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「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」神谷浩史 インタビュー2022/06/15

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」神谷浩史 インタビュー

「共演が多いマモちゃんと自由と僕に何となく関連性のある役を振っていただけて、うれしかったです」

 「ドラゴンボール」シリーズの劇場版最新作「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」が公開中だ。前作の劇場版は、全世界で興行収入135億円を突破した「ドラゴンボール超 ブロリー」(18年)。「~ブロリー」に引き続き、今回も原作・脚本・キャラクターデザインを鳥山明が務めることでも、話題を呼んでいる。本作に登場する人造人間のガンマ1号を演じるのは神谷浩史。彼にとって、「ドラゴンボール」とは? そして、ガンマ1号というキャラクターとは? 「ドラゴンボール」世代ならではの神谷のインタビューをおくる。

――ガンマ1号役は、どのように決まったのでしょうか。

「『この役でお願いします』という形で、ご指名を頂きました。お話を頂いた時は、うれしかったですよ。長く続いているコンテンツですし、ある程度役も固まっている中に新しく入っていける機会はなかなかありません。しかも、鳥山明先生自らがデザインをされた新キャラクターで参加できるなんて、すごい機会に恵まれました」

――ガンマ1号の第一印象は?

「人間ではないことが分かる顔のデザインとか…もうどこからどう見ても、鳥山先生によるデザインなんです。頭に特撮ヒーローを思わせる“角”のようなものが生えているところとか、マントをしているところとか、“ヒーロー”を連想する分かりやすい“記号”がデザインに落とし込まれています。すごく洗練されていますよね」

――ガンマ1号は、宮野真守さん演じるガンマ2号と対になっていますよね。

「ガンマ1号とガンマ2号は、“スーパーヒーロー”なんですよ。その一言に尽きます。ただ、どういうポジションで悟空(野沢雅子)や悟飯(野沢)たちと関わっていくのかは、劇場で確認していただくしかないのですが…。ガンマ1号、ガンマ2号ともに、自分たちがヒーローであると自覚を持って行動しているキャラクターです。根っこはふたりとも同じですが、ガンマ1号は非常に実直でまじめ。一方、ガンマ2号は“変身ポーズはどうあるべきか?”とか、“周りから見られた時、よりヒーローであるためにはどうしたらいいか”を考えていて、少しコメディー寄りです。そういったものを、マモちゃん(宮野)は伸び伸びと体現する俳優ですから、間違いがないですよね」

――宮野さんとの共演についてはどう思われましたか?

「うれしかったですね、やっぱり。それと、ガンマ1号とガンマ2号を作った天才科学者・Dr.ヘドを演じるのは、入野自由なんです。共演が多いマモちゃんと自由と僕に何となく関連性のある役を振っていただけて、うれしかったです」

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」神谷浩史 インタビュー

――宮野さんとは、アニメ「機動戦士ガンダム00」(07~09年)や「デュラララ!!」(10年)などで共演されていますね。

「僕が折原臨也役、マモちゃんが紀田正臣役を演じた『デュラララ!!』は、群像劇ということもあって、最初は作品自体がどういうものか、実はよく分かっていなかったんです。ただ、オーディションの段階から、折原臨也という役を任せていただけるなら、“絶対この役を作品の中で一番面白くしてやろう“と思っていました。アフレコが始まってみると、1話からマモちゃんがアクセル全開でやってきたんです。それを見て、“うわ、これはすごく面白い作品になるな”と思いましたね」

――ガンマ1号は、野沢雅子さん演じる悟飯とのバトルシーンが多いと聞きました。

「アフレコは、マコさん(野沢)と2人でできたんです。マコさんは感覚がすごすぎるんです。『ここで悟飯のアドリブをください』と言われてテストで画を見たら、『はいはい、ここね。分かりました』って。ディレクターさんの言葉が少なかったとしても、全部分かっちゃうんですよね。しかもマコさんのお芝居は絶対にズレない。1回だけ見た画を完璧に覚えていて、そこに演技を当ててくるんです。衰えるどころか、僕よりも優れたものを持っていらっしゃる。ベテランだし、マコさんにとっては当たり前のことなんでしょうね。尊敬できる大好きな先輩です」

――では、神谷さんにとっての「ドラゴンボール」とは?

「ある意味ひとつのジャンルですよね。僕は連載開始からずっと作品には何らかの形で触れていて、それを原体験として持っています。『ドラゴンボール』は小学生の時から当たり前にあって、自分たちを楽しませてくれたコンテンツ。その作品の新作が今も作られ続けていて、自分が声優として関われる…。いまだに不思議で、ちょっとどういうことか見当がつかないところがあるんです」

――では最後に、今回の映画の見どころを教えていただけますでしょうか。

「全部です。何より、新しい映像表現で描かれる、今まで誰も見たことがない『ドラゴンボール』。それだけで価値のある作品だと思うんです。鳥山先生が描いている単行本の表紙の絵が、ずっと動くんですよ! ついにここまで来たんだと感じます。エポックなものになると思うので、ぜひ劇場でご覧になっていただきたいですね」

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」神谷浩史 インタビュー

【プロフィール】

神谷 浩史(かみや ひろし)

1月28日千葉県生まれ。水瓶座。A型。7月2日公開の「映画 バクテン!!」と7月8日公開の映画「おそ松さん~ヒピポ族と輝く果実~」とに出演。10月スタートのアニメ「うる星やつら」(フジテレビ系)主演。

【作品情報】 

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」神谷浩史 インタビュー

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」
全国公開中

「ドラゴンボール超」の劇場版第2弾。悪の軍隊・レッドリボン軍が復活し、天才科学者のDr.ヘド(入野)は新たに人造人間のガンマ1号(神谷)、ガンマ2号(宮野)を作り上げる。彼らと悟飯(野沢)やピッコロ(古川登志夫)との迫力のバトルを最新技術を駆使した映像美で描く。

取材・文/仲川僚子 撮影/JOKEI ヘア&メーク/NOBU(HAPP ‘S.)  スタイリング/村田友哉(SMB International.)



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