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岡田健史「命懸けで演じることができた」。「青天を衝け」渋沢平九郎役に手応え2021/08/17

岡田健史「命懸けで演じることができた」。「青天を衝け」渋沢平九郎役に手応え

 第24回(8月15日放送)の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で、やむなく混迷を極める日本に帰ることとなった渋沢篤太夫(吉沢亮)。一方、日本では、渋沢成一郎(高良健吾)や尾高惇忠(田辺誠一)、渋沢平九郎(岡田健史)が新政府軍と戦闘に。第25回(8月22日放送)では、追っ手の新政府軍から逃げていた平九郎のその後が明らかになります。

 篤太夫の養子になったことで幕府崩壊の動乱に巻き込まれることになった平九郎。てい(藤野涼子)からもらったお守りを握りしめて身を隠している時、一体何を思ったのでしょうか。そんな平九郎を演じた岡田健史さんから、役への思いや印象的なシーンなどのコメントが到着したので、ご紹介します!

岡田健史「命懸けで演じることができた」。「青天を衝け」渋沢平九郎役に手応え

 約1年間、平九郎を演じてきたなかで気付いたことがあるという岡田さん。「何かが変わったのではなく、『新しく発見したものが追加されていった』感覚です。実在の人物を演じることは膨大なエネルギーを要すると共に、こんなにも濃厚に生きることができるのかという驚きもありました」。

 実在の人物を演じるのは今作が初めて。「先の展開やその最期がどのようになるか分かっているからこそ、簡単には演じられないことに気付かされました。例えば 『渋沢栄一役をやりたいです』と口先では簡単に言えますが、実際に演じるとなると全然簡単じゃないと思います。もちろん、架空の人物を作るのも難しいのですが、それとは異なる大変さがあり、命を削るというか、まさに命懸けで演じることができたという手応えを感じています」。

 第25回で最期を迎える平九郎の撮影エピソードも。「最期のシーンの撮影の時には自然と涙があふれていました。天国で渋沢平九郎さんが『お前に演じてもらって俺はうれしい』と思ったりしてくれたかな、という思考に至った結果なのですが、実在の人物の最期を演じることで『こういうふうな気持ちになるんだな』と新鮮でした」。

 意外にも印象的だったのは、平九郎の最期のシーンではないと明かします。「最期のシーンは、変な話、僕でなくても壮絶なシーンになると思うので…。そうではなく、そこに至るまでの“平九郎”という人物をどのように作ってきたのか、ということこそ僕にしかできない平九郎なんだと思います。良くも悪くも僕がそれまでに作ってきた“平九郎”がそこに至ったというのが最期のシーンなので。一番印象的だったのは、第7回(3月28日放送)のシーンでしょうか。栄一と惇忠が 漢詩を詠みながら藍売りの旅に出るのですが、出発前に剣道場でそれを聞いた平九郎が『へぇ。詩かぁ。いいなぁ』とつぶやいたんです。僕は純粋な憧れの対象である“兄ぃ”たちとの関係性を徐々にズームアップしていくことこそが、平九郎を演じる上での真骨頂であると考えていました。平九郎の最期を演じるにあたっても、僕が考えたのは“兄ぃ”たちのことで…。“兄ぃ”たちを慕っている平九郎の中身を濃く作っていくために一番考えて、またその後のリズムをつかむことができたこともあって、そこが一番印象に残っています」。

岡田健史「命懸けで演じることができた」。「青天を衝け」渋沢平九郎役に手応え

 また、自身の幼少期と重ねて、平九郎の気持ちを推察。「平九郎の根底には憧れと同時に、『いいなぁ、兄ぃたち』という、自分にはできないことをやってしまう“兄ぃ”たちへのコンプレックスがあるんじゃないかと。僕自身も幼少期に上のお兄ちゃんたちに対して感じたことでもあるのですが、大人とは違い、幼少期に感じる年の差というのは、非常に大きいものがあると思います。自分が持っているものと年上の人たちが持っているものの違いに対するコンプレックスというのはすごく大きいと思います」。

 最後に視聴者へのコメントも。「なんと言っていいか非常に難しいのですが、僕もこれまで自分が見て演じてきた平九郎のことを信じながら最期のシーンを迎えました。これまで『青天を衝け』をずっとご覧いただいている視聴者の皆さまにも、僕のことを信じて、平九郎の最期を見届けていただきたいです」。

【番組情報】

大河ドラマ「青天を衝け」
NHK総合 日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム・NHK BS4K 日曜 午後6:00~6:45

NHK担当 K・H



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