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明日海りお☆元宝塚男役トップスターがディズニー映画で声優初挑戦!2020/09/02

 9月4日よりディズニープラス会員、プレミアアクセスで独占公開される映画「ムーラン」で、ディズニー史上最強のヒロイン・ムーラン役の日本版声優を務める明日海りお。昨年11月に退団した宝塚歌劇団では、花組の男役トップスターとして絶大な人気を誇った明日海だけに、退団後の動向が注目されていたが、愛する者を守るために自分を男性と偽って兵士となる少女・ムーランの“声”が、女優としての初仕事となった。自身もディズニー作品の大ファンという明日海に、作品の見どころや“聞きどころ”、女優としての今後の展望や古巣の宝塚への思いなどを語ってもらった。

――ご自身がディズニー映画のファンであり、吹き替えの仕事にも興味があったということですが、「ムーラン」の日本版声優が決まった時の気持ちをあらためてお聞かせください。

「オーディションを受けた際に、本当に初めてのことづくしで、まったく自信を持てないまま終わってしまったんです。それが悔しくもあったのですが、でも(ムーラン役を)やりたいという気持ちを捨てられず、オーディションの台本もずっと捨てられずにいたんですよ(笑)。厚かましくても、やっぱり結果が出るまでは台本を取っておこうかなと思って。ちょっとドキドキしながら結果が出るのを待ってましたので、連絡を頂いた時はとってもうれしかったです」

――日本版声優が発表されてさまざまな反響があったと思いますが、一番うれしかった反響は?

「朝の情報番組にも取り上げていただいたので、宝塚の後輩からは、もう朝5時とか6時くらいから連絡が来ていて(笑)。『ムーラン』への熱い思いや、『ムーラン役を明日海さんがやることが一番うれしいです』と伝えてくれた子が結構いたので、“これは頑張らないといけないな”って思いましたね。“その子たちが憧れているディズニーヒロインや作品を私が汚しちゃいけない!”って…」

――声の仕事は舞台とはまったく違う表現方法だと思いますが、演じていてその違いをどんな時に感じましたか?

「一番の違いは、今その空間で同時に同じ空気を味わっている方々がいらっしゃるのと、そうでないことの違いですね。舞台でその場にいる人たちに届けようと広い空間に向けてお芝居するのと、この先の未来にご覧になる皆さんが作品に感情移入していけるようにお芝居するのとでは全然違いました。映画は舞台よりも繊細に、その場面に描かれている時間帯まで考えるというか…。本当に真夜中で虫の音が聞こえているとか、夜が明けてかすかに砂利道の音が聞こえる時間だとか、相手がどのくらいの距離にいるお芝居なのかとか、そういうことを想像力を豊かにして考えないといけなくて…。(映像を)見たら分かることですけど、それをより意識して演じないと、声だけが立ってしまうというか、浮いてしまうと思いました」

――監督からの演出で、あらためて気付いたことはありましたか?

「監督さんはとても愛にあふれた楽しい女性の方で、丁寧に丁寧に録ってくださいました。ムーランが大地で育った感じと、若いからこその屈託のなさや、恐れるものなど何もなく勇気を持っているといったピュアさを表現するには、私の声がとても落ち着いて聞こえてしまうという指摘を受けて、新発見でしたね。“ああ、落ち着いて聞こえちゃうんだ、知らない間に自分はムーランより大人になっていたんだ”と思いました。ムーランのアニメーションを初めて見たのは小学生か中学生だったので、ムーランより大人になってしまった自分に気付いたのはちょっとショックでしたね(笑)」

――なるほど。では監督からの指摘は、「ムーラン」のアニメーションを初めて見た頃の気持ちを思い出しながらクリアしていったのでしょうか。

「そうですね。中学生で『宝塚歌劇団に入りたい』って両親にわがままを言った頃の、無鉄砲な自分を必死に思い出しながら演じました」

――では、“ここは見てほしい”という場面を、ネタバレにならない範囲で教えてください。

「見てほしいし、自分も演じていて気持ち良かったのは、やはり戦うシーン。何人もと戦い、女の子のムーランが果敢に攻め入っていく場面です。掛け声の連続なんですが、意外だったのが、息遣いも全部収録してくださるんですよ。振り返る時の本当に小さな息とか、寝息とか、最後のため息とかもすべて! 戦う場面でも本当に細かいところまでこだわっているので、そういうちょっとした息遣いも見ていただきたいなと」

