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ラランド・サーヤ、「テレビに相方と2人で呼ばれるのが一番の目標」――ピンで3回目の出演「プレバト!!」ロングインタビュー2021/07/21

 俳句や水彩画、消しゴムはんこ、色鉛筆、バナナアートなど、有名人がテーマに沿って作品を制作し、専門家がその才能を査定するバラエティー「プレバト!!」(MBS/TBS)。7月22日放送の3時間スペシャルでは、「俳句」「スプレーアート」「古着リメイク」の3企画が登場です。

 今回「古着リメイクの才能ランキング」に挑むラランド・サーヤさんは、2020年12月3日の放送で「プレバト!!」初登場。俳句と水彩画の査定に挑戦し、俳句では才能アリ1位、水彩画では一発特待生という高評価を獲得しました。2回目の出演となる21年1月14日の放送ではスプレーアートの査定に挑み、カラフルでポップなアートを披露。凡人5位という結果でしたが、スタジオでは「かわいい!」と絶賛の声が寄せられました。

 事務所に所属せずフリーで活動するスタイルや、芸人として活躍の幅を広げてもなお会社員として広告会社に勤務する「芸人兼会社員」という生き方を選んできたサーヤさん。今年3月には個人事務所・株式会社レモンジャムを設立し、サーヤさんが社長に就任したことも大きな話題となりました。激動の日々を見詰め、「1年前はテレビに出ることも全然なかったので…。もう追いつけないくらい、今は全然違う環境にいます」と語ります。芸人、会社員、社長、歌手…。さまざまな顔を見せるサーヤさんに、「今、考えていること」をお聞きしました。

「プレバト!!」3回目の出演で、初の古着リメイクに挑戦

――収録お疲れさまでした。「プレバト!!」には3回目の出演ですね。古着リメイクという初めての査定に挑戦されましたが、いかがでしたか?

「ずっとリメイクに出たいなと思っていたんです。水彩画も好きなんですけど、すごく神経を使うので、結構大変で(笑)。古着のリメイクは趣味に近いので、企画に参加させてもらえてうれしかったです。今回でいろいろ勉強できたので、次はもっといい作品ができるんじゃないかなって思ってます」

――作品を制作するにあたって、何か準備はされましたか?

「オファーをいただいた時、すごくチャイナ服への熱があったんです。どのお店に行ってもチャイナカラーの服があるのを見て、自分も作りたいなって。プレゼントする相手が、ラランドでやっているラジオのプロデューサーの娘さんだったので、品がありつつ、カジュアルな場面でも着れるものを作りました!」

――過去に同じ企画で、サーヤさんが仲良くされている3時のヒロインの福田麻貴さんが出演されました。

「(福田さん)最下位でしたね…(苦笑)。福田さんは何をしても許してくれるので、心強いです(笑)。福田さんと(Aマッソの)加納(愛子)さんは、私のお姉ちゃんって感じです」

今は“歯”に夢中!?

――「プレバト!!」初登場の回では、サーヤさんは俳句と水彩画の査定に挑戦されました。水彩画は一発特待生という素晴らしい結果を残しましたね(現在、水彩画査定で特待生5級)。

「そうでしたね! すごいなーーー!!」

――(笑)。本当に輝かしい記録だと思います。サーヤさんは学生時代、美術部だったとお聞きしました。どんな作品を作っていたのですか?

「中学1年生から高校3年生までの6年間、ずっと美術部でした。家にはおばあちゃんが亡くなる前に描いていた油絵がたくさん置いてあったこともあって、小さい頃から絵を描くのは好きだったんです。それで自然と美術部に入って。水彩、アクリル、油絵、立体作品と、一通り作りましたね。最近は立体作品をいろいろ作ってみたいなと思っています」

――立体作品! 例えばどのようなものがあるのですか?

