「辰之助とは真逆の人物だと思います」――「恋する警護24時」でキーパーソン・漆原を演じる溝端淳平が、その魅力を語る2024/02/17
テレビ朝日系にて放送中のドラマ「恋する警護24時」。「ナースのお仕事」シリーズ(フジテレビ系)や「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)など多くの作品を生み出してきた金子ありささんが脚本を手掛ける本作は、ボディーガードの主人公・北沢辰之助(岩本照)が弁護士・岸村里夏(白石麻衣)を24時間警護することになり、反目しながらも全力で守っていく考察系アクション・ラブコメディーです。
物語が進むにつれて、辰之助と里夏の距離が縮まっていく中、里夏のクライアントである漆原透吾(溝端淳平)、さらに辰之助の元カノ・津田結子(吉谷彩子)も絡み合う恋模様の行方も気になるところ。今回、本作のキーパーソン・漆原を演じる溝端さんに話を聞くと、劇中では恋のライバルとして火花を散らす辰之助に対し、「岩本くんにも通ずるところがあると思う」と言葉を紡ぎます。
――作品も折り返しに入りました。脚本にはどんなことを感じていますか?
「すごくポップでラブコメ要素もふんだんに織り込まれていて、細かいところでの伏線だったり、物語の作り込みもすごく微細に考えられているので、僕たちも一度読んで、また読み直して、金子さんの意図をくみ取りながら具現化していかなければいけないなと思います。読むのは楽しいのですが、こちらもいい意味でプレッシャーを感じながら演じています。話が進むにつれてサスペンス要素も少しずつ出てくるので、そのあたりも考えながら、最後に物語がどう着地していくんだろうという楽しみもありますね」
――昨年出演されていた「何曜日に生まれたの」(テレビ朝日系)とは、また違ったサスペンス要素のある作品なのかなとも思います。
「そうだと思います。あの時は野島伸司さん、今回は金子ありささんと、自分がこの仕事を始める前から見ていた作品、好きだった作品の脚本家の方々とこうやってお仕事ができることは非常に光栄だと思います」
――今回演じられている漆原透吾について感じていることを教えてください。
「話が進むにつれて、漆原についても少しずつ分かってくるところもあると思うのですが、とても温和で柔らかい役だと思いますね。でも、それでいてどこか隙がなさそうにも見える。そういう意味では辰之助とは真逆の人物だと思います。スマートでソフトな雰囲気を持ちながらも、女性に対してはストレートにアピールをしてモーションをかけられる、ちょっと大人な男性なのかなと思いますね」
――漆原は社長という立場でもありますが、社長役は初挑戦となりますね。
「確かに社長役は初めてだと思います。でも、漆原は社会派ドラマやちょっと骨太なドラマの社長らしい社長というより、どちらかというと現場に立って、農家や漁家の方々から食べ物を仕入れて、新しい食の形を見いだしていくタイプの社長なので、そういう意味では“社長らしくない社長”だと思うんです。会社も若い人たちが多いので、立場や役職という部分はあまり意識せず、農家や漁家の方々と同じ目線を持って、地球環境のこと、これからの食のあり方を考えながら行動している。まさに次世代のリーダーのような役だと思います」
――ちなみに、私生活で食事を気にかけられていることはありますか?
「職業柄、健康のことを考えて『なるべくこういうものを毎日食べよう』と心掛けているところはあって、自分なりにも『これが一番おいしい食べ方だ!』というこだわりはあります。すごく品質はいいのに売り出し方に悩んでらっしゃる農家や漁家の方と手を組んで、新しいものを作って売り出していく漆原の仕事のスタイルは、役とは関係なく、僕も興味を持てる業種だと思いました」
――撮影を通して新しい発見もありそうですね。
「実際に劇中で出てくる写真があるのですが、あれは本当に千葉の三浦海岸まで行って写真を撮ったんです。実際に農家の方々がいるところまで行って、触れ合っているところは映像には残っていないのですが、劇中では一瞬しか映らない写真からも役作りのヒントを得ることができています」
――“食”をきっかけに、漆原は里夏へ積極的にアプローチしていますが、演じる白石さんとは初共演になりますね。白石さんにはどんな印象を持たれていましたか?
「とてもすてきでかわいらしいイメージだったのですが、お会いしてみると非常に心(しん)があって、すごく頼もしい方だなと思いますね。普段はとても明るくて人当たりもよく優しい方で、お芝居に対する姿勢や現場でのたたずまいもしっかりとしていらっしゃる。そういう意味で、親しみやすさのある女優さんだと思います」
――とても気さくな方なんですね。
「ご本人は『人見知りで…』とおっしゃっていたのですが、気さくな方だから周りを明るくしてくださると思うんです。現場で話している時の反応やリアクションからは、こちらもエネルギーをもらえています」
――そんな里夏を巡る、岩本さん演じる辰之助との関係も見どころとなっていますが、岩本さんの印象についても教えてください。
「辰之助の無骨でちょっとぶっきらぼうなところは、いい意味で岩本くんにも通ずるところがあると思うんです。とてもチャーミングに見えるのですが、彼自身は本当に真っすぐで、熱くて、いい意味でちょっと不器用なところは、そのまま“北沢辰之助”というキャラクターに表れているのかなと思いますね。役としてのたたずまいや圧はあるのですが、岩本くんの人柄を知っているからこそ、僕自身は決して『嫌だなぁ』とは思いませんし、かわいらしいところもあって誠実だと思っています。でも、漆原としてだったら…あの圧迫感は苦手だと思っているかもしれないですね(笑)」
――ドラマも後半戦に突入しますが、漆原と辰之助がどうなっていくのかも気になります。
「漆原の過去や事件の真相など、まだまだ明かされていない部分がこれからどんどん明らかになっていくと思います。3人の三角関係も含め物語がどういう展開になっていくか、ぜひ注目していただきたいです」
【プロフィール】
溝端淳平(みぞばた じゅんぺい)
1989年6月14日生まれ。和歌山県出身。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。以降、ドラマ・映画・舞台で幅広く活躍中。近年の主な出演作にNHK連続テレビ小説「スカーレット」、NHK大河ドラマ「どうする家康」、「天国と地獄~サイコな2人」(TBS系)、「君と世界が終わる日に」シリーズ(Hulu)、「何曜日に生まれたの」(テレビ朝日系)など。4月6日から上演する舞台「カラカラ天気と五人の紳士」への出演を控える。
【番組情報】
オシドラサタデー「恋する警護24時」
テレビ朝日系
土曜 午後11:00〜11:30 ※2月17日は午後11:30〜深夜0:00
※放送終了後、TVerで最新話を見逃し配信
※TELASAでは全話見逃し配信
取材・文/平川秋胡(テレビ朝日担当) 撮影/尾崎篤志
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