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宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」2022/05/28

宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」

 第7週(5月23日~27日放送)の連続テレビ小説「ちむどんどん」(NHK総合ほか)では、自身が働くレストラン「アッラ・フォンターナ」のオーナー・大城房子(原田美枝子)とペペロンチーノ対決をした比嘉暢子(黒島結菜)。勝負に惨敗した暢子でしたが、房子からの条件をのむことでクビを免れることができました。第8週(5月30日~6月3日放送)では、それから1年後の暢子の様子が描かれます。

 仕事にも慣れて簡単な料理を任されるまでに成長した暢子は、子どものころに沖縄で出会った青柳和彦(宮沢氷魚)と再会を果たすことに。今回は和彦を演じる宮沢氷魚さんから、朝ドラ出演への思いや、和彦の人物像、ヒロイン・暢子を演じる黒島さんとの撮影エピソードを伺いました!

――朝ドラは「エール」(2020年)以来、2回目の出演となりますが、今作の出演で新たに発見したことはありますか?

「『エール』の時は、霧島アキラというロカビリー歌手の役で、終盤の約2週間、伸び伸びしながらもグッと詰めて芝居ができました。今回は第1週から登場するので、全編を通して和彦という役を作っていくことができる喜びもありつつ、1年かけて撮影する作品の難しさに加えて、どういうふうに和彦と一緒に成長していくかも考えています。役作りにおいては『エール』とは全然違ったものがありますね」

――宮沢さんは東京編から参加されるということですが、これまでの「ちむどんどん」をご覧になった感想を教えてください。

「明るく笑顔になれる作品です。沖縄編では、沖縄の美しい景色が見られて朝から気持ちが晴れやかになります。一方、1970年代の沖縄の生活が苦しかった状況も分かりやすく、伝わりやすい形で描かれていて。今は観光地として楽しみに行く沖縄ですが、それ以前には人々が苦しんで一生懸命生活をしていた時代もあるので、そこをしっかりと描きながらも前向きに強く生きていく家族や人々がしっかり描かれています」

――和彦は新聞記者ということですが、どんな記者なのでしょうか?

「学芸部の新聞記者で、与えられたものをリサーチして取材するかたわら、沖縄の歴史や文化を伝えることをライフワークにしたいという大きな目標に向かって地道に経験を積んでいく役です」

宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」

――クランクイン前に和彦と境遇が似ているとコメントされていましたが、実際演じてみていかがですか?

「和彦は優しくて穏やかで愛されやすい人間。一見しっかりしているように見えて、ちょっと不器用なところやドジなところもあって、そのギャップが気に入っています。僕も優柔不断だったりするし、ちゃんとしているように見えてボーっとしていることがあるので、そういう部分は似ていますね」

――大きな夢がある和彦ですが、どんな新聞記者を目指していると思いますか?

「和彦が新聞記者として働いていた時代は、社会的にも動きがたくさんあって、新聞をはじめ記事の力が今よりも強くあったような気がしていて。そのせいか、新聞社のシーンはちょっと戦場のようなピリピリした空気が常にあったんです。だから『絶対にこれを成し遂げたい』という強い気持ちがないと続かない仕事なんじゃないかと想像しています。和彦は沖縄について調べて本を書きたいという夢があって、そこに向かっていろいろ経験を積んでいる段階。とにかく目の前にあるものに思いっきり真正面からぶつかっていきます。最初の方はうまくいかなくて上司の田良島甚内さん(山中崇)に助けてもらうことが多いんですが、そういった上司に恵まれて成長していくので、少しずつではあるんですが、自分の目標に前進していると思います」

――撮影では戦場のようなピリピリした空気を感じたとのことですが、新聞社や新聞記者に対してどんなイメージがありましたか?

「僕は恵まれていることに、モデルの仕事を経て芸能界に入ったので、出版社に行って記者さんと接する機会が多かったんです。新聞社ではありませんが、雑誌の編集部に行く機会が頻繁にあったので、自分のデスクで企画と向き合って上司にアドバイスをもらうという景色を結構見てきたので、それを参考にしています。今はパソコンや携帯電話があってコミュニケーションをとる方法も増えているので、違うところはあるんですが、全体の空気感はそれをイメージしています」

宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」

――そんな和彦が第8週で暢子と再会します。撮影はいかがでしたか?

「クランクインして2日目か3日目に撮ったんですが、黒島さんの雰囲気や現場がとても温かくて、すぐに作品の一員になれました。子ども時代の暢子と和彦を演じたのは別の役者さんでしたが、気持ちよく暢子と“再会”できて、とても明るく楽しいシーンが撮れました」

――子ども時代といえば、黒島さんは、子ども時代の暢子(稲垣来泉)の走り方をまねしているそうですが、宮沢さんは、子ども時代の和彦(田中奏生)から受け継いだことはありますか?

