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神谷浩史◆「今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています」2021/03/10

神谷浩史◆「今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています」

 声優として、「進撃の巨人」のリヴァイ、「おそ松さん」のチョロ松など、数々の人気キャラクターを演じる神谷浩史。男性声優が参加するレーベルのKiramuneでは、アーティストとしても活躍しており、3月24日には7thシングル「BRAND NEW WAY」が発売される。今回のシングルのコンセプトを決める際、コロナ禍の影響があったと話す神谷。楽曲について、また、Kiramuneで開催しているリーディングライブについても聞いた。

――シングル制作のきっかけ教えてください。

「前のミニアルバム『TP』は昨年4月に発売されて、緊急事態宣言が発令されている中だったので、本来あるべき形での発売ができなかった感覚がありました。本当は『TP』を引っ提げてのソロライブツアーが予定されていましたし、特典には、そのバックステージへのご招待も織り込んでいました。でも、それが全部なしになり、スペシャル配信番組をやることになったので、そこで僕としてもいろいろ提案させていただいたんです。普段のリリースイベントでは、会場にいらした皆さんだけが見られる映像を流します。配信とはいえ、番組の最後にはそういったものを用意したいと思いました。そこで、『とりあえず1曲だけでもいいから新しく作っちゃいませんか』と…。次、いつCDが発売できるかまったく分からないけれども、“次に向けて動いている”っていうところを皆さんにお見せした方がいいと思ったんです。コロナ禍で薄暗い世の中になっている中で、“エンタメは止まってないよ”と皆さんにお伝えして安心していただければと…」

――そのタイミングでできた曲が、今回のシングルに収録されているんでしょうか?

「そうです。『more than Zero』という曲ですね。歌詞と曲を仕上げていただき、仮歌作業をしているところを撮影し、配信番組でサプライズという形でお見せしたんです。そして、コロナ禍においてどのように動けばいいか、展望がだんだん見えてきたところで、『じゃあ、具体的にどうやってシングルを作っていきましょうか』という話になりました」

神谷浩史◆「今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています」

――では、「more than Zero」には、コロナ禍のメッセージが込められているということですね。

「“エンタメを止めないためにも、次のもう一歩を作っておきたい”という思いをくんでいただき、作詞は只野(菜摘)さん、作曲は黒須(克彦)さんにお願いしました。今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています。只野さんには、“ちょっとひねくれた大人の初めの一歩”とオーダーしました。“大人になって、今さら初めの一歩もないだろう”という考えもあるとは思いますが、どんな状況下においても、どんな年齢感においても、“初めの一歩”はあるはずなので…」

――リード曲は「BRAND NEW WAY」ですね。

「リリースが3月なので、『今まで扱ってこなかった桜ソングや卒業ソングみたいなニュアンスがいいんじゃないか』と話していました。“爽やか”ともちょっと違うんですが、今まで歌ってこなかった曲だと思います。この楽曲では、僕のMVを過去に何本も手掛けてくださった河谷(英夫)監督が、おしゃれなMVを作ってくださいました」

――「Chuuu!!!」は一転してムーディーです。

「『more than Zero』も『BRAND NEW WAY』も作詞家は女性の方だったので、『3曲目も女性にお願いしようか』という話もありました。ただ、あがってきた曲にムードがあったんです。そこで、『イズムリズム』を作詞してくれたzoppさんにエロい歌詞を書いてもらったら面白いんじゃないんですか、と提案しました。そうしたら、スタッフさんが実際にお願いしてくれました。この曲で歌われているのは、勘違いしたモテる男の人。ちょっとダサ過ぎる男の歌詞ですね。タイトルは、zoppさんからもいくつか候補をいただきました。僕はクリエーターさんが出してくださる言葉は、特別な力を持っていると思っています。なので、なるべくその候補から選ぼうとしたのですが、“どうせなら突き抜けたタイトルの方が良くないか?”と思い、意味が分からないタイトルを僕から提案させていただきました。最終的に、タイトルは僕が付けて責任を取る形に…。『イズムリズム』の時と同じですね」

――Kiramuneの活動では、リーディングライブが今年10年目ですね。

「まさかリーディングライブを10年続けられるとは、思っていませんでした。1年目に『鍵のかかった部屋』(2012年)をやった時は、“もうこんな大変なことはやりたくない”と思っていました(笑)。推理ものなので、ずっと1人でしゃべりますし…。何も分かっていなかったので、そういう感じになっちゃったんですね。 今だったら、1回目にあの作品は選ばないでしょうね。ただ、分からないなりに一生懸命やり続けてきた結果、10年なりました。Kiramuneでのアーティスト活動を始めた頃は、アニメーションで声の芝居をしている人が歌うことが珍しかったと思うんです。だから、“特別なことをやっている”と下駄を履かせていただいた上で評価をいただくとことに、納得感がありませんでした。そんな中で、リーディングライブでは、声優としての本来の力を使って皆さんにエンターテインメントをお届けしています。これからも、やらせていただける限りはやり続けたいというモチベーションで頑張りたいです」

神谷浩史◆「今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています」

【プロフィール】

神谷浩史(かみや ひろし
1月28日千葉県生まれ。水瓶座。A型。アニメ「『進撃の巨人』The Final Season」(NHK総合)、「おそ松さん」(テレビ東京ほか)、「スケートリーディング☆スターズ」「文豪ストレイドッグス わん!」(ともにTOKYO MXほか)などに出演中。

【作品情報】 

神谷浩史◆「今、エンタメが届けられない、届けにくいこの状況で、“また新たに届けていこう”という意思を表明しています」

7thシングル「BRAND NEW WAY
3月24日(水)リリース

リード曲は、春の季節にぴったりの“卒業ソング”とも受け取れる「BRAND NEW WAY」。「more than Zero」は、“エンタメの歩みを止めない”という神谷の決意を感じる1曲。ほか、大人のムード漂う「Chuuu!!!」も収録。

【豪華盤(CD+BD)】¥2,400+税
【通常盤(CD)】¥1,400+税(写真)
Kiramune Project

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取材・文/仲川僚子 撮影/JOKEI ヘア&メーク/川又由紀(HAPP’S.) スタイリング/村田友哉(SMB International.)



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