――見る側も、小さい息まで聞き逃さないようにしないといけないですね。

「あっ、もちろん最初はそういったことを気にしないで見ていただいて大丈夫です。でも、もし『私、見るのが5回目です』っていう『ムーラン』ファンの方とか、私のファンの方が見てくださるなら、ちょっと注意して聞いていただけるとうれしいかなって思います」

――宝塚時代の明日海さんは、かなりストイックに体調管理をされていたそうですが、退団後も続けている美容法など教えてください。

「体力やパフォーマンスが落ちないように鍛えていますが、在団中より時間に余裕ができて、ちゃんと鍛える時間があるので、1日1回は汗びっしょりになることを目指してます。老廃物が体に滞らないように、ちゃんとたくさん水を飲んで、汗をかいて…。それに筋肉の付き方も、今までは男役として男性の姿勢になってしまっていたので、それを奇麗な女性の姿勢に…見えるか分からないですけど(笑)、変えていくこともちょっと意識しています」

――ご自身の後に花組を率いる男役トップスターの柚香光さんに送りたい言葉はありますか?

「このコロナ渦において舞台に立つということは、いろんな人の思いを背負うことだと思うんです。待ち望んでいてくださったファンの方の思いや、舞台に立ちたいのに立てなかった自分の思いも含めて…。すごくプレッシャーのかかることだと思うのですが、とにかくそれを乗り越えて、まずは舞台を楽しんでほしいですね。そしてこれはもう柚香だけでなく、全員に対してですが、スタッフさんも、裏方さんも、先生方も、お客様も! 全員の安全が第一。本当は、自分が監督をしに劇場に行きたいくらいなんですよ。監督というか、除菌担当や検温担当として、安全面に配慮して駆け付けたいくらいの気持ちでいます」

――最後に、今後演じてみたい役や出演したい作品を教えてください。

「ステイホームの期間に、少なくとも1日1本は映画を見ていて、洋画も邦画もいろんなタイプの映画を見たことで、映画の味わい方を知ることができた気がするんですね。宝塚時代は自分が演じる作品に関係のある映画から、衣装とか、時代背景などを重点的にたどって見ることが多かったので、映画の見方が変わったというか…。派手に起承転結がある壮大な作品もあれば、ロードムービーのようにまったり流れていくような映画もあって、監督さんによって全然違いますが、それを面白いか面白くないかで判断するんじゃなく、映画を見る時間そのものを楽しむことができてすごく新鮮なんです。役者さんの仕草や目の動きとか、カメラのアングルとか、音の入るタイミングとか、いろんな角度からじっくり映画を見るようになって、あらためて、早く芝居がしたいと思いました。なので、具体的な作品というより、舞台でも映像でも、この機会に学んだことを今後ちょっとでも生かせるようにしたいと思います」

【プロフィール】

明日海りお(あすみ りお)

1985年6月26日、静岡県生まれ。蟹座。B型。2003年に宝塚歌劇団に入団し月組に配属。2013年に花組に組替えし、2014年から花組トップスターを5年半務め、昨年退団。

【作品情報】

映画「ムーラン」
9月4日ディズニープラス会員、プレミアアクセスで独占公開 
※追加支払いが必要です 詳しくはdisneyplus.jp へ

ディズニー・アニメーションの傑作を空前のスケールで実写映画化。愛する父の身代わりとなり、男性と偽って兵士となったムーラン(声:明日海)。闘いの日々の果てに驚きの運命が彼女を待ち受ける。

【プレゼント】

サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年9月2日正午~9月9日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」9月11日号(P98)をご覧ください
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html

取材・文/齋藤春子 撮影/髙橋定敬 ヘア&メーク/平山直樹(wani) スタイリング/三浦真紀子

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