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今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー2023/09/08

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

 TBS系で放送中の金曜ドラマ「トリリオンゲーム」。原作・稲垣理一郎、作画・池上遼一の同名漫画を、連続ドラマ単独初主演となる目黒蓮さんを迎えて映像化。目黒さん演じる、ハッタリと野心と類まれなるコミュニケーション能力が武器のハル(天王寺陽)が、佐野勇斗さん扮(ふん)する真面目で不器用だが、ずば抜けた技術を持つパソコンオタクのガク(平学)とタッグを組んでゼロから起業し、型破りな方法で1兆ドル(トリリオンダラー)を稼いで、この世のすべてを手に入れようと成り上がるノンストップ・エンターテインメントです。

 ここでは、「ドラゴンバンク」の取締役で才色兼備の桐姫(黒龍キリカ)を演じる今田美桜さんにインタビュー。役作りで心掛けたことや共演者とのエピソード、さらには今田さんが必ず手に入れたいものについても語っていただきました。

――桐姫を演じるにあたって大切にしていることを教えてください。

「キリカは社長令嬢で、ビジネスマンとしても仕事ができる品格ある女性です。そこを表現するためにあまり早口でしゃべらないようにしています。キリカは24歳と若いですが、これまで成し遂げてきたことが大きいので、その重厚感を意識的に出している部分もあるのではないかなと。また、監督からキリカの父役・黒龍一真を演じる國村隼さんが『まばたきをしないように意識されている』と教えていただいたので、國村さんに合わせて、なるべくまばたきしないよう意識しています」

――國村さんと実際にお芝居されてみていかがでしたか?

「國村さんとは社長室のシーンで初めてお会いしたのですが、お芝居でギロッと見られた瞬間はドキッとしました。目をそらしたくなるくらい緊張したのですが、負けちゃダメだという気持ちで撮影に臨みました。カメラが回っていないところでは、すごく和やかな方なのでそのギャップも驚きました」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――監督からはどんなリクエストがありましたか?

「表情がコロコロ変わる役柄にしたいと最初に言われていました。キリカはキャピキャピしている女の子ではないのですが、無邪気な一面も取り入れていけたらいいね、などと相談させていただきました」

――桐姫と共通するところはありますか?

「ずっと考えていたのですが、撮影が終盤に近づいても共通点はあまり見つけられていません(笑)。魅力にあふれていて格好いい憧れの女性だなと、尊敬する気持ちが大きいです。キリカのわがままは、自分のためではなく会社を思ってのこと。物語終盤ではキリカの人間らしさが現れてきて、会社のために動いている思いや、父を尊敬する娘の一面も見え隠れします。演じていて“尊敬する父の娘”という自分のブランドづくりに励んでいたのだと分かる部分もあり、きっと大変だったのだろうなと感じ取る瞬間も。そんなキリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと思っています」

――SNSでは桐姫のファッションも話題になっています。今田さんがこれまでお召しになって印象に残っている衣装はありますか?

「どれも印象的ですが、ホストクラブに行った時の衣装がとてもすてきでした。あとは、第8話で焼き鳥屋さんに行くシーンがあるのですが、お店に全く似つかわしくない真っ白なドレスを着させていただき、場所とのギャップも含めて好きな衣装でした」

――これまで撮影していて大変だったシーンや、楽しかったシーンを教えてください。

「一番緊張したのは、第1話のビリヤードシーンです。これまでビリヤードは1回ほどしかやったことがなかったので、事前に先生に教えていただきながら練習しました。本番はセリフや動きの流れがある中での挑戦だったので、とても緊張しました。楽しかったのは遊園地のシーンですね。あそこまではっちゃけられるキリカは珍しくて、原作でも大好きなシーン。撮影では素直に乗り物を楽しんでいました!」

――桐姫を演じる上で新たな挑戦だと思ったことや、女優として得たものがあれば教えてください。

「キリカは私にとって全体的に挑戦が多い役柄だと思いました。わがままなお嬢さま役は学生役として経験したことがありましたが、今回のようにビジネス用語がたくさん出てくるような大人っぽく、重厚感のある役を演じるのは初めてだったので不安な部分でした。ビリヤードをはじめ、中国語やフランス語など、キリカを通してたくさんの経験をさせていただいています」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

主演・目黒蓮とは2度目の共演「ストイックだなとあらためて思いました」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――主演を務める目黒さんの印象を教えてください。

「目黒さんとは今回で2度目の共演です。前回ご一緒した映画『わたしの幸せな結婚』(2023年)はお互い陰の要素が強いキャラクターだったので、明るい役の目黒さんを初めて見ました。当時の撮影とは全然違うやりとりですし、火花を散らすように対峙(たいじ)するのも初めなので、楽しくお芝居させていただいています。本作を経て目黒さんはストイックだなとあらためて思いました」

――具体的にはどんな部分にそう感じられますか?

「個人的な印象ではありますが、目黒さんはハルみたいにたくさんお話される方ではない印象です。そんな中で、撮影では出ずっぱりですし、他のお仕事でもお忙しいはずなのにキャラクターを保っているのがやはりすごいなと」

――そういった姿を見てご自身に影響があった部分はありますか?

