネガティブなことも笑いに変えていつの間にか笑ってしまう、そんなシシガシラさんのネタやトーク。トークライブではその両方が楽しめるとのことですので、ぜひ会場＆配信でお楽しみください！

【プロフィール】

シシガシラ
2018年6月、NSC東京13期生の浜中英昌とNSC東京12期生の脇田浩幸により結成。結成1年目の18年、「M-1グランプリ」に出場し、準々決勝まで進出。以降、4年連続で準々決勝に進出している。毎週日曜に、「シシガシラのピピパピパ放送局」をPodcastにて配信中。2月21日、初の主催トークライブ「トルコキキョウ」をヨシモト∞ホールにて開催予定。会場チケット・配信チケットともに発売中。