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町あかりのプレイリスト~テレビのうた~◆その3:童心に帰ろう バラエティー夏ソング5選2022/08/14

「町あかりのプレイリスト~テレビのうた~」その3:童心に帰ろう バラエティ夏ソング5選

 日本でテレビ放送が開始してからおよそ70年。ドラマ主題歌やCMソングなど、テレビによって国民に周知された楽曲は無数にあります。昭和から令和まで、テレビを通して愛された楽曲について、平成3年生まれのシンガー・ソングライターの町あかりが独自の目線で語る連載です。

 子どもたちの夏休みもそろそろラストスパート。大人の皆さんは、子どもの頃どんな夏休みを過ごしましたか? 「宿題やらなきゃなぁ」と思いつつ、居間で麦茶を飲みながらテレビのバラエティー番組にくぎ付けになっていた方も多いかもしれません。余計な悩みなんてなかったあの頃…、これを機に思い出してみませんか?

 第3回は「童心に帰ろう バラエティー夏ソング5選」と題して、バラエティー番組がきっかけで生まれた名曲を集めて、夏にぴったりのプレイリストを作ってみました!

 まず1曲目は、ポケットビスケッツ「POWER」(1998年)。「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ系)の企画として178万を超える署名を集めた後に発売された大ヒット曲。パッパラー河合プロデュースの下、「YELLOW YELLOW HAPPY」「Red Angel」などヒット曲を数多く出したポケビですが、私はこの曲が一番好き! イントロを聴くだけで叫びたくなるほどドキドキ…。そして、千秋ちゃんのこびないハイトーンボイスにシビれます。2020年に「千秋の歌YouTube」チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UC2BWLmYnqL_kkiAEp93UWkg)で本人の歌唱動画がアップされたことも話題に。20年以上経っても歌詞の通り「声の限り歌うって誓うよ」を実行してくれていて、胸が熱くなります。

 次は、有吉弘行がかつて組んでいたお笑いコンビ・猿岩石のデビューシングル「白い雲のように」(96年)。「進め!電波少年」(日本テレビ系)のユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画がきっかけで生まれた楽曲。作詞は藤井フミヤ、作曲は藤井尚之。番組自体もかなりの人気だったと思いますが、この楽曲が持つ雲のような大らかさが視聴者以外の心にも届き、ミリオンセラーにつながったのだと思います。シンプルな中にもしっかりと「無常」というメッセージが描かれているような、壮大な詞のテーマとメロディー。困難な企画を乗り越えた2人が歌うからこその説得力があります。その飾らない歌声も聴く人の心を優しくマッサージしてくれるよう。特にこの前年は大きな震災やテロ事件が続き、不安を抱えた人々の大きな癒やしとなったことでしょう。時代を超えて愛される名曲です。

 続いては、おニャン子クラブ「真赤な自転車」(85年)。こちらは「夕やけニャンニャン」(フジテレビほか)から誕生したアイドルグループ・おニャン子クラブによる初のアルバム「KICK OFF」の収録曲。シングル曲ではありませんが、番組内でも多く歌われたようで、思い出深いリアルタイム世代の方も多いかもしれません。オールディーズ風のポップなアレンジに、少女漫画のような甘酸っぱい青春ストーリー。しかし、いつの時代の学生が聴いても共感できる、時代を超えたキュートな魅力があります。今や音楽配信サービスで気軽に聴けますが、この曲は一手間かけて砂浜にカセットデッキを持っていって聴いてみたい! 80年代の夏を擬似体験するのにもぴったりなサマーチューンです。

 4曲目はザ・ドリフターズ「チョットだけョ!全員集合」(73年)。“エンヤーコラヤット ドッコイジャンジャンコーラヤ♪”と聴けば、リアルタイム世代はお分かりのことでしょう。「8時だョ!全員集合」(TBS系)のオープニングテーマとして起用され、実際は生放送時間の関係上かなり速いテンポで歌われていたようです。北海道民謡「北海盆唄」という盆踊りソングの替え歌。つまり「全員集合」は年がら年中、夏祭り状態だったわけですね。そういえば当時の映像を見るとドリフのメンバーも一年中お祭りの装い。なるほど、子どもたちがあれほどドリフに熱狂した理由の一つかも。ここ数年は盆踊り大会に足を運べていない方も多いでしょうから、自室でこの曲を流して、おなじみの振り付けをしながらお祭り気分を味わってみるのもいいですね。

 最後は、EPOによるシュガーベイブのカバー「DOWN TOWN」(80年)。「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系)のエンディングテーマ。視聴者のメインターゲットは小さな子どもではなく高校生、大学生だったそう。アドリブやパロディーも多く、シュールで勢いを重視したお笑い番組として人気を博した一方、こんなにおしゃれで爽やかな曲をエンディングテーマに起用するというギャップに、当時の新世代のセンスが感じられてグッときます。熱帯夜の蒸し暑さを吹き飛ばす清涼感のある世界的名曲です。

 いかがでしたでしょうか? 今回のプレイリスト(Spotify)はこちらから!
>>https://open.spotify.com/playlist/75YYfLqPw9gMJbXDaTSaec

町あかりのプレイリスト #3「童心に帰ろう バラエティ夏ソング5選」Spotify

 「楽しい夏休みの1日」というイメージで、朝から夜への時間経過を感じられるような選曲、曲順にしました。汗をたっぷりかいて帰り、畳に寝転がりウトウトしていると気付けば夜に。すると隣の部屋のテレビから流れてくるこれらの名曲たち。自然と心が弾みます。明日は友達とプールに行こうかな…。そんな子どもの楽しい夏休みに憧れますが、でも大人だってワクワクを求めていいのです! 忙しさに追われるばかりで、ちゃんと息抜きできているでしょうか? あらためて過去を振り返ることで、今の自分が見えてくるもの。思い出の曲を聴きながら、ぜひ残りの夏を楽しみましょう!

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