「ハルとは対峙する役柄なので、とにかく彼の押しに負けないようにしていきたいと思って演じています」

――対峙するシーンの前に話し合いなどは行われていますか?

「目黒さんとは事前に会話せずに撮影に入ることが多いです」

――ガクを演じる佐野さんの印象はいかがですか?

「佐野さんとは本作で初共演。普段の佐野さんはガクとは真逆な印象です。遊園地のシーンまではあまり2人での撮影がなかったので、そこでお話をさせていただきました。笑わせてくださいますし、とてもフランクな方で、現場のムードメーカーだなと思います」

――高橋凜々役の福本莉子さんはいかがですか?

「凜々とは同じシーンが少ないのでたくさんはお話できていないのですが、さっぱりとしていてかわいらしい印象の方です。すごくしっかりしているなと思っていたので、先日ご年齢を聞いて驚きました」

――役としての交流が多い長瀬忠則役・竹財輝之助さんはいかがですか?

「皆さん共通してあまり役の話をすることがないので、竹財さんともたわいもない話をして盛り上がっています。この前はプロジェクターで影絵を作って遊んでいました(笑)。優しくて柔らかい方なので、毎回ご一緒できるのを楽しみにしています」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

「毎作品、成長を感じられるといいなと思いながら努力しています」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――今田さんがこれまでに賭けに出て(思い切ってやってみて)、成功したことがあれば教えてください。

「これまでで一番思い切った決断は、上京すると決めたこと。ずっと迷っていたことだったのですが、今の事務所に声をかけていただいたことがきっかけで決めました。本当にあの時決心して、心から良かったなと思っています」

――その時はどんな方に支えられましたか?

「上京してからは事務所の方にも支えていただきましたし、同じ時期に仲が良い友人も一緒に上京したので、当時『お互い頑張ろうね』とずっとやりとりをしていました。その友人とは今も頻繁に会っています」

――本作ではハルとガクが成長する姿が描かれています。今田さんがこれまでの人生で成長を実感したエピソードもあればお聞かせください。

「俳優というお仕事ではいろいろなことに挑戦させていただくので、そのたびに『これができるようになった』とポジティブに捉えることができています。一つの作品が終わると次も頑張ろうと思えるモチベーションにもなりますし、私自身も毎作品、成長を感じられるといいなと思いながら努力しています」

――では、ハルとガクを「必ず手に入れる」と宣言する桐姫にちなみ、必ず手に入れたいと思っているものを教えてください。

「とても小さいことなのですが、タオルを探しています…(と、記者の反応を伺う)」

――どんなタオルをお探しなのでしょうか?(と、ほっこりする記者一同)

「バスタオルなのですが、自分の中でサイズ感や分厚さがしっくりくるものにまだ出合えていなくて。候補もたくさんあるので、今頑張って探しているところです…って、これ多分、皆さんが望んでいる答えと違いますよね(笑)」

――いえ! すてきなエピソードをありがとうございます。最後に第9話の見どころをお聞かせください。

「第8話は、黒龍がハルに『キリカと結婚しなさい』と告げる原作にもあるシーンで終わりました。その後の展開は皆さんも気になるところだと思うので、ぜひ注目していただきたいです。さらに第8話からはドラマオリジナルの展開もあり、第9話ではキャッシュレス事業がテーマになっています。キリカはハルとガクと対峙しながらも一緒に頑張っていくような展開になるので、これまでとは違ったキリカとトリリオンゲーム社との絡みも見どころです。さまざまなことが起こり展開が早い第9話なので、ワクワクしながら楽しんでいただけたらうれしいです!」

今田美桜、「キリカの人間らしさをお芝居でも上手に表現できたらいいなと」――「トリリオンゲーム」インタビュー

【あらすじ】

 黒龍から、ハル、ガク、祁答院一輝(吉川晃司)が持つトリリオンゲーム社の株式を700億円ですべて買い取ると買収話をもちかけられたハルたちは、ある一つの答えを出す。そして次なるはキャッシュレス決済事業に目を付け、QRコード決済サービス「トリンリンペイ」を開発し、天下を取ろうと動き出す。一方、子会社のスーパーマーケットチェーンに異動させられた桐姫は、ドラゴンバンクの電子マネー「ドラコ」を使った新戦略を思いつく。その桐姫にハルから思わぬ申し出があって…。

【プロフィール】

今田美桜(いまだ みお)
1997年3月5日生まれ。福岡県出身。A型。主な出演作品は、連続ドラマ「花のち晴れ~花男NextSeason~」(TBS系)、「3年A組 -今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)、「ドクターX 外科医・大門未知子」(テレビ朝日系)、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」、「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)など。映画では「東京リベンジャーズ」シリーズ、「わたしの幸せな結婚」などがある。

【番組情報】

「トリリオンゲーム」
TBS系 
金曜 午後10:00〜10:54

TBS担当 A・M



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