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町あかりのプレイリスト~テレビのうた~◆その6:晩秋! 大人の昼ドラ主題歌4選2022/11/12

町あかりのプレイリストリスト~テレビのうた~」その6:晩秋!大人の昼ドラ主題歌4選

 日本でテレビ放送が開始してからおよそ70年。ドラマ主題歌やCMソングなど、テレビによって国民に周知された楽曲は無数にあります。平成3年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが、昭和から令和までテレビを通して愛された楽曲について、独自の目線で語る連載が「町あかりのプレイリスト」です。

 紅葉の季節を迎え、暦の上ではもう冬が始まりました。落ち葉が舞い、冷たい風が吹き、野生の生き物たちもそろそろ冬眠を始める頃。神社を通りがかり、酉の市の華やかな熊手や七五三を祝うファミリーの姿を見かけて「もうこんな季節かぁ」と感じた方は多いのではないでしょうか。

 第6回では「晩秋!大人の昼ドラ主題歌4選」と題して、昼帯に放送されたいわゆる「昼ドラ」で起用された楽曲をピックアップ。深まる秋に聴きたい、しっとり大人な世界を楽しめちゃうプレイリストを作ってみました。

 まずは、郷ひろみ「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」(1993年)。こちらは東海テレビ制作・フジテレビ系ドラマ「正しい結婚」の主題歌。藤吉久美子、船越英一郎、川島なお美らが出演し、結婚を目前にかつて憧れていた男性に再会した女性の複雑な心情を描いた昼ドラです。楽曲はシンガー・ソングライターの楠瀬誠志郎による作曲、作詞は芹沢類。8小節かけて「もう嫌だよ」と歌い上げるサビが印象的で、あまりにストレートすぎる心情表現は見事! 一方で本心を隠してふるまうさまは、令和のヒット曲・Official髭男dism「Pretender」にも通じるように感じます。恋のつらさは90年代も令和の世も、いつの時代も同じこと。誰もいない秋の海に向かって大声で叫んでいるような、そんなイメージが浮かびます。

 次は、研ナオコ「ワルツ」(95年)。東海テレビ制作・フジテレビ系列「ダブルマザー」の主題歌。ドラマは、子どもに恵まれない、ある病院の院長夫婦が看護師に代理母を依頼し、後にその子どもが出生の秘密を知るという物語。作詞・作曲にはTHE 虎舞竜の高橋ジョージが参加。本来陽気な円舞曲であるはずのワルツのリズムですが、寂しい人々に寄り添うような切ないボーカルに、胸が締めつけられます。まるでピエロが無理をして踊っているかのよう…。「電話だけはくれるけど 話し方が昔と違うの」という一節は、何度聴いてもドキッとします。

 さて、今回初めて知りましたが、昼ドラの歴史は大変長いのですね。時代を大幅にさかのぼり、次は大川栄策「目ン無い千鳥」(69年)。作詞はサトウハチローで、作曲家・古賀政男が残した「古賀メロディー」の数ある名曲の一つ。最初に発表されたのは霧島昇とミス・コロムビアによる40年発売のものですが、後にヒットしたこちらの大川栄策バージョンに思い入れのある方も多いことでしょう。

 この曲は朝日放送制作・TBS系列「花王 愛の劇場」枠で放送されたテレビドラマ版「新妻鏡」の挿入歌。原作は小島政二郎による小説で、映画にテレビドラマにと過去何度もリメークされた昭和の傑作です。視力を失った薄幸のヒロインの半生が描かれ、「愛とは、お金とは」と考えさせられる壮絶な物語で、「目ン無い千鳥」はこのストーリーを基に描かれています。振り回されるのはいつも立場の弱い者。「誰のとがやら 罪じゃやら」という一節からは、そんな悲しい世の常が見えてきます。しかしそこに絶望を感じないのは、明るく高らかに歌い上げる伸びやかなボーカルのおかげ。これが身に染みるんですよねぇ。

 最後は、VOICE「24時間の神話」(93年)。東海テレビ制作・フジテレビ系列の昼帯ドラマ「誘惑の夏」の主題歌に起用。ドラマは、裕福な家庭のお嬢様であるヒロインがエリート医師との結婚直前、貧しい生い立ちの男性との出会いによって人生が一転するストーリー。楽曲は北海道出身の双子ユニット・VOICEによるデビュー曲であり、日本有線大賞新人賞、全日本有線放送大賞・新人賞を受賞したヒット曲です。一刻も早く忘れなければいけない恋に激しく悩み、苦しむ心情が切々と描かれています。情感たっぷりのボーカルに心をかきむしられるようで、猛烈に切ない! 夏に放送されたドラマですが、VOICEの歌声やアレンジによるものか、どこかヒンヤリと澄んだ空気が感じられるのです。落ち葉の上を歩き、秋の冷たい空気を吸い込みながら聴きたくなるサウンドです。

 いかがでしたでしょうか? 今回のプレイリスト(Spotify)はこちらから! 
>>https://open.spotify.com/playlist/4m567jR8aWlsSS1oyh86zJ?si=deef7994ecd048fd

町あかりのプレイリスト #6「晩秋!大人の昼ドラ主題歌4選」Spotify

 昼休みにぼんやり見ていたつもりが、気付けばどっぷり感情移入。フィクションなのになぜか他人事と思えなくて、のめり込んでしまう強烈な魅力…。そんなドキドキ・ハラハラする大人の世界を描いたかつての昼ドラ。それらの主題歌・挿入歌を新旧交えて幅広くご紹介しました。ちょっぴり人恋しくなる今の季節にぴったりのプレイリストです。

 旧暦で「霜月」と言われる通り、11月は日に日に寒さが増していきますね。つまり暖かい部屋でテレビを見たり、音楽を聴いたりと室内での楽しみも増えてくるということ。こうして季節の移ろいを楽しみながら、しっかりと冬支度しましょう!

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町あかり

シンガー・ソングライター。2010年から活動を始め、作詞・作曲、編曲、執筆、イラストや衣装制作まで自身で行う。19年には、ビクターエンタテインメントからメジャー5thアルバム「あかりおねえさんのニコニコ♡へんなうた」をリリース。20年10月に、日本コロムビアから初のカバーアルバム「それゆけ!電撃流行歌」を発売。ほか、アーティストへの楽曲提供も行う。映画「男はつらいよ」と昭和歌謡曲、そして文鳥を愛する。最新アルバム「総天然色痛快音楽」が好評発売中。

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