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「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!2023/08/25

「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!

 NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「らんまん」。本作は植物学者・牧野富太郎をモデルに、神木隆之介さん演じる槙野万太郎が、幕末から明治、大正、昭和と四つの激動の時代を植物学者としていちずに突き進んでいく、波瀾(はらん)万丈の人生を描いた物語です。

 田邊彰久(要潤)に代わって、徳永政市(田中哲司)が教授となって2年がたったある日、田邊が不慮の事故で亡くなったという知らせが届く。万太郎(神木隆之介)は田邊の妻・聡子(中田青渚)から田邊の遺言を聞き、蔵書を受け取りさらに研究に励む。しかし、そんな槙野家の生活はギリギリだった。寿恵子(浜辺美波)は万太郎の研究と家族の生活のため、叔母・笠崎みえ(宮澤エマ)の料亭で働くことに。ある夜、得意客の岩崎弥之助(皆川猿時)が訪れ、皆で菊を持ち寄って品評会をしたいと言い出す。そして一等に選ばれた菊は、岩崎が買い上げるという。借金返済のために、寿恵子は万太郎に菊の採集を頼む。

「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!

 「らんまん」の物語が佳境に差しかかる中で行われた取材会で、ヒロイン・寿恵子の叔母・みえを演じる宮澤エマさんに今後の見どころや出演についての感想をお聞きしました。

――出演が決まった時の心境を教えてください。

「朝ドラへの出演は今回で2回目になるんですが、初めて出演しました『おちょやん』(2020~21年)が、私の映像作品でのお芝居の中で大きな転機を作ってくれた作品でした。なので、また朝ドラに何かしらの形で関わりたいなと思っていたんですけど、まさかこんなにすぐに出演させていただけるとは思っていませんでした。今回も元芸者役だったこともあり、少し『おちょやん』を思い出すような感じでしたけど、全く別の性格をしたキャラクターで、物語をひっかき回すような人物で、物語を盛り上げていく一員として責任重大だと感じました」

――みえを演じる際に気を付けたことを教えてください。

「みえの登場は東京編からでしたけど、そこまでの『高知編の伝統を守る』という雰囲気とは違い、東京という都会で洗練された人たちのテンポ感のよさや軽快さが、新しい世の中になっていくことに対して自負がある人たちなんだなと、台本から読み取れました。特にみえは、寿恵子や姉の西村まつ(牧瀬里穂)よりも先進的で、当時の世の中の新しい波に乗っていきたいような感じがしていたので、2人の柔らかい雰囲気に切り込んでいく独特なテンポ感やしゃべり方に、勢いをもって挑みました」

――3年ぶりの朝ドラの現場はどうでしたか?

「どの撮影現場もユニークで、出演者の特に中心になっている人次第で大きく変わるとは思うんですけど、どこも共通しているのはこだわりと愛がある温かい現場なので、特に長期で一緒に過ごすので家族的な雰囲気もあり、出演者とスタッフが一丸となって作品を作り上げていくチーム感を強く感じています」

「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!

――当時と比べて変わったことはありましたか?

「『おちょやん』の時は映像作品への出演が少なくて、不安しかありませんでした。当時は環境にも適応していくのが精いっぱいで、コロナが始まったばかりの特別な時期でもありましたが、そこから大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(22年)にも関わり、NHKに通い詰めての『らんまん』の収録だったので、勝手が分かっていてお芝居に集中できて、周りを気にかける余裕みたいなものがありました」

――演じるみえの印象を教えてください。

「最初の頃の登場は、どちらかというと寿恵子の恋路を邪魔するようで、視聴者の皆さんは『うるさいおばさんがまた来たよ』って感じだったんじゃないかと思うんですけど、同時に寿恵子の将来を案じるがゆえの行動だったというのは一貫しています。みえが思い描く女の幸せが寿恵子には正解ではなかったんですけど、寿恵子のためにベストを尽くしてあげたくて空回りで終わってしまっていました。(伊礼彼方演じる)高藤(雅修)さまを振って万太郎と一緒になったことに対して、みえは怒っているというセリフがあります。でも10年も寿恵子に会わずにいた間にみえに何があったか、どういう心境だったかは想像するしかありません。結果としては寿恵子が窮地に陥った時に頼りにしてくれたことを心から喜んだと思います。前半のみえとは違った映り方をしている気はするんですけど、根の部分では変わっておらず、寿恵子が成長したから見えてきたみえの姿があるかなと思っています」

――みえから見た万太郎像はどんなものだと思いますか?

