Feature 特集

「おかえりモネ」で気象予報士を演じる西島秀俊。安達奈緒子の脚本は「言葉が繊細で優しい」2021/07/31

「おかえりモネ」で気象予報士を演じる西島秀俊。安達奈緒子の脚本は「言葉が繊細で優しい」

 現在放送中の連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合ほか)。第11週(7月26日~30日放送)、永浦百音(清原果耶)は局地的な大雨の影響で天気予報の難しさを痛感。朝岡覚(西島秀俊)や神野マリアンナ莉子(今田美桜)は力んでしまった百音を心配しましたが、東京で偶然再会した菅波光太朗(坂口健太郎)のアドバイスにより元気を取り戻しました。

 今回は、百音に気象の魅力を伝え、東京編からは上司となった朝岡を演じる西島さんに、朝岡の人物像や気象予報士の仕事内容などを語っていただきました。

――西島さん演じる朝岡にはすてきなセリフがたくさんありますが、どのように役づくりをされているのでしょうか?

「朝岡は人が抱えている心の傷に対して、敏感に感じ取る能力を持っている人物です。朝岡自身も過去に心の傷を負っていて、何かを感じて寄り添う力のある人なのでは…と思って役をつくっています。東京編では後輩との関係性がたくさん描かれますが、彼らのいいところを見抜いて伸ばしたり、つらい思いや悩みをくみ取って寄り添ったり…そういう人物なんですよね」

――登米では、モネ(百音)と見た北上川の移流霧のシーンが印象的でした。

「モネの傷を言葉として聞かなくても深く感じ取り、共感して言葉を掛ける、そういう役だと思って演じていました。実際に風景を見ながら撮影しましたが、会話の“間”や声の大きさなどの制約が一切なく『いくらでも間を取っていいので、とにかく思うがままに自由に演じてください』という演出でした」

「おかえりモネ」で気象予報士を演じる西島秀俊。安達奈緒子の脚本は「言葉が繊細で優しい」

――安達奈緒子さんの脚本はいかがですか?

「安達さんが描かれる脚本の世界は、決して平和ではなく厳しいんですよね。でもそこには悪意を持った人はいなくて、それぞれが善意を持って生きているけど、うまくいかなかったり、すれ違ったり、ぶつかったりすることがある…。コミュニケーションを取っていくことで前進して、厳しい世界から自分たちの温かい世界を守り続けているような脚本だと思います。なので言葉が繊細で優しいですよね」

――繊細だからこそ、気を付けている部分はありますか?

「不用意にセリフを変えると、絶対につじつまが合わなくなるんですよ。現場でセリフを変えようとした時に『実はこの後のセリフが肝なので、ここで変えちゃうと駄目なんですよね』となったことがあって。“あの時の、あの会話がここにつながってくるんだ!”とだいぶたってから気付くこともあります。そういう意味でも丁寧に深く脚本を書かれている方なので非常に信頼しています」

――今回、気象予報士を演じていて、新たな発見がありましたら教えてください。

「僕たちがイメージする気象予報士は天気予報を通して伝えることが仕事だと思っていましたが、実は知らないうちに生活と密着していたことに気付きました。スポーツ気象は試合会場の風向きによって作戦を練ったり、気象情報がスーパーの品出しに関係していたり、高速道路の通行止めを決めていたり…。いろいろ勉強させていただくと、自分が思っていた以上に生活に影響していることを感じています」

――“スポーツ気象”という言葉が出ましたが、第12週から車いすマラソン選手の鮫島祐希(菅原小春)が登場します。

「朝岡は個人的なリベンジから、後輩たちを巻き込んでスポーツ気象にのめり込んでいきます。気象情報を伝えることは喜びを獲得できるいい方法ですし、生活や健康、経済などを守るという点においても、朝岡は気象のことをもっと広めたいと思っているんですよね。今まで以上に重要なものになっていくのではないかなと思っています」

――登米と東京では、モネに対する接し方は変わってくるのでしょうか?

「登米では、気象に興味を持ってもらいたい、気象の素晴らしさを伝えたいという点がありました。でも、モネは東京に来ると突然気象ビジネスの最前線に放り込まれるので、接し方も仕事の関係性になっていくと思います。ウェザーエキスパーツは若手にもアイデアを求める会社なので、朝岡はモネや他の後輩たちに対して、どうやったら気象が仕事として成立するのか求めていくキャラクターになります」

――東京編は後輩とのシーンが増えますが、撮影現場の雰囲気はいかがですか?

「若手みんなが楽しそうにしていて、毎日いいな…と思っています。演技もいいんですよね。あるシーンで、監督から紙を渡してほしいと言われたんですが、どのタイミングで渡そうか迷って、清水(尋也)くんに聞いたんですよ。そしたら『このタイミングじゃないですか!』と言ってくれたので『それだ! 正解だね。ありがとう』と、僕の演技プランの相談もできて、頼りになります。楽しいシーンも悩んでいるシーンも、本当にみんなすてきです」

「おかえりモネ」で気象予報士を演じる西島秀俊。安達奈緒子の脚本は「言葉が繊細で優しい」

――ドラマスタート当初の「あさイチ」(NHK総合)では、博多大吉さんの「潜入捜査中かしら…」というコメントに対して、博多華丸さんの知人を介して否定していらっしゃいましたね。「あさイチ」はどのようにご覧になっていますか?

「ドラマの放送と『あさイチ』はセットで見ています。あのお話が出た時は『潜入捜査官じゃないですよ』ということを伝えたかったんですが、まさか番組で言われると思わなくて…。仲のいい友人がいたので冗談で『伝えておいて』と言ったら、番組を介したコミュニケーションみたいになってしまいました(笑)。あまり言わない方がいいのかな…」

――とても盛り上がっていて面白かったですよ。

「ではまた機会があれば、友人を介して…。直接連絡先を交換すればいいんですよね(笑)」

――最後に、東京編の見どころをお願いします。

「東京編では、気象に関するアイデアや新しい発想、モネが気象の面白さにのめり込む姿が登場します。彼女が今まで発揮していなかった本当の才能が開花するので、朝岡はモネや他の後輩たちに『全部任せました!』という感じになっていきます。みんなそれぞれが頼りになるメンバーですし、東京でのモネはどんどん進化していくので、ぜひ楽しみにしていただきたいなと思います」

――ありがとうございました。

第12週あらすじ(8月2日~6日放送)

「おかえりモネ」で気象予報士を演じる西島秀俊。安達奈緒子の脚本は「言葉が繊細で優しい」

 東北の太平洋側から台風が上陸しそうという情報が! 台風に不慣れな地域での大きな被害を心配したJテレ気象班に緊張が走ります。百音(清原)は、永浦龍己(藤竜也)や新田サヤカ(夏木マリ)など宮城の人たちに台風の対策を伝達。ある日、車いすマラソン選手の鮫島(菅原)が朝岡(西島)を訪ねてきて、百音もスポーツ気象という新しい仕事に携わります。

【番組情報】

連続テレビ小説「おかえりモネ」
NHK総合 月~土曜 午前8:00~8:15ほか
NHK BSプレミアム・BS4K 月~土曜 午前7:30~7:45ほか
※土曜は一週間の振り返り。

NHK担当 M・I



この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.