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神尾楓珠×池田エライザ「左ききのエレン」インタビュー 凡才と天才を演じる2人の共通点は“内弁慶”と“引きこもり”!?

「めちゃくちゃ共感できる、『アツい』青春群像劇です」

 監督を務める後藤庸介氏は、こう表現した。

 10月20日からMBSでスタートするドラマ「左ききのエレン」(MBS/TBSドラマイズム)は、理不尽で容赦ない現代社会で、“何者か”になることを夢見ながら大手広告代理店で働くデザイナーと、天才ゆえの苦悩と孤独を抱えながらニューヨークで活動する画家という2人の若者を中心に、「本当の自分」を見つけるまでをリアルに描き出す青春群像劇である。

 デザイナーの朝倉光一役は神尾楓珠さん。ここ1年で最も知名度を高めた俳優の一人と言っても過言ではないほどの活躍ぶりで、ドラマ「恋のツキ」(テレビ東京ほか)、「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、「都立水商!~令和~」(MBS/TBSドラマイズム)や、映画「うちの執事が言うことには」、「HiGH&LOW」シリーズの最新作への出演など、多数の話題作に出演し存在感を発揮している。

 一方、天才画家の山岸エレン役を務めるのは池田エライザさん。女優やモデル、そして音楽番組の司会としても活躍しながら、さらに今年、もう一つの新しい顔も見せる。映画監督だ。2020年の夏に公開予定の映画「夏、至るころ」で初監督に挑戦。何か発表があるたび、作品を見るたびに、その多彩さに驚かされる。

 そんな2人によって描かれる「左ききのエレン」。まだクランクインから数日、さらに共演するシーンの撮影を迎えておらず「まだあんまりしゃべってないんです(笑)」(池田)というタイミングで、今後の作品に込める思いや、まだ打ち解ける前の互いの印象を聞いた。

■「『ジャンプ』作品の実写化に出るのが夢だったんです」(神尾)

──ダブル主演を務めるお二人は、本作が初共演ですね。

池田 「まだあんまりしゃべってないんです(笑)」

神尾 「同じシーンがあんまりないんですよ。僕は、(池田さんと共演と聞いて)めっちゃ緊張しました(笑)」

池田 「なんですかそれ~(笑)。怖い女優みたいじゃないですか(笑)」

神尾 「嫌われちゃいそうだなって思って(笑)」

池田 「私は、神尾さんが演じる光一も神尾さん自身も、結構飄々として見えるんですけど、お芝居を見ていると『素直に受けてくれるなぁ』って思う瞬間があって。共演する身としては、ありがたいなぁと思います」

神尾 「(池田さんが)エレンとしてどしっと構えてくれているから、受けることができるのかなと思います。池田さんとエレンは、まとっている空気感や存在感が一致しているなと感じます。光一も、エレンの前に行くとちょっと物怖じするんですよ。物怖じしながらも頑張って思っていることをぶつけるんですけど、やっぱりどこか物怖じしちゃいますね」

池田 「私は神尾さんがどういう性格の方なのかを知らなかったので、お会いするのが楽しみでした。人の見た目で『この人ってこういう人だよね』って思いつけるタイプじゃないので、どういう方なんだろうと思って。お芝居を見たら『すごい、光一だ!』って。お顔立ちが、何を考えているか分からないじゃないですか。やる気がなさそうに見えると言いますか。でも、“目力世界遺産”でしたっけ?」

神尾 「ばかにしてる?(笑)。別にそれ、言わなくていいじゃん!(笑)」

池田 「ふふふ(笑)。そのアンニュイなお顔立ちと、光一として熱くなっていることの掛け合わせが、すごくすてきだなと思って。いわゆる“熱血くん!”みたいな顔立ちの人が頑張るよりも、あんな人もこんな人も、こうやって奮闘しているかもしれないって思わせてくれる、そんな厚みが出るなってすごく思いました」

──お二人とも原作を読んでいたとのことですが、出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

神尾 「僕は『(少年)ジャンプ』(集英社)が好きで、『ジャンプ』作品の実写化に出るのが夢だったんです。『左ききのエレン』は少し毛色の違う作品だと思うんですけど、『夢がかなった』という感覚でした。世間的なイメージでは、僕はそんなに『頑張るぞ!』って張り切るタイプには見られないんです。だから『僕がキャスティングしてもらえるんだ!』って。びっくりしました」

──「頑張るぞ!」と一生懸命になるタイプに見られることは少ないけれど、実際は努力家なタイプだと。

神尾 「そうです、そうです(笑)」

一同 「(笑)」

神尾 「そんなに悩まないタイプで、あまり苦悩することがないので。悩みながらも、そこで腐らずに前に進もうとすることができる光一はかっこいいなって思います。エネルギーがあるじゃないですか。エネルギーがある人に、僕はなりたかったんですよ。……なれなかったんですけど(笑)」

──池田さんは、出演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

池田 「かっぴーさんの漫画を以前から読んでいたんですけど、『左ききのエレン』という作品が始まった時に、『私と同じ、左ききだ!』『私と名前も似てる!』って親近感が湧いたんです。もし実写化をするならエレン役をやりたいなって思っていたんですけど、連載が始まった頃は今よりもまだまだ自信がなかったので、『演じることができるか分からないけど、でもやりたい』って思っていました。やりがいのある役ですし、読み進めていくにつれて『ほかの左ききの人がやったら、本当に悔しいだろうな』と思って。なので、演じることができると決まってうれしかったです」

──最初にエレン役をやりたいと思った頃と比べると、今は自信が持てていますか?