「実は、和彦の子どものころを撮影していた時に僕は撮影に参加していないので、お会いする機会がなかったんです。でも、映像を拝見して、彼の若いけどすべてを分かっているかのような堂々とした雰囲気や、ちょっとひねくれている要素を取り入れています。ただ、子どもの時から年月もたっているし、留学するなど人間として変化が求められる環境下にいたので、子どものころの面影は残しつつも、いろんなことを経験して落ち着いた大人になった和彦を演じたいと思っています」

――黒島さんの雰囲気が温かったとおっしゃっていましたが、あらためて黒島さんの印象はいかがでしたか?

「お会いするのが初めてでしたが、昔から黒島さんの作品は大好きで見ていたので、やっとご一緒できる喜びがありました。僕より年下ですが、堂々とした佇まいで『ちむどんどん』の座長にふさわしい女優さんだと思います。お芝居をはじめ、作品に対しての思いがすごく強い方で、集中力だけでなく、みんなをまとめる力があるので、ヒロインが黒島さんで本当に良かったなと思います」

宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」

――黒島さんと共演して「すごい」と思ったところはどこでしょうか?

「朝ドラでは時代が飛ぶ、例えば5年後の物語が急に始まることが多々あるんです。描かれない5年間で、みんな成長していて、人との関係性も変わっている。普通は『ここは5年たっているから、多分こんなことがあって…』と探り探りな感じで入ってしまうんですが、黒島さんは自分の中でしっかりビジョンがあって、そこをすごくスムーズに演じ切っていて。撮り順がめちゃくちゃでも調整できる力があります。それはやりたくてもできることではないし、見事に自分の気持ちをコントロールされている印象です」

――暢子と素の黒島さんは、似ていますか? それとも全然違うのでしょうか?

「もちろん違う人間なので全部が全部一緒ではないですが、人としての強さや一生懸命何かに向かって走り続けている女性という人物像においては、すごく近いものを感じています。一人前の料理人になるという夢に向かって一生懸命に頑張っている暢子と、1人の女優として一生懸命走っている黒島さんにリンクするものがあるので、人間としての基盤というかベースみたいなものは近いんじゃないでしょうか」

――物語は東京を中心に進んでいきますが、沖縄とはどのようにつながっていくのでしょうか?

「和彦は沖縄のことを伝えたい記者なので沖縄とつながっていくし、暢子も家族が沖縄に住んでいるので、沖縄との関係性は常に保たれたまま物語は進んでいきます」

――ということは、今後、沖縄ロケもあるんでしょうか?

「はい、あります。最近別の仕事で沖縄に行く機会があり、この1、2年くらいは沖縄との縁を感じています。沖縄の地理に詳しくなってきて、最近はナビがなくても行けるようになりました。小さい頃からよく沖縄に行っていたので、今27歳で27年間という短い時間の中ではありますが、沖縄が日本をはじめ、世界にどう認知されていったかという過程はしっかり見てきたつもりです。まだ沖縄には戦後の傷跡や戦前から虐げられてきた時代など、つらい思いが少し残っている感じはあるんです。2022年の本土復帰50年という記念すべき年に、沖縄を題材にした素晴らしい作品に参加できるというのは、すごく運命的なものを感じますし、沖縄のことについては結構知っているつもりなので、沖縄に対する知識と好奇心は常に持ちながら演じていきたいです」

――沖縄に縁があるということですが、どれくらい沖縄に行っていますか? また、沖縄で食べるものや飲むもの、行く場所などを教えてください。

「初めて行ったのは3歳か4歳の時。それから年に1度の時もあれば、1年おきに行く期間もあったので全部で何回かは覚えていませんが、少なくとも14、5回は行っています。子どもの時は海で泳ぐことが楽しかったんですが、大人になってからは、勉強になるので記念館を巡ったりしています。最近は『ひめゆり平和祈念資料館』に行くようにしています。食べ物は、中身汁という干しシイタケやホルモンをしょうゆや塩で味付けて煮込んだ、もつ煮込みみたいなスープが好きで、飲み物はビールと泡盛がお気に入りです」

――おいしそうですね! 今後、暢子と和彦がどうなっていくのかが気になります。

「週を重ねるごとに和彦の暢子に対する思いの変化がありますが、和彦だけでなく、登場人物みんなの気持ちの変化がしっかり描かれていくので、そこは見どころですね。誰がどう結ばれるかは分からないので、楽しみにしながら見届けていただけたらうれしいです」

――ありがとうございました!

第8週あらすじ(5月30日~6月3日放送)

宮沢氷魚、「ちむどんどん」黒島結菜“暢子”と「気持ちよく“再会”できました」

 沖縄を出てから1年がたち、ある程度仕事ができるようになった暢子。ある日、オーナーの房子から突然衝撃の通告を受ける。一方、沖縄の実家では良子(川口春奈)が妊娠して出産に備えていた。そして母・優子(仲間由紀恵)と暮らす歌子(上白石萌歌)は、誰にも言えないある秘密の思いを抱えていて…。

【番組情報】

連続テレビ小説「ちむどんどん」
NHK総合 月曜~土曜 午前8:00~8:15ほか ※土曜は一週間の振り返り。
NHK BSプレミアム・BS4K 月曜~金曜 午前7:30~7:45

NHK担当/K・H



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