「番組の企画で、四千頭身の都築(拓紀)くんの歯型を取って、歯のアクセサリーを作ったんですよ。都築くんの前歯の形のイヤリングとかネックレスを作ったんですけど、それがめっちゃ楽しくて! 今は、いろんな芸能人の歯型を取って、それで作品を作ってみたいなって思ってます(笑)。“歯クセサリー”って呼んでるんですけど、その個展をいつかしたいなって」

――新しいですね! すごく個性が出そうです。

「歯って一人一人違うから、オンリーワンなんです。たぶん数年後にはかみ合わせも変わってるから、その瞬間を切り取ることになるんですよ。それって人生そのものだなって! 最近、歯にすごく魅力を感じてるんです。私も親知らずが生えてきてて、下の歯がガタってなってきてるんで、今のうちに(歯型を)取っておこうかなって思ってます。(親知らずを)抜いちゃう前に(笑)。自分の歯の形を残すのもいいなーって。アート系でいうと、今は歯に夢中ですね。絵の個展になると、やっぱり上手な人ってたくさんいて、勝てないので。発想力というか、やったもん勝ちなんじゃないかなって思ってます」

「ニシダにはもっと嫌な部分がまだまだあるので、早くみんなで面白がれたらいいなって」

――サーヤさんは絵やアクセサリーの制作のほかにも、ファッションや美容にまつわるお仕事もされていますよね。そして今年5月には川谷絵音さんのソロプロジェクト「美的計画」で歌手デビューを果たすなど、今後さらにさまざまな分野で活躍していく方なのだろうなと思わされます。芸人としての活動を軸としながら活躍の幅を広げていくことについて、ご自身としてはいかがですか?

「元々好きだったものが、最近ちょっとずつ枝分かれしているなって思うんです。小さい頃に子役をしていたので、演技のお仕事もですし、小さい頃から好きだったアートも、歌も、そしてお笑いも。ずっと好きだったものに、今お仕事として携われているのが不思議な感じです」

――個人的なことで恐縮なのですが、私がラランドさんを初めてちゃんと認識したのが「Music 水曜TheNIGHT」(ABEMA)にコンビで出演された時だったんです(20年10月21日放送)。

「えっ!?(笑)」

――その日が「エムナイ(Music 水曜TheNIGHT)」初登場で、前半は熱く語っていたニシダさんが、後半全く話さなくなって…。後半はサーヤさんがほぼ1人でトークや企画に参加しているのを見て、「どんなコンビなんだろう?」と思ったのを覚えています。

「本当ですか!? 『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『ネタパレ』(フジテレビ系)で知りました、はめちゃくちゃ言われるんですけど、『エムナイ』から知ってくれた人、初めてですよ! 出て良かった~!(笑)」

――それからまだ半年ほどしかたっていませんが、今では毎日のようにテレビやラジオをはじめとしたメディアで、ラランド、そしてサーヤさんをお見掛けするようになりました。目まぐるしい日々だと思いますが、環境の変化についてどう感じていますか?

「1年前はテレビに出ることも全然なかったので…。もう追いつけないくらい、今は全然違う環境にいます。それが全部コロナ禍以降のことなので……とにかく不思議な感じですね」

――自分自身も、今の状況に戸惑っているような部分も…?

「緊張する暇もない感じです。でも、逆にありがたいスピードかもしれないですね。戸惑いや不安を考える時間もないまま出番がくるというか…」

――「プレバト!!」も今回が3回目のご出演となりましたが、今はこんな見せ方をしたいとか、これからやっていきたいことなど、ご自身の中で固まってきた部分もあるのでしょうか。

「今は、ニシダと2人でいろいろやってみたいなっていうフェーズに入っているんです」

――サーヤさんピンではなく?

「はい。ピンのお仕事もすごく楽しいんですけど、あまりにも私ばっかりというより、ニシダと2人で出て、2人で話す時間もほしいなと思ってます。2人でロケに行ったりとか…。過酷なロケでもいいから、そういう番組を2人でやりたいなって。あっ、私、心霊はNGなんですけど(笑)」

――(笑)。そう考えるようになったきっかけはありますか?

「『ラランド・ツキの兎』(TBSラジオ)というラジオ番組をずっと2人でやってるんですけど、それがすごく楽しくて。その時の2人の素の感じが、早くテレビでも出せたら楽しそうだなって思うんです」

――まだ知られてない部分や、誤解されているなという思いがあったりするのでしょうか。

「ニシダのクズなキャラって、まだ氷山の一角しか出てないんですよ。ニシダはいろんなバリエーションのクズさを持っているので、そこをどんどん出したいです。まだ遅刻とか、借金しか出せてないと思うんですよ。それ以上の、もっと嫌な部分もまだまだあるので、早くみんなで面白がれたらいいなって」

――サーヤさんを見ていて、テレビに出ることを最優先に考えているというより、それこそYouTubeやSNSなども使って「自分で発信しちゃえ」という考えで活動されているのかなと感じる場面もあるのですが、「2人で出たい」というのは“テレビで”という思いが強いのでしょうか。

「そうですね。YouTubeは自分たちで企画を考えて、自分がこうしたいとか、尺とか企画をコントロールできるんですけど、ほかの人が考える場所、ほかの人がコントロールする時に、“2人で”(強調して)呼ばれるのが一番の目標です」

――ニシダさんは、サーヤさんとは意見は一致していますか…?

