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【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」2020/06/27

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

「M」や「BLUE BIRD」「SEASONS」など、時代を彩るさまざまな名曲で日本の音楽シーンを牽引してきた浜崎あゆみさん。そんな“平成の歌姫”誕生の裏に秘められた出会いと別れの物語を描いた小松成美さんの小説「M 愛すべき人がいて」が初の実写化! 安斉かれんさん、三浦翔平さんのダブル主演、鈴木おさむさんが脚本を手掛け、ドラマを盛り上げます!!

 6月27日放送・第6話は、アユ(安斉)が出したアルバムが150万枚を売り上げチーム・アユは歓喜に包まれる一方で、玉木理沙(久保田紗友)らは悔しさをにじませます。「売れた記念に髪の毛燃やしていい?」とライターを近づけ、アユの髪の毛を燃やそうとする理沙。それに対し、アユは「私を燃やしてもあなたの気持ちは消えない」と真正面から向き合い、理沙は泣きだし去っていきます。

 一方、アユとマサ(三浦)がホテルから出てくる写真を手に入れた大浜(高嶋政伸)は、週刊誌に情報を売ろうと画策する。しかし、もっと売れて人気が出てからにしないかという姫野礼香(田中みな実)の一言で2人を泳がせることに。

 その頃、アユは自分が売れることで不幸になる人がいると苦悩。それでも「勝者は敗者の屍(しかばね)を背負って戦っていく。だから勝ち続けろ」というマサの言葉で決意を新たにします。そして、簡単なレコーディングもできるように自宅をリフォームしたマサはアユを自宅に誘い、一緒に生活をするように…。

 さて、インターネットTVガイドでは、アユのプロデューサーを務めるマサと対立する「A VICTORY」社長・大浜を熱演する高嶋さんにインタビュー! 今作のイメージや三浦さんとの共演、高嶋さんを語る上では欠かせない“怪演”についてなどを伺いました。

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

――まずは出演が決まった時の率直な感想をお願いします。

「うれしかったですね。原作を読ませていただいて、歌詞にも感銘を受けましたし、浜崎さんってすごい方だなとあらためて思って。『ぜひやらせてください』とすぐに連絡をしました」

――これまで浜崎さんの楽曲に触れる機会はありましたか?

「もちろん当時聴いていましたけど、じっくりと歌詞を読むというのは今回が初めてだったので感動しました。やっぱり“スーパースター”なんだなと感じましたね」

――以前にあるインタビューで、出演する作品と音楽をリンクさせるというお話を目にしました。ズバリ今作は何の楽曲に重ねて演じられていますか?

「やっぱりビバップですかね(笑)。ホレス・シルヴァーとか、ウィントン・ケリーとか…。ファンキージャズをバンバン車で流しながら現場に向かっています」

――そんな高嶋さんとテレビ朝日のタッグといいますと、「DOCTORS」シリーズや「黒革の手帖」などでの“怪演”のイメージがあります。「M」でも、第1話から“怪演”ぶりが全開だったと思いますが、そのあたりはいかがですか?

「鈴木おさむさんの文章は独特ですからね。最初はこれをどう演じたらいいのか分からなかったんです。セリフにチルダ(=〜)が多いので、1回鉛筆で全部消してから声に出してみたり…。それをまた消しゴムで消してチルダありで演じてみたりと、いろいろと繰り返し試行錯誤しました。その過程で『これは髭が要るな』であったり、『髪の毛はパーマで…』などのイメージが湧いてきたり…」

――なるほど…。セリフから役作りをされているんですね。

「そうですね。髭を生やしたり、髪の毛をセットしたりして、徐々に『こういうイメージかな』とキャラクターをつかめたような気がして。あとは、本読みと現場でのキャストの皆さんとの雰囲気で方向性をつかんでいく感じです」

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」
【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」
【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

――今作の主演を務める安斉さん、三浦さんとの共演はいかがですか?

