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飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも2022/12/25

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

 荒木飛呂彦さん原作の「ジョジョの奇妙な冒険」から派生した同名漫画を高橋一生さん主演でドラマ化した「岸辺露伴は動かない」(NHK総合)の第3期が、12月26日、27日に2夜連続で放送されます。

 26日放送の「ホットサマー・マーサ」は、バキンと名付けた子犬と散歩に出かけた露伴(高橋)が神社に迷い込み、巨木の根本の洞(うろ)に入ることから物語が始まり、27日放送「ジャンケン小僧」は、行く先々に現れ、ジャンケンを挑んでくる少年・大柳賢(柊木陽太)と露伴の対決が描かれます。

 今回は、人気漫画家である露伴の担当編集者・泉京香を演じる飯豊まりえさんに、京香への思いや新作の見どころ、高橋さんをはじめとする共演者とのエピソードを伺いました!(高橋一生さんのインタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1938033/

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

――ついに3期まで来ましたが、今の率直な思いを聞かせてください!

「2期が終わった時点ではまだ3期は何も決まっていなかったので、『また来年あったらいいですね』と話していて。実際に3期が決まった時は、また露伴先生の担当編集として、泉くんを演じさせていただけることがすごくうれしかったです」

――さまざまなお仕事がある中でも、特別だったということでしょうか?

「ほかにもいろいろなお仕事をさせていただいていましたが、1年に1回、監督の渡辺一貴さんを中心とする露伴チームの皆さんにお会いした時に、しっかりと成長した姿を見せられるように、という思いは強かったです」

――そもそもの話になりますが、原作コミックの「ジョジョの奇妙な冒険」と「岸辺露伴は動かない」をご存知でしたか?

「もちろん知っていました。絶対的な敵が現れても諦めない姿勢や人間賛歌の部分がとても良くて、もっと早く出合いたかったです。『ジョジョ~』はこの作品を演じることになってから触れて、アニメも見たのですが、とても面白かったです」

――泉京香というキャラクターを演じることについては、いかがでしょうか?

「泉くんはポジティブでめげない、ハートの強い女の子で、1期の時はエネルギー不足になってしまって、体力をつけなくてはとすごく感じました。というのも、1期の時に演出の一貴さんから『いつものテンションの50倍で』と言われていて(笑)。『露伴先生の空気感に合わせる』のではなく、『もっと露伴先生を巻き込んで、空気を変えてほしい』という狙いもあったので、そのテンションをつかむまでに結構時間がかかりました。でも、2期、3期では、一貴さんが任せてくださっているように感じて、1期の時を振り返ると、巻き込む力というかエネルギーが足りていなかったと思いますし、すごく緊張していたなと思いました(笑)」

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

――京香といえば、毎回かわいい衣装にも注目が集まりますが、今作で見せたいポイントはありますか?

「今回はショートパンツなのですが、衣装の柘植(伊佐夫)さんが事務所のOKが出るギリギリのラインまで短くしようと追求されていました(笑)。もう一つはタイツ。1期の時に京香の白いタイツが印象的でしたが、今回も同じブランドのタイツを使っているんです。そのファッションの組み合わせがすごくかわいくて。泉くんといえばリボンとタイツが定着したなと思いました。ほかにも、2期の時はデニムなどの変化球で攻めていましたが、今回は初心に返る感じで1期を彷彿とさせるデザインをしてくださいました。また今回は違和感も大事にされていたようで、シースルーの中にあえてふわふわの衣装を着て、おなかが出ているへそ出しデザインにこだわったそうです。普通だと暖かい素材を中に着てシースルーを上に重ねるのに、斬新だなと感じました」

――1期で京香のテンションをつかむのに時間がかかったとのことですが、現在の京香に対する思いを教えてください。

「荒木先生の新作『ホットサマー・マーサ』で泉くんが露伴の担当編集者として漫画に再登場していて、拝見した時は驚きました。もしかしたらドラマをご覧になってくださったのがきっかけで、再び担当編集としてストーリーに加えてくださったのかな?…と、あくまで勝手な妄想ですが(笑)、とてもうれしかったです」

――では、その荒木先生の最新作「ホットサマー・マーサ」を演じた感想からお願いします。

「『ホットサマー・マーサ』は、露伴先生がマスクをつけていたり、泉くんも露伴先生のおうちに伺えず、リモートで打ち合わせするなど、コロナ禍の現代を彷彿とさせるような世界が描かれています。感情がむき出しになっている露伴先生を隣で見られない状況は新しいと感じましたし、そういう状況からすれ違いも起きてしまってトラブルが発生するんです。『富豪村』の時も泉くんが災いを持ってきましたが、露伴先生を巻き込むところは健在です。味方に見えるけど、意外と隣に敵がいるんじゃないかと思いました(笑)。また、露伴先生のファンであるイブちゃん(古川琴音)は泉くんに嫉妬心があって、スタッフさんがあえて、泉くんとイブちゃんの衣装を少し似ているように作ってくださったりと、細部までこだわりがあるんです」

――そんなイブを演じる古川さんとの共演はいかがでしたか?

