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吉沢亮×黒崎博CPが「青天を衝け」を総括!「エネルギーを持続させながら老いていくって『どういうことやねん』と」2021/12/25

 第40回(12月19日放送)の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)では、渋沢栄一(吉沢亮)とともに激動の時代を歩んできた徳川慶喜(草彅剛)や渋沢喜作(高良健吾)らが栄一との思い出を胸に抱え、天寿を全うしました。最終回となる第41回では、老年になっても、なお走り続ける80歳以降の栄一が描かれます。第一次世界大戦や関東大震災などの大きな出来事に栄一はどんな対応をし、物語はどのように幕を閉じるのでしょうか。

 栄一を演じる吉沢亮さんと演出を手掛けたチーフ・プロデューサーの黒崎博さんに、これまでを振り返りながら「青天を衝け」を総括してもらいました!

――「新1万円札の顔」というイメージしかなかった渋沢栄一ですが、「青天を衝け」をきっかけに、その功績も知られるようになりました。これまでのイメージを変えたことに対してどう思われていますか?

吉沢 「皆さんに渋沢栄一といえば『青天を衝け』だろうと言っていただければ、僕らは幸せです。新しい1万円札の顔になるには、ぴったりな人だと演じながらあらためて思いました。経済を発展させたことはもちろんですが、1人の人間がどんな動きをして、どんな思いで働いた結果、お金がついてくるのかという人の生活を描いてる作品だったし、栄一は合理的なだけでなく、道徳的にもお金と向き合ってきた人なんだなという気がして。新1万円札の顔にふさわしい人だなと感じました」

黒崎 「ちょっと違う角度から話すと、渋沢栄一さんは多くのことをゼロから立ち上げて成し遂げたゼロベースの人。ベンチャーの極みのようなことをして、大企業や大事業に次々に押し上げて、今はやりの言葉で言うと、SDGs的にまだ続いているところが本当にすごい。そんな栄一を吉沢さんもゼロベースで演じてくれて。誰よりも長く栄一を演じているのに、シーンごとにゼロから立ち上げて、真っさらの状態から…。そんなところがいつの間にか栄一と重なっていましたね」

――長丁場を共に過ごした吉沢さんと黒崎さんにとって一番思い入れのあるシーン、もしくはご相談されて印象に残っているシーンはありますか?

吉沢 「最終回はお芝居的な部分も台本についても、むちゃくちゃ話しました。僕が黒崎さんの演出で印象に残っているのは、第25回(8月22日放送)の栄一がパリから帰ってきて、日本で何があったかを聞く回です。セリフがほぼない中、平九郎(岡田健史)の死を聞く場面があったのですが、第26回(9月12日放送)に惇忠兄ぃ(田辺誠一)の前で感情を爆発させるので、それまでは感情を抑えた方がいいだろうと、リハーサルの時には平九郎の死を真顔で聞いていたんです。表情も変えず黙って聞いている芝居をしてたら、黒崎さんから『ここは、いっちゃってください』と言われて。『え? ここいっちゃっていいの?』って(笑)。だから第25回は栄一の感情が爆発していて。最初はその芝居をした後も、モニターで確認した後も『本当にこれでいいのかな?』と思っていたんです。その後、出来上がりを見たら、栄一が聞いている顔とその場で起きていたことがカットバックでどんどん入れ替わって、栄一が『平九郎はどうした?』と聞いたら、喜作が戦場で『平九郎はどうした?』と聞いている演出になっていたので感動して。疑問を抱えながら演技していましたが、あれくらいの表情をしなければ、喜作の芝居に対抗できなかったし、まるで栄一が戦場の空間を体感してるように見えたので、素晴らしい演出だなと。黒崎さんのすごさを感じた瞬間でした」