「アユ役の安斉さんは初めましてですし、三浦さんも7年ほど前に『サキ』(フジテレビ系)というドラマでご一緒したんですけどそれ以来でした」

――特に三浦さん演じるマサは、大浜とは対立する役どころですね。

「三浦さんは完全に“マックスマサ”というキャラクターをご自分のものにされていて素晴らしいですよね。三浦さんの芝居には迷いがない。それについていかせていただいてるというか。それでもっと大浜の役が分かったり…というのもあります。監督もすごくバランス感覚のある方なので、どう大浜とマサを対立させるかというイメージが出来上がっていて。あとはもう現場で作り上げていく感じですね」

――ついていくというお話もありましたが、お二人の中での相談や演技上の話し合いはありましたか?

「撮影の時に『三浦さんの演技は完璧だね、すごいね。ずっとついていけてるからやりやすいよ』って話をしたんです。(撮影の)初日に結構対立するシーンをやったんですけど、三浦さんも『あれがすごくよかったんです』とおっしゃっていて。確かにそうだなって思いました」

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

――いきなり対立シーンから入られたんですか!

「初日の一発目だから大変なシーンを持ってくるというのは監督の意図だったようです。さらっとしたシーンだと、なかなか雰囲気がつかめないじゃないですか? 大変なシーンの方が思い切ってやらないといけないので、間違えたら大きく間違えてしまいますけど、うまくいったらそこでガチッとつかめるんですよね」

――関係が深まっていない状態での重要シーンというのはプレッシャーに感じてしまいそうですが、実際は異なるんですね。

「今回は逆に大変なシーンを持ってきたことで、初日から明確な関係性を作ることができたなと思っています」

――対立のシーンを見て圧倒された視聴者の一人でもあるのですが、初日からのトップギアに難しさを感じなかったのでしょうか?

「大浜は“完全な悪者”ではないですからね(笑)。完全なというか、悪とか犯罪者とか、そういう類の人では今回はないので…。そこは『A VICTORY』という大会社で全員を束ねる社長という役柄なので、慎重にやっています。作品のテイストもあるし、あんまり地味になってもおかしいという気もするので、どこまでやるかというのは監督やほかの役者さんとのすり合わせです。作品というのは“調和”ですからね。その調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメなので。あくまでもこのキャラクターに沿って、自分なりの大浜を探っています」

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

――調和をいい意味で乱す…ですか。

「とは言いながらも、一発目から出ているかもしれないですけどね(笑)。みんなキャラクターが濃いので。新納慎也さんが演じる輝楽(天明)さんも濃いですし、そこにはきちんと乗っかってやっていかないと…という思いもあります」

――では、最後になりますが、本作への意気込みをお願いいたします。

「絶対に面白い作品になるので、最後まで楽しみにしていてください!」

――ありがとうございました!

【プロフィール】

【「М」連載】高嶋政伸◆インタビュー “怪演”が光るベテランが意識すること――「作品の調和をいかにいい形で乱せるか。飛び抜けちゃうとやっぱりダメですからね」

高嶋政伸(たかしま まさのぶ) 
1966年10月27日生まれ。東京都出身。1988年に連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」(NHK)でデビュー。90年に放送されたドラマ「HOTEL」(TBS系)は2002年まで続く大ヒット作品となったほか、02年放送の「こちら本池上署」(TBS系)もパート5まで続く人気シリーズに。テレビ朝日系では、「DOCTORS〜最強の名医」シリーズで沢村一樹演じる主人公・相良浩介と対立する外科のエース森山卓を熱演。そのほかにも「黒革の手帖」の橋口常雄役などの“怪演”が話題となっている。

【番組情報】

「M 愛すべき人がいて」 
テレビ朝日系 
土曜 午後11 :15〜深夜0:05 
※ABEMAで独占配信

【プレゼント】

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テレビ朝日担当 I・S、Y・O
撮影/尾崎篤志



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