「MIU404」を手掛ける新井順子プロデューサーに聞く「#いま見てほしいテレビ」「今日もこの後リモート会議があるので“みんな元気〜？”ってやる予定です（笑）」＜特別編＞2020/05/27

　新型コロナウイルスによる外出自粛期間、テレビ番組を手掛ける方々はどのような番組を見て過ごしているのか？　また、収録やロケを見合わせたり、今までと違った形で番組作りに挑戦したりする中、今後放送する番組についてどのようなことを考えているのか？　「インターネットTVガイド」では、すてきな番組を生み出す制作陣の方々に思いをお聞きした連載「#いま見てほしいテレビ」を展開中。

　今回は、連載Vol.12（https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-94771/）には書き切れなかった、近日放送予定「MIU404」（TBS系）を手掛ける新井順子プロデューサーとのリモート取材の模様を特別編としてご紹介します。

――「いま見てほしいテレビ」として、ドラマ「愛はどうだ」（TBS系）をご紹介してくださいましたが、ほかにはどんな作品を見られますか？

「実は警察とか、刑事ものが大好きなんです。『相棒』（テレビ朝日系）とか、『密着警察24時』（TBS系）とかもよく見ます。自分でも刑事ドラマをやりたい気持ちは以前からあったのですが、なかなか企画書が通らなくて…（笑）。よく考えてみると、もともとTBSって刑事ドラマ作品が少ないんですよね。『アンナチュラル』（TBS系）は事件ものではありましたが、「MIU404」で初めて警察ドラマが手掛けることできるのでうれしいです。

――「アンナチュラル」といえば、先日あらためて第1話を拝見したら、新型コロナウイルスの感染拡大に通じるようなテーマになっていて驚きました。

「そうなんです。作中ではコロナウイルスではありませんでしたが、PCR検査とか、スーパースプレッダーとか、SNSで批判されるとか。今まさに世界で起こっていることなので自分でもびっくりしています。今あらためて『アンナチュラル』第1話を見ていただきたいと思います」

――早く収束することを祈るばかりですね…。大変な状況ですが、現場の皆さんとはどのようにコミュニケーションを取られていますか？

「まさに、このビデオ通話です。今日もこの後、リモート会議があるので『みんな元気〜？』ってやる予定です（笑）。自粛期間に入ってからは、2回ほど美術打ち合わせをやりましたね。45人くらいで」

――45人！　だいぶ大人数ですが、どんな感じの打ち合わせになるんですか？

「だいたい会議が始まる5分前くらいから、続々と通話に参加し始めて、入ってくるなりみんな『どう？　元気？　何してる？』みたいな感じで始まります。お酒を飲まないオンライン飲み会みたいになってますね。ビデオ通話では一度に表示できる人数が限られてくるので、45人もいると話している人の画面だけポンッて出てくるようになります。少人数での会議なら全員マイクをオンにしていてもいいのですが、さすがに45人もいるとハウリングしてしまうので、発言する人だけオンにする方式でやっています」

――大変な部分もあるとは思いますが、楽しそうな雰囲気が伝わります。

「そうですね。基本は監督がお話していて、『○○さん？』って呼びかけるんですけど、みんなマイクをオンにするまでにちょっと時間が掛かるんですよ。でも、監督はせっかちだから、すぐに『〇〇さん？　いるの？　いないの？』って急かすんです（笑）。みんなマイクオフだけど、笑っている顔が見れて。それだけでも心が和みます」

――早押しクイズみたいで面白そうですね（笑）。ほかにはどんなコミュニケーションを取られていますか？

「AP（アシスタントプロデューサー）チームとは、基本毎日連絡をとっていますね。検温チェックしたり、スタッフ・キャスト全員の体調を毎日管理してくれているので、とても大変だと思います」

――スタッフ全員分！　それは大変ですね。でも、今の状況では毎日連絡を取り合う人たちがいるだけでも精神面で救われそうです。

「あれだけ毎日会ってた人と離れると、ちょっとしたことで電話が掛かってきただけなのに15分くらいしゃべっちゃうんですよね。こんなに話すことあったかしら？ってくらい（笑）。実は、ビデオ通話も最初は顔を出さずに行っていたんです。でも、監督が『ちょっと寂しいよね？　みんな顔出さない？』って提案してくださって、それからはみんなビデオオンです。自粛期間が始まってから1カ月くらい経って、みんなどんな顔してるんだろうって思っていた頃だったのですが、ひげを伸ばしていて別人になっているような人もいました（笑）」

――リモート状況下でもすごく楽しそうな現場ですね！　これはますますスタートが待ちきれません。今日はありがとうございました。

「ありがとうございました」