「同世代ということもあり、共演できることが楽しみでした。イブちゃんはトカゲやヘビを扱う役なのですが、古川さんが『トカゲ、飼いたいな』とお話しされていたのでびっくりしました(笑)。私はそういう動物が得意な方ではないので…。普段の古川さんはとても穏やかでイブちゃんとはかけ離れていて、原作を読んだ時に『古川さんが演じられたら、どうなるのかな』と楽しみにしていたのですが、想像を超える怖さでした」

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

――では、露伴が飼うことになる犬のバキンとの演技はどうでしたか?

「ワンちゃんは大好きなのですが、(バキンは)体が大きくて力も強いので、結構体を持っていかれて振り回されてしまうこともありました(笑)。すごくかわいくて癒やされていましたが、露伴先生がワンちゃんを飼うというのは衝撃でした。今後もし続編があったら、あのバキンはどうなるのだろうとちょっと興味深いです」

――そして、27日に放送される「ジャンケン小僧」は「ホットサマー・マーサ」とはまた毛色の違う作品ですよね。

「『ジャンケン小僧』は打って変わって、ジャンケンを挑まれて、ちょっと大人げない露伴先生を心配しています(笑)。バディとしてのデコボコ感は、だんだん尖がりがなくなり丸くなってきて、お互いを思いやる部分などは成長しているなと、3年たって感じました」

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

――ジャンケンを挑む少年・大柳役の柊木さんの印象はいかがでしたか?

「現場やお芝居をすることがすごく好きな子で、大人っぽいのに、ふとした時に『だって僕、子どもだもん』って言うんです(笑)。子どもを武器に大人と戦っている、まさに“ジャンケン小僧”でした。みんなが巻き込まれて、『柊木くんのテンションについていかなきゃ!』となるんです。そういう意味でも役とすごく合っていました。私は『一緒に心理テストしよう』と誘って、楽しい時間を過ごしていました」

――今作で大変だったことはありますか?

「すごく幸せな環境でお仕事させていただいているなと、毎日実感していました。スピーディーなセッティングチェンジをしてくださったり、カメラマンの方も『立ち位置とかを気にせずにお芝居してください』と言ってくださったり。衣装が繊細になればなるほどマイクが隠れなくなる問題が出てきてしまうのですが、衣装を優先して、頭や足の見えない部分にマイクをつけられるよう即座に対応してくださったり、スタッフの皆さんが愛情を持って作り上げてくださっていたので、私は本当にお芝居だけに集中できる環境で演じることができました。また、一貴さんは長いセリフでも最初から最後まで一連で撮影されるのですが、鮮度を持って演じることができるので、すごく身が引き締まりました」

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

――高橋さんと3期続けてお芝居をして感じたことを教えてください。

「3年間も一生さんとお芝居させていただけたのは、すごくぜいたくな時間でした。尊敬している俳優さんですし、こんなに一つの役を通して会話ができる時間はなかなかない経験なので、今回もかみ締めながら演じさせていただきました。3年目になると、自然とアドリブが出てくることもあり、本番までやってみたいことを取っておいてみたり、楽しみながらやらせていただきました」

――どんなアドリブなのでしょうか?

「泉くんが家から追い出されるシーンでは、先生に『追い出される』と感じる瞬間があって。その時にどれだけ長い時間捕まらないで逃げられるか、どれだけ一貴さんに笑ってもらえるか、そういうことを考えながらの撮影はとても楽しかったです」

――ほかにはどんなアドリブをされたんですか。

「アドリブというか、私がリハーサルでセリフを言い間違えたことが採用されました。すぐ一生さんに突っ込まれて、一貴さんから『採用です』と言われて(笑)。それは京香じゃなくて飯豊まりえだけど、大丈夫かなと思いました」

――ちなみにどのシーンですか?

「うーん。あえて言わないでおきます(笑)。皆さんに見つけていただきたいです!」

――ありがとうございました! 気になりますが、放送を楽しみにしています。

飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも
飯豊まりえ「露伴先生を巻き込むところは健在です」。「岸辺露伴は動かない」3年目の泉京香役でアドリブも

【プロフィール】

飯豊まりえ(いいとよ まりえ)
1998年1月5日生まれ。千葉県出身。2012年に「世にも奇妙な物語’12春の特別編」(フジテレビ系)で女優デビューし、13年には「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)で弥生ウルシェード/キョウリュウバイオレット役で注目を集める。22年はNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で大野愛を演じたほか、「オクト―~感情捜査官 心野朱梨~」(日本テレビ系)で主演を務めた。

【番組情報】

「岸辺露伴は動かない」
NHK総合
12月26日・27日 午後10:00~10:54

NHK担当 K・H



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