「言われるがままですね…(笑)。こないだ鞭(むち)を入れたところです。さすがに連休で、何もしてないのはヤバいぞって。毎日寝てばっかりで、IQOS(アイコス)吸って、彼女の飯食って…。それで私が一定数の給料をあげてるっていうのは、さすがになめ腐ってるんじゃないかって(笑)。それがきっかけで、とりあえず毎日Twitterにギャグを上げてるんです。ちょっとずつ、ニシダもテレビに出演できるように頑張ろうとしているところです(笑)」

――個人事務所となる「レモンジャム」を設立し、“大阪進出”も発表されました。それもあって、ニシダさんが心を入れ替えたということは…。

「彼には特に響いてないと思います(笑)。でも関西のメディアの方が、ニシダの面白さに注目してくれて、深掘りしてくれるなと感じます。それに、簡単にドン引きしたりしないじゃないですか。人間性を見て企画に落とし込んでくれたりするので、関西の方が彼も向いてるのかなって思います。関西で浸透してから東京に逆輸入した方が、ニシダに合ってるんじゃないかなと」

――劇場やローカル番組に出演することで先輩と関係性を作れるし、そうやって関西で地固めしてから東京進出ができるので、よしもとの芸人さんは強いという話を、よしもと以外のいろんな芸人さんからよく聞きますよね。

「超強いと思います、本当に。この前、ハライチの岩井(勇気)さんが考察してたんですけど、関西の芸人さんってコンビ間で全部完結させるくだりを持ってるから、司会の人が急に振っても、そこで笑いがちゃんと完結するんですよね。それって見やすいし、分かりやすいし、面白い。確かに東京だと、そういうくだりが少ないなと思って。関西では、そういう部分もどんどん勉強したいです。単独を大阪でやる予定だったのが、2回ともコロナで中止になっちゃって…。7月29日にリベンジするので、そこに向けてしっかりネタも磨いていきたいです」

ダウンタウンさんとの共演は「好きすぎて空回りしないように、エンジンをかけ直して」

――サーヤさんがお笑いに興味を持ったきっかけが「ダウンタウンのごっつええ感じ」(フジテレビ系)だと伺いました。「プレバト!!」をはじめ、実際にダウンタウンさんと共演されていますが、いかがですか?

「目の前にダウンタウンさんがいる時が、一番意味分かんないです。今もまだ、テレビ見てるみたいだなと思いますもん(笑)。でも、好きすぎて空回りしないように、いつもエンジンをかけ直してる感じはありますね。『ごっつ』に出てた人たちは今も憧れなので、ダウンタウンさんも東野(幸治)さんもYOUさんも、いまだにテンション上がります。楽屋貼り見て、『わー! YOUさんの楽屋じゃん!』とか思うし(笑)。だから変なテンションにならないように、とは思ってますね」

――今日の収録でも、浜田(雅功)さんにツッコまれていましたね。

「ダウンタウンさんにちょっとでも認知されているというのが、やっぱりうれしいですね。『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)に出た時なんか、(松本)人志さんがお酒を飲んでるところを見れたってだけでまずめちゃくちゃアガりましたよ。『うわ! 最高じゃん!!』って(笑)。今はこういうご時世だから、先輩方と飲むなんてもうできないじゃないですか。番組の打ち上げもない時期からテレビに出始めたので、本当に飲む機会がなくて。だからあの番組は最高でした」

――先輩に飲みに連れて行ってもらう機会は…。

「ないですね…。本当に、全くないです。なので地道に連絡先を聞いたりしながら、会話してもらったりとか(笑)。そんな感じなので、コロナが落ち着いて、そういうことができるようになったら楽しいだろうな~ってめちゃくちゃ思ってます。逆に行けないからこそ、酒に頼らずに距離を詰める方法を考えるきっかけにはなったかなって(笑)。楽屋とか、たまり(スタジオ収録における出演者の控えスペース)でどうしゃべるかを、今はいろいろ考えてやってますね」」

――収録中のやりとり以外で、ダウンタウンさんと言葉を交わしたことはありますか?

