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駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー2022/11/28

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

 TBSでは、よるおびドラマ「差出人は、誰ですか?」が放送中。本作は、多くの話題作を世に送り出し続ける秋元康さんが企画・原案を手掛ける、完全オリジナルの“青春ヒューマンミステリー”です。

 テーマは「SNS社会に生きる若者たち」。情報収集や連絡手段だけでなく、人と人との大事な感情のやりとりすらSNSを通じて行われることが当然になった社会に警鐘を鳴らし、若者たちに向けて「本音で人と向き合うこと」「匿名を使わずに相手に気持ちを伝えること」の大切さを、「手紙」というアナログなツールを使って描いていきます。

 今回は、主人公・桑鶴美月(幸澤沙良)の幼なじみでもあるクラスメート・御手洗健を演じる駒木根葵汰さんにインタビュー。本作の見どころはもちろん、幸澤さんの印象や現場でのエピソードについて語っていただきました。

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――最初に台本を読んで受けた印象を教えてください。

「オーディションでグランプリを獲得した女の子が主演を演じるということで、キラキラした作品になると思っていたので、いい意味で期待を裏切られました。手紙ゲームを主軸に物語が進んでいくのがすごく新しいなと思いましたし、デジタル化した現代だからこそ、皆さんに見てほしい作品だなと感じました」

――学園ドラマに出演してみたかったと伺ったのですが、実際に出演してみていかがですか?

「本作では高校生のリアルを題材にしていて、キャラクターとしても物語としても、演じるやりがいを感じています。この作品で学園ドラマを最初に経験できたことはとてもよかったと思っています」

――人間関係がちゃんと見えるリアルなキャラクターたちですよね。

「そうですね。高校生って、何かを思ってもなかなか言えない時期だと思うんです。そういう部分も、手紙ゲームで吐露されるみんなの言葉を感じながら、すごくリアルに感じています」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――健との共通点はありますか?

「僕には幼なじみみたいな存在もいないので、共通点はほぼゼロに等しいです。人気者という部分では、高校生の頃は似たようなところがあったのかな?(笑)。健は、物事を俯瞰(ふかん)的に見ているタイプだと思うのですが、僕が高校生の頃はもっと自分中心で、自分が楽しければそれでいいという感覚で過ごしていたんです。だからこそ、高校生ながら大人な人間だなと思いました。演じる上で難しい部分も多いですね」

――例えばどんな部分でしょうか?

「一番難しいのは、同性を好きになってしまったという秘密を抱えていること。健の気持ちを理解するまでに時間がかかりましたし、今でも分からない部分もたくさんあるので、監督と相談しながら丁寧に演じています。いつもは1カ月ぐらい撮影していくと、だいたい役柄がつかめてくるのですが、健はまだ完全につかめたという感触がなくて、日々向き合いながら生きています」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

「沙良ちゃんがずっと泣いていて感動しました」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――主演の幸澤さんとは共演シーンも多いかと思います。第一印象はいかがでしたか?

「第一印象は、とても真面目な子でした。学校で男子を注意するような生徒会長のようなタイプなのかなと。そういえば、この前、沙良ちゃんが撮影の合間にスマホを見て何か書いていたのでチラッと見てみたら、大変な撮影スケジュールの中でオンライン授業を受けていて驚きました。セリフ量も多いし、初めての現場だから焦る場面もたくさんあると思うんですけど、そんな中でもちゃんと自分の時間を見つけて勉強していて本当にすごいなと尊敬しています」

――撮影が進むにつれて印象は変わりましたか?

「真面目な印象は変わっていないのですが、最近は会話の中でツッコミやボケを入れ合えるような関係になってきて、新しい一面が見れている気がします。年齢の壁がない愛のあるツッコミが返ってくるようになって、とてもうれしいです」

――お芝居の面でもすごいと思った場面はありましたか?

「すごく繊細だなと思ったのが、成田育(櫻井海音)と馬場浩人(窪塚愛流)との和解のシーン。カメラが向いているのはその2人だけなので、教室にいる僕たちは顔は映らず、どんな顔をしていても関係ないのですが、その撮影で沙良ちゃんがずっと泣いていて、その姿に感動しました。感情が繊細で豊かな方なんだなと思いました」

――美月は健にとって、幼なじみでありながら同じ人に好意を持つ恋のライバルという部分もあると思うのですが、健は美月に対してどういう感情を抱いていたと思いますか?