池田 「自信はたぶん、一生つかないと思います。たぶん、年齢を重ねていけば重ねていくほど、エレンのことを理解していけるとは思うんです。でも、今だからこそ敏感に演じることができているので、今この役を演じることができて幸せだなって。もしほかの女優さんがエレン役だったら、私は絶対見ないです(笑)」

■「やり続けることができるというのは、一つの才能なのかな」(池田)

──ご自身の「天才」だと思うところはありますか?

神尾 「(即答で)うそをつくのがうまいです」

一同 「(笑)」

池田 「『オーラが見える』とか言うんです! しかも『本当だ!』『この色のオーラ、私だ!』って、みんな信じちゃって!」

神尾 「真顔でうそをつくから、信じられやすいんです。心の中では笑ってるんですよ。冗談で言ってるつもりなんですけど、表情に出てないんですよね」

池田 「でもうまくいったらにやにやしてますけどね(笑)。ちょっと(表情に)出ちゃってる(笑)。でも、私には物怖じして言ってこないんです」

神尾 「嫌われるんだろうなって…(笑)」

池田 「話しかけてもらえないんです(笑)」

──池田さんは、「天才」だと思うところはありますか?

池田 「集中力はすごく高いのかも。楽器にしろ、絵にしろ、歌にしろ、本にしろ、丸一日没頭できちゃいます。いろいろな方から『音楽の面で才能がある』とおっしゃっていただける機会があるんですけど、親がシンガーだったので、教えてもらえる時間が長かったからだと思うんです。8時間レコーディングして、聞き返して…っていうのを1日中繰り返していて。やり続けることができるというのは、一つの才能なのかなとは思います」

神尾 「(池田さんが)いろんなことに挑戦するのがすごいなって思っていました。僕は冒険心がないんですよ」

──神尾さんが「冒険心がない」というのが意外でした。

神尾 「ないですね…。いつも同じものを注文したり」

池田 「それは一緒だよ」

神尾 「一緒?(笑)。あんまり入ったことないお店に入れないとか」

池田 「一緒だよ(笑)」

──共通点がありましたね(笑)。

池田 「ちょっとコミュ障というか、人見知りですよね」

神尾 「そんなことないですよ。でも、しゃべれる人の幅は狭いと思います」

池田 「内弁慶だからね」

神尾 「そうそう(笑)。めっちゃ内弁慶なんですよ」

池田 「私もなんです(笑)。外ではぴしっとしてるんですけど、知ってる人の前では『ワー!』ってなっちゃう。でも引きこもりではない?」

神尾 「(即答で)引きこもり」

池田 「一緒だ~」

神尾 「ちょっと親近感が湧きました(笑)」

──最後に、ドラマに込める思いをお聞かせください。

池田 「光一とエレンだけでなく、登場人物の一人一人の誰かが、見てくださる方にとって必ず寄り添ってくれる存在になっていると思います。原作ももちろんそうですがドラマも、主人公だけじゃなくそこに関わる人たち全員の心情が丁寧に描かれています。『天才になれなかった全ての人へ』というキャッチコピーがついていますが、自分を天才だと自負している方も、そうでない方も、どんな方にも最後までちゃんと見ていただきたいです」

神尾 「普段、人が心の中に抱えているものとか、目を逸らしているものを突き付けてくるシーンもあって。苦しいシーンもあるかもしれませんが、自分を見つめ直すきっかけとなるドラマになればいいなと思います」


【プロフィール】 
神尾楓珠(かみお ふうじゅ)
1999年1月21日生まれ。東京都出身。みずがめ座。O型。2015年、24時間テレビドラマスペシャル「母さん、俺は大丈夫」(日本テレビ系)で俳優としてデビュー。主な出演作は、映画「うちの執事が言うことには」「HiGH&LOW THE WORST」、ドラマ「恋のツキ」(テレビ東京ほか)、「こんな未来は聞いてない!!」(フジテレビほか)、「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、「都立水商!~令和~」(TBSほか)、YouTube連続ドラマ「主人公」など。舞台「里見八犬伝」が上演中。20年には映画「転がるビー玉」が公開予定。
池田エライザ(いけだ えらいざ)
1996年4月16日生まれ。福岡県出身。おひつじ座。B型。2009年、雑誌「ニコラ」(新潮社)の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、デビュー。主な出演作は、映画「一礼して、キス」「ルームロンダリング」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「億男」「貞子」、ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」「伊藤くん A to E」「賭ケグルイ season2」(すべてTBSほか)など。音楽番組「The Covers」(NHK BSプレミアム)ではリリー・フランキーと共に司会を務める。20年公開予定の映画「夏、至るころ」で映画監督に初挑戦。
【番組情報】 
「左ききのエレン」
10月20日スタート 
MBS 日曜 深夜0:50~1:20(初回は深夜1:15~1:45) 
10月22日スタート 
TBS 火曜 深夜1:28~1:58 
※放送時間は変更の場合あり 

<配信情報>U-NEXTで10月22日深夜2:00から独占配信。TVer、MBS動画イズムで見逃し配信予定。

取材・文・撮影/宮下毬菜(TBS・MBS担当) 撮影/蓮尾美智子





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