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福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー2023/09/01

福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー

 TBS系で放送中の金曜ドラマ「トリリオンゲーム」。原作・稲垣理一郎氏&作画・池上遼一氏の同名漫画を、連続ドラマ単独初主演となる目黒蓮さんを迎えて映像化。目黒さんが演じる、ハッタリと野心と類まれなるコミュニケーション能力が武器のハル(天王寺陽)が、佐野勇斗さんが扮(ふん)する真面目で不器用だが、ずば抜けた技術を持つパソコンオタクのガク(平学)とタッグを組んでゼロから起業し、型破りな方法で1兆ドル(トリリオンダラー)を稼いで、この世のすべてを手に入れようと成り上がるノンストップ・エンターテインメントです。

 ここでは、新入社員にもかかわらずトリリオンゲーム社の代表取締役社長に就任した、高橋凜々を演じる福本莉子さんにインタビュー。役づくりで心掛けたことや役柄との共通点、さらにはにぎやかな現場のエピソードを語っていただきました。

福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――ここまで凜々を演じてきた感想をお聞かせください。

「クランクインする前は、原作をたくさん読んでどういうふうに凜々を演じるか考えていました。現場入ってからは監督とその都度相談しながら役づくりをしています。最初の方はカタブツ感を表現するのがすごく難しかったのですが、話数を重ねるごとに段々板についてきている実感があります」

――凜々を演じるにあたって工夫したことはありますか?

「第2話の初登場シーンは特に堅物な大学生に見せたかったので、とにかく大きい声で話すようにしました。最初の頃は堅物感を忘れてしまうことがあり、リハーサルの時点でもう少し強調してほしいと監督にリクエストされることもありました。アルバイト先の生花店からお客さんを追いかけるシーンでは、『角を曲がる時にロボットみたいに動いたら面白いのでは』という話になり、素早い動きで直角に曲がるなど動きも意識していました」

――役柄と共通する一面はありますか?

「私もどちらかというと真面目なタイプなので、演じていて違和感を抱くことはあまりありません。頭で考えてしまう方ですし、規則やルールも気にするタイプなので、凜々の性格とはそう遠くはないような気がしています。当たり前のことでも、小学生の時から教えられていることは今でも守っています」

――今までの撮影で印象残っているシーンはありますか?

「初登場の回はセリフも多かったので大変だったなと思います。特に『ミニマム・バイアブル・プロダクト』など、普段使わない企業用語に苦戦しました。視聴者の皆さんにも分かっていただけるように、まずは意味を調べるところから始めて、丸暗記ではなく自分でも理解してから話すように心掛けました」

――撮影の中のちょっとしたNGシーンなどはありましたか?

「凜々のセリフは突発的で急に大声を出すことが多いのですが、そういったシーンでふと自分が何を言っているのか分からなくなってしまうことがありました。特に最初の就職活動のシーンでは大声を出した拍子に『あれ、なんだったっけ?』となることが多かったです」

――凜々を演じていて、最初に手応えを感じたシーンはどこですか?

「最初の登場シーンを振り切って演じられた時は『いけるな!』と思いました。人生であんなに大きい声を出したのは初めてで(笑)。テストの時からフルパワーでやらせていただきました」

――オンエア後、SNSでの反響はいかがですか?

「初登場時に『トリンリン』でトレンド入りしているのを見た時はすごくうれしかったです。ゴールデン・プライム帯の作品に出るのが初めてということもあり、クランクイン前はいつも以上に緊張してしまっていたのですが、『原作のまんまだ!』とか『頑張っている姿がいいな』といった感想をいただけていてうれしいです!」

――周りからの反響は届いていますか?

「先日、本作を見てくれている友人たちからトリンリンのあいさつをまねする動画が送られてきました。ヘッドフォンを持っている子は完全再現をしてくれていて、私の知らないところでみんなが盛り上がっている姿を見ると、とても励みになります」

福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー

 「佐野さんがSnow Manさんの主題歌『Dangerholic』のダンスを練習されていて…」

――第2話では、黒龍桐姫(今田美桜)に「今ここであなたが決断して」と問い詰められるシーンもありましたが、撮影現場でも緊張感がありましたか?

「ありました。あのシーンはクランクインする前に皆さんとの読み合わせで一度行ったシーンでもあったのですが、本番では皆さんが衣装着て広い部屋のど真ん中で撮影したので、読み合わせとは印象もガラッと変わりましたし、面と向かって桐姫と対峙(たいじ)するのはすごく緊張しました」

――そんな今田さんは福本さんにとってはどういう存在ですか?