「何でも言い合えた仲だったのに、何かをきっかけに壁ができてしまって、学校では幼なじみではなく、ただのクラスメートとして接するってすごくリアルですよね。異性の幼なじみと同じ人を好きになってしまうことって多くはないと思うのですが、実際に幼なじみのような関係の人にもカミングアウトできない人ってたくさんいると思うんです。美月に自分の秘密をなかなか打ち明けられず、さらに恋のライバルでもあるという葛藤。幼なじみの恋を応援したい気持ちもあるので、そういうところで抱え込んでしまう部分もあったのかなと思います」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

「女子高校生たちに化粧を教えてもらう謎の時間がありました(笑)」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――撮影現場はどんな様子ですか?

「現場は、ヤングとアダルトでチームが分かれていて、僕は、櫻井海音くんと三浦獠太くんと一緒にアダルトチームに属しています。気を抜いた瞬間におじさん感が出たり、座る時に声が出てしまったりするので、チーム内で『海音(おじさん感)出てるよ!』みたいに声をかけ合っています」

――ご自身が年上側になって、現場で気にかけるようになったことはありますか?

「『私が女優になる日_』から出演が決まった皆さんは、初めての現場ということもあり、戸惑っている様子を見かけたら声を掛けるようにしていました。一方で、年上感を出すとお芝居がやりづらくなってしまうこともあると思うので、若作りでテンションを上げて頑張っています。でも、撮影が長引いてきたあたりから、魔法が解けてしまうのは否めません(笑)」

――(笑)。ヤングチームから受けた影響や、それが芝居に生きたことはありますか?

「流行についてたくさん影響を受けています。みんなTikTokを頻繁にやっているのですが、僕はアプリも入れていないので、何が今この現代ではやっているのかというアンテナが低いんです。この現場でみんなに教えてもらって、ちょっとずつ理解していっています。そういう知識って、アドリブや台本のない空白の部分で結構役に立つんです」

――最近学んだ知識は何でしょうか?

「ファミレスのシーンで、女の子たちの化粧品で遊ぶシーンがあったんですけど、撮影時はすべてのものに『何これ!?』って言葉を連発するくらい何も分からなくて。僕の高校時代は、男は化粧しないっていうのが当たり前でしたが、今の男の子たちは、化粧する子も多いですよね。今後、化粧をするのが主流になる可能性も大いにあるので、『知らないとまずいぞ!』という話になり、撮影の合間におじさんメンバーが女子高校生たちに化粧を教えてもらう謎の時間がありました(笑)」

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――では、ご自身の学生時代の悩みと重なることはありましたか?

「高校生の時は、本当になんでもできると思っていたので、悩みが一つもなかったんです。今日楽しければそれでいいという考えで生きていたんです。でも、今振り返ってみれば、本能的に嫌なことから逃げていたのかもしれません。無意識に楽しいことだけをしていたからなのか、嫌なことは何もなかったです」

――先ほど、高校時代は人気者だったというお話もされていましたが、人気者ならではの悩みなどはなかったのでしょうか?

「ないですよ! あ、でもこれはいじめでしょうか?」

――え…!?

「ローファーは1年に1回ぐらいなくなってましたし、上履きや自転車もなくなっていたことがあります…(笑)」

――それは憧れて取られたとかではなく…?

「真相は今も分からないのですが、嫉妬とかされていたのかと思っていました。そういえば、3階からガムを落とされたりとかもありました」

――私なら「悩みを抱えていた高校生活だった」と言ってしまいます…。

「それが悩みだと思ったことはなかったです。『うわ、これはいじめ!?』くらいにしか思いませんでした。もしいじめなら、いじめる方がダサいなって。みっともないからやめた方がいいのになくらいに思っていました」

――いじめ=ダサいと思えるメンタルが素晴らしいです…! 高校生にしてはちょっと大人びた考え方ですよね。

「純粋に大人びていたというより、そんな感じでクールぶっている一面もあったのかもしれません。(笑)」

活躍の幅を広げる駒木根さんが、手紙を出したい相手は?

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

――本作は手紙がテーマの作品ですが、普段手紙を書くことはありますか?