「実はみえは万太郎と一度も会っていないんです。話に出てきていないだけかもしれませんが、台本からは会っていない気がしています。万太郎を認めていないというわけではなく、大成する人だと何度も言っている寿恵子の信念をすごく信じているんだと思っています。菊比べの際に持ってくるノジギクは万太郎の妻じゃなかったら持って来られなかったでしょうし、2人らしさを表すような菊を寿恵子が持ってきて、それをとても上手に岩崎さまへ伝えています。その寿恵子の姿を通して、みえは万太郎を見ているんじゃないかと感じました。お金もないし駄目男とは呼んでいますけど、彼の元で寿恵子は充実した結婚生活を送っているんだと感じているので、最終的にリスペクトしていると思います」

「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!

――では、宮澤さんから見た万太郎の魅力はどんなところだと思いましたか?

「万太郎は自分の思いに真っすぐで、自分がいいと思ったものに真摯(しんし)な姿勢を貫く環境で育ってきたというのは強みだと思います。その半面、社会性という面では不器用で、でも不器用だからこそ寿恵子が支えたいと思ってくれるような人だと感じます。史実は分かりませんが、『らんまん』で描かれている万太郎は育児にも協力的で、寿恵子の幸せというものに気遣っていますが、でも改善できない申し訳なさを感じているのではないかと思います。例えば、寿恵子が『八犬伝』の本を売ってしまった時に、いかに大切にしているかを分かっていて、自分も同じように大切な顕微鏡を手放そうとします。そこから彼女を思いやる一面が見えるので、2人で一つのチームのように感じました」

――寿恵子と再会したシーンについて感じたことを教えてください。

「万太郎と寿恵子の結婚についてのみえの考えは、登場していなかったので人づてにしか分かりませんでしたが、まつが『困ったらみえおばさんのところに行きなさい』と言っているので、完全に関係が途切れたわけではありませんでした。今回の再登場は、寿恵子とずっと会っていないことをうかがえる中での訪問のシーンなので、アプローチに悩みました。寿恵子と最後に会った時の口調もだいぶ厳しかったので、再会の時も厳しい正論をパッと突き付けるんです。でもようやく頼りに来てくれたという思いの方が強いので、抱き締めたいという思いがあったんだろうなと。そこがみえさんらしいといいますか、いったん言いたいことを言った方が2人もすっきり話ができるんじゃないかなと。その2人の関係はなんだかんだで、家族なんだなって感じています」

――脚本の長田育恵さんが書かれた脚本の魅力はどんなところだと思いましたか?

「長田さんの書かれるセリフは本当に絶妙なあんばいで、時代性と伝えたいメッセージを織り交ぜているという印象を受けました。特に寿恵子と万太郎は、新しい時代になったとはいえ、以前の日本の価値観から外れている個性的な人たちです。そんな人たちがすんなり成功してしまったり、周りの人たちが共感してしまったりするのは当時としてはあり得ず、うそっぽくなってしまいます。その部分を周りの登場人物でしっかり説明して、それぞれの言い分や正義を描いていらっしゃって、愛をもってキャラクターを描いていらっしゃるのを感じています。朝ドラという長い期間を描いた作品だからこそ、一生の中での生や死、結婚と出会いと別れの中で、万太郎と寿恵子さんの成長を、さまざまな試練を、時にはコメディーに、時にドラマチックに描かれていて、緩急のバランスがあってとても親しみやすい作品だと感じています」

――最後に視聴者の皆さんへ一言お願いします。

「久々の登場ということで、寿恵子に大きな動きが出てくるというふうに感じていただければうれしく思います。物語の終盤に向かっていく中、愛を信じて心のままに万太郎と一緒になり、楽しいことやつらいことを味わって成熟した寿恵子とみえが再会します。そしてみえの料亭で働くことになった寿恵子が、みえの言った一言や料亭で出会う人たちとの経験で成長して、次のステージに上がっていくのではないかなと。料亭の中で生き生きとしている仲居さんなどの面白い人たちがたくさん登場して、いいところなんだろうなと感じられるシーンがたくさんあるので、楽しみながら見ていただければ幸いです」

――ありがとうございました。

第106回 あらすじ

「らんまん」寿恵子がついに叔母・みえと再会!? 宮澤エマに2人の関係を直撃!

 万太郎は徳永教授から正式な助手として迎えられ、7年ぶりに植物学教室に戻る。徳永からは教室内の標本を充実させることだけを命じられる。万太郎にとってはありがたい仕事だが、この時、徳永らが目指していたのは顕微鏡の奥の世界。万太郎の研究は古いと大窪昭三郎(今野浩喜)にも言われてしまう。

【番組情報】

連続テレビ小説「らんまん」
NHK総合
月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り
NHK BSプレミアム・NHK BS4K
月曜~金曜 午前7:30~7:45ほか

NHK担当/S・A



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