「『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)はたまりがあって、先に浜田さんが来てくださるので、ちょっとしゃべれることもありました。椅子に名前が貼ってあるんですよ、『浜田』って。『ここ座るんだ!』ってドキドキしました(笑)。最初にお会いしたのが『DX』だったんですけど、初対面の時から浜田さんは普通に話し掛けてくださったんです。『事務所どこなん?』『フリーです!』『うわー、今っぽいなぁ!』みたいな。ほかにもいろいろ聞いてくださって、夢みたいでした」

――ダウンタウンさんや東野さん、YOUさんとも共演を果たしたサーヤさんですが、今後共演したい方や、出たい番組はありますか?

「うーん…。本当に、会えてるんですよ。会いたかった方と。ダウンタウンさんに会えちゃったから、もうなんか1個クリアしたみたいな感覚で…」

――番組でというよりは、ネタをもっと頑張りたいという感じですか?

「そうですね。ネタはいっぱいやっていきたいです。コント番組にも出たいですし…」

――ネタといえば、「ABC」が…(取材の数日前、「第42回ABCお笑いグランプリ」の決勝進出者12組が発表。ラランドは惜しくも決勝進出を逃す結果となった)。

「もう~~~めっちゃ悔しくて!! なのにあいつはずっとスマブラやってるし…。ほんと死ねばいいのにって思いましたもん!!」

――(笑)。対極な2人ですよね。

「それがおもろいですよね、ニシダは。『いいなー、こいつラクだなー』って思って見てます。私みたいな性格だと、私と似た人といたらギスギスしたり、互いの意見をぶつけ合うことになりそうなので、逆に一方通行なのがいいのかもしれないですよね(笑)。ニシダは受け止めるだけなので(笑)」

――ニシダさんのあの性格が、ラランドがうまくいく秘訣(ひけつ)なんですね。

「ははは! ありがとうございます。真逆の人間だからいいんですかね(笑)」

【プロフィール】

サーヤ
1995年12月13日生まれ。東京都出身。O型。2014年、上智大学のお笑いサークルで相方・ニシダと「ラランド」を結成。事務所に所属せず、また広告会社に勤めながら芸人としても活動し、19年、「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)で初の準決勝に進出。20年も準決勝に進出し、注目を集める。21年3月、個人事務所・株式会社レモンジャムを設立し、社長に就任。同時に“大阪進出”として、大阪での活動を積極的に行っていくことを発表した。現在のレギュラー番組は、「トゲアリトゲナシトゲトゲ」(テレビ朝日ほか)、ラジオ「ラランド・ツキの兎」(TBSラジオ)、「ラランド・サーヤの虎視舌舌」(文化放送)、「ラランドの声溜めラジオ」(GERA放送局)など。7月29日、大阪・ABCホールにて「ラランド大阪単独ライブ『西西西#1』」を開催予定。

【番組情報】

「プレバト!!才能ランキング」
TBS系
7月22日 午後7:00~10:00

7月22日の放送は「俳句」「スプレーアート」「古着リメイク」の3企画でおくる3時間スペシャル。「俳句」は夏のタイトル戦「炎帝戦」を。今回の「炎帝戦」は、これまで「才能アリ」を獲得した出演者全員に参加資格があるという新ルール。「才能アリ」の獲得者はなんと総勢224人! 応募された句の中から夏井いつき先生が厳選し、優秀上位10人が出場となるが…。「スプレーアート」の査定には、Kis-My-Ft2・千賀健永、田中道子、千原ジュニア、辻元舞、松本妃代、光宗薫が挑戦。千葉県のとある市のシンボルとなるようなスプレーアートの制作に挑む。「古着リメイク」の査定では、小倉優子、ラランド・サーヤ、那須川天心、雛形あきこ、益若つばさの5人でランキング戦を競う。MCは浜田雅功、アシスタントは玉巻映美アナウンサー。

取材・文/宮下毬菜(TBS・MBS担当)

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