「これまで今田さんはかわいらしい役を演じている印象があったのですが、桐姫を演じる今田さんはとても威厳があってハッとさせられますし、お芝居と分かっていてもちょっと怖い印象があります。でも、撮影の合間ではすごく気さくな方で、いつも優しくお話してくださいます」

福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――二度目の共演となる目黒さんと、初共演となる佐野さんの本作での印象を教えてください。

「目黒さんと前回共演させていただいた時は、意外と一緒のシーンがなくてあまりお話できなかったのですが、今回の現場ではお芝居する機会もすごく多いので、現場での仕事に対する姿勢を勉強させていただいています。佐野さんは撮影序盤の頃からたくさん話しかけてくださいました。おかげで早くに打ち解けることができ、お芝居もやりやすくなりました」

――現場で刺激を受けたことはありますか?

「お二人ともセリフ量が多く、お忙しい中撮影されているのですが、そんな大変さを一切感じさせずに本番できっちり決めているので本当に尊敬しています。本作の現場はスタッフさん同士もすごく雰囲気がいいのですが、そういう雰囲気づくりも目黒さんや佐野さんが率先して行ってくださっているからなのではないかなと」

――今現場で盛り上がっている話題はありますか?

「最近は、佐野さんがSnow Manさんの主題歌『Dangerholic』のダンスを練習されていて、それをみんなでほほ笑ましく見ていることが多いです」

――福本さんもチャレンジされているのでしょうか。

「私はダンスが苦手なので、そっと見守らせていただいています(笑)」

人生のターニングポイントとなる出会いは?「今思うとすごく運命的だったなと思います」

福本莉子、凜々の手応えを感じたのは「最初の登場シーンを振り切って演じられた時」――「トリリオンゲーム」インタビュー

――もし急に大金が自分のところに舞い込んできたらどうしますか?

「大きい買い物はビビってできないと思うので、一旦貯金すると思います。心理的にはすごく安心するのではないかな。老後のことなどを考えると安心して暮らせそうな気がします」

――福本さんにとってぜいたくな買い物はどういうものになりますか?

「今年日本アカデミー賞の新人賞をいただいたので、何か自分の記念になるようなぜいたくな買い物をしたいと思っていました。アクセサリーや時計など、気に入って長く使えそうな物探しています」

――目覚ましいご活躍を見せる福本さんですが、これまでの人生でご自身のターニングポイントになった出会いはありますか?

「私の人生のターニングポイントは『東宝シンデレラ』オーディション。そのオーディションには当時の友人の推薦で参加したのですが、その出会いは今考えると不思議だなと思います。その友人とは幼稚園と小学校も同じだったのですが、話すようになったのは中学校に入ってから。それがちょうどオーディションが開催されていたタイミングで、『こういうの受けてみたら?』と言ってもらったことがきっかけで応募をしたんです。その後は友人と連絡が取れなくなってしまい、不思議とその時だけ話すようになってオーディションを受けることになったので、今思うとすごく運命的だったなと思います」

――いつかそのお友達と再会してみたい気持ちはありますか?

「そうですね。今何しているのか気になりますし、いつかどう思っているのかも聞いてみたいです!」

――では、最後に今後の見どころをお願いいたします。

「第8話から最終回まではオリジナルストーリーの展開になっていくので、私自身もどんな結末を迎えるのか楽しみにしています。皆さんもぜひ引き続き楽しみにしていてください!」

【あらすじ】

 トリリオンゲーム社はゲーム事業、テレビ事業で収益を大幅に伸ばしていった。一方、桐姫がCEOとなった動画配信サービスのD-REX社はアジアの大手家電メーカーと業務提携し、テレビのリモコンに専用ボタンを設置、月額料金を1年完全無料にすると会見で発表。そして配信好調なトリリオンゲーム社のことを「ベンチャーに毛が生えたような競合他社」とやゆする。出席していたアナウンサーの白虎あかり(百田夏菜子)が「トリリオンゲーム社への宣戦布告だ」と意見し、場は騒然となる。そんな中、ハルは話題となったD-REX社の戦略への一発逆転案として、人気アニメスタジオ・ポポラの新作の独占配信をぶち上げる。早速、ハルとガクで交渉に訪れると、ポポラの監督・宇佐美マリ(麻生祐未)はうわさ以上のわがままぶりで…。

【プロフィール】

福本莉子(ふくもと りこ)

2000年11月25日生まれ。大阪府出身。16年、第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリと集英社賞をダブル受賞。2018年に、映画「のみとり侍」でスクリーンデビュー。その後も「センセイ君主」(18年)などの話題作に出演。また、同年には初舞台となるミュージカル「魔女の宅急便」で初主演を務めた。主な出演作は、ほかに「消えた初恋」(テレビ朝日系)、「賭ケグルイ双」(Amazon Prime Video)、映画「思い、思われ、ふり、ふられ」(20年)、映画「映像研には手を出すな!」(20年)、映画「君が落とした青空」(22年)、映画「20歳のソウル」(22年)、映画「今夜、世界からこの恋が消えても」(22年)などがある。

【番組情報】

「トリリオンゲーム」 
TBS系 
金曜 午後10:00〜10:54

TBS担当 A・M



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