黒崎 「(吉沢さんと)普段こんなに面と向かって話すことがないので、小恥ずかしいものがありますが…(笑)。吉沢さんは瞬間的に燃焼させるパワーのエンジンを搭載されている方なので、どこでそれを変化させるのかだけを話し合ってきました。どういうふうに演じるかは、吉沢さんが一番分かっているし、それは本番で栄一にならないと分からないので。ただそのタイミングだけを2人で測って撮影をしていたかもしません。この間まで、嫌というほど毎日顔を合わせていたのに、今はそれがなくなって死ぬほど寂しいです。僕は第28回(9月26日放送)の栄一が大隈重信(大倉孝二)の家に乗り込んでいって、『新政府の仕事なんかお断りだ』って言ったら、逆に説得されるというシーンが印象深いです。2人の長いやりとりは、セットの中で座りっぱなしの中、映像を切り返していったのですが、2人の熱量のぶつかり合いがすごくて、引き込まれながら撮っていたのを思い出します」

――栄一は長寿ということもあり、たくさんの別れが描かれましたが、どの別れがつらかったですか?

吉沢 「平岡円四郎(堤真一)とお千代(橋本愛)です。とっさま(小林薫)とかっさま(和久井映見)の別れは悲しいことではあるんだけれど、何かをやり遂げた感じがあったし、次に進める別れだった気がしますが、円四郎とお千代は突然すぎて。自分の中でも全然消化しきれないまま時が過ぎてしまいました。特にお千代なんかは目の前で見ていましたし」

――演じた後は引きずりましたか?

吉沢 「引きずりますよ。撮影当初から一緒だった人ですからね、特にお千代は。撮影が進んでいくにつれて、どんどん最初のメンバーがいなくなって、僕しか残っていないので寂しかったです。話が進むにつれて、この人もいなくなっちゃうんだって。誰と話せばいいんだみたいな(笑)。でも、後から参加された皆さんも素晴らしい方ばかりでした」

――いよいよラストとなりますが、最終回で工夫した点を教えてください

黒崎 「ネタバレにならないように言うのが難しいですね(笑)。栄一が超長生きだから、みんな年を取っていくんです。だからどうやって91歳までを演じてしていくかは結構大変でした。もちろんメークの力も借りましたが、栄一は最後まで元気な人なので、そのエネルギーを持続させながら老いていくって『どういうことやねん』と。現場で吉沢さんも試行錯誤してくれて、今の立ち上がり方は若かったかなとか、振り向き方も工夫して。最初は『違うな』とか言いながらも、徐々にこつをつかんでいって。吉沢さんが若い肉体を封印している感じは面白いです」

吉沢 「黒崎さんが言うように、年を取っていくお芝居は本当に難しくて。栄一のエネルギーが失われることは絶対に避けなきゃいけない上で年を重ねることが、とても難しいんです。それをみんなで話し合いながら作っていったのが一番苦労した点ですね。後半は役作りでパンパンに太っていて、体が重くて走れなかったので、年を取ったなと思いました(笑)」

――ちなみに最終的に何キロ太られたんですか?

吉沢 「体重で言うと8キロくらいですね」

――そうなんですね! 最後に、この作品を撮る前と後で俳優としてどんな変化を感じていますか?

吉沢 「1年以上同じチームで主人公としてやらせていただきましたが、みんなで渋沢栄一という人物を作り上げたという思いが強いです。監督、スタッフ、演者の皆さん、誰1人欠けることなく、そこにその人がいたから、渋沢栄一という人物ができた感覚があります。大河の主演としては、うれしいこともたくさんあったけど、苦しい思いもつらい思いもたくさんして、めちゃくちゃ生きてるなと実感した時間でした。こんな刺激的な現場にはなかなか出会えるもんじゃないので、一生言ってそうです。撮る前と後の変化としては、ちょっと老けた気がしますね(笑)。演じる前の写真を見ると自分で若いなと思いますもん。91歳まで丁寧にちょっとずつ年を重ねていって、ある一定のところからは、自分の年齢からかけ離れたところを演じていたので、人としても成長できていればいいなと思っています」

――ありがとうございました!

【番組情報】

大河ドラマ「青天を衝け」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか *12月26日は午後8:00~9:00
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
日曜 午後6:00~6:45 *12月26日は午後6:00~7:00

NHK担当/K・H



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