「20歳の節目に、両親に手紙を書きました。あとは、コロナ禍に入った時に時間に余裕ができたので、いただいたファンレターに全部お返事を出そうと思って、手書きで手紙を返していました」

――すてきな時間の使い方ですね! 今、手紙を出したい相手はいらっしゃいますか?

「中学の担任の先生です。中学生の頃は高校生の時と比べるとだいぶ荒んでいて、何も楽しくないと思いながら過ごしていました。早退遅刻癖もひどくて、先生たちからは良くないイメージを持たれて放っておかれていたのですが、1、2年の担任をしてくれた先生だけはちゃんと僕に向き合って怒ってくれたんです。今でもたまに連絡をくださったりして、同級生含めて集まろうとするんですけど、なかなか行けてなくて…。成人式に行けなかったこともあり、中学卒業して以来会っていないので、久しぶりにお話したいなと思っています」

――最近も「クロサギ」(同系)へのゲスト出演をはじめ幅広くご活躍されていてお忙しいですよね。俳優として今後の目標はありますか?

「今はとにかくいろいろな役をやってみたいという気持ちが強いです。本作では、健というなかなかない役柄を演じさせていただいて、『クロサギ』ではアイドル役、そして『商店街のピアニスト』(BS松竹東急)ではストリートピアニスト役をやらせてもらっているので、次はダークな役やヤクザ役にも挑戦してみたいなと思っています」

――例えばどんな作品に出てみたいですか?

「映画の『ヤクザと家族 The Family 』や『すばらしき世界』(ともに2021年)などです。でも、まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたいなと思います。今は出られるものは全部出たい! 人生できるものはすべてやっておきたいタイプなので、目の前のことを頑張りつつ飛躍していけたらいいなと思います!」

――では、最後に本作の見どころを教えてください!

「手紙ゲームが進み、みんなの高校生活がどんどん動いてきています。高校生活で一人一人が抱えている問題や悩みがどんどん明らかになっていって、それを機に物語が進んでいますが、立花(純太)先生(柄本時生)が手紙ゲームを始めた理由もまだ明らかになっていませんし、謎が明かされていないキャラクターもいるので、今後も楽しみに見ていただきたいです。本作を通して、ちゃんと言葉で直接伝える大切さや、デジタルデバイスを通してでは伝えられないことがあるということを視聴者の皆さんにも感じてもらえたらいいなと思います!」

 すてきな衣装をまとい抜群のスタイルを披露してくれた駒木根さん。写真撮影では、午前中の柔らかい光に包まれながらクールでアンニュイな表情を見せる一方で、インタビューでは笑顔でテンポよく質問に答えてくださるのが印象的でした。さらに、駒木根さんの回答に対する記者の予想外の反応にツッコミを入れてくださるなど、どんな人とでもすぐに打ち解けられる人柄の良さが垣間見える一幕も。取材後には、読者プレゼント用にサイン入れした写真をわざわざ差し出してくださる丁寧な一面も見ることができ、終始和やかなインタビューとなりました。

駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー
駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー
駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー
駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー
駒木根葵汰、「まだまだ経験が足りないので、今は作品一つ一つを丁寧に演じていきたい」――「差出人は、誰ですか?」インタビュー

【プロフィール】

駒木根葵汰(こまぎね きいた)
2000年1月30日生まれ、茨城県出身。高校時代に始めたInstagramをきっかけにスカウトされ芸能界入り。映画「ジオラマボーイ・パノラマガール」(20年)や、「NO CALL NO LIFE」(21年)に参加したのち、21年から特撮ドラマ「機界戦隊ゼンカイジャー」(テレビ朝日系)の主人公・五色田介人役に抜てきされた。22年からは同名の役で「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」に出演。その後、「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り」(日本テレビ系)、「クロサギ」(TBS系)、現在放送中の主演作「商店街のピアニスト」(BS松竹東急)などに出演。

【番組情報】

「差出人は、誰ですか?」
TBSほか
月〜木曜 深夜0:40〜0:55(一部地域を除く)

【プレゼント】

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サイン入り生写真を2名様にプレゼント!

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【締切】2022年12月11日(日)正午

【注意事項】

※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。

取材・文/TBS担当A・M 撮影/尾崎篤志



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