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中山優馬、音楽劇「蜜蜂と遠雷」主演の意気込みを語る。オーケストラとの共演は「本当に楽しい!」2021/04/25

 5月1~3日まで博多座(福岡市博多区)で上演されるシンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷~ひかりを聴け~」。その主演・中山優馬が来福し、取材に応じた。

 原作は恩田陸氏の同名小説。史上初の直木賞(第156回)と本屋大賞(第14回)のダブル受賞を果たした恩田氏の代表作で、2019年には映画化もされた。その話題作が今回シンフォニー音楽劇として舞台化。芝居、歌に加えオーケストラ、ピアノ演奏という豪華なコラボレーションで音楽小説の世界観をよみがえらせる。横浜、大阪での公演を経て、5月の博多座が最終公演となる。

 本作は世界的コンクールに出場する若きピアニストたちや、彼らを取り巻く人々の心情が描かれた青春群像劇。超絶技巧を要する数々のクラシックの名曲演奏とともに、コンクールファイナルに向けてのドラマが展開される。中山が演じるのは、主人公の天才ピアニスト少年・風間塵(かざまじん)。役どころ通り中山自身が劇中、サティの名曲「ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)」などをピアノで生演奏する。

 オーケストラとの共演も見どころの一つ。今回はコンクールというストーリーのため、通常のピット(舞台下などに設けられた演奏者用スペース)ではなく、舞台上に配置されている。博多座公演では九州交響楽団が演奏を担当。長らく九州をリードしてきた伝統楽団ながら、博多座での演奏は初となる。

 そんな見どころの多い作品について、中山が意気込みを語った。

――中山さんは昨年の劇団新感線の公演(2020年4月公演「偽義経冥界歌」新型コロナウイルスの影響で中止)以来の博多座公演になりますが、今のお気持ちはいかがでしょうか?

「そうですね、前回が公演中止でしたから。この話をいただいた時に博多座という文字を目にして『絶対に成功させなくてはいけない』という気持ちになりましたね。博多座に立つことを目標に、この作品を“守り続けてきた”といっても過言ではないです」

――横浜、大阪と公演を終えて、最後が博多座となりました。手応えはいかがでしょうか?

「これまで日々細かい直しをいれながら、“進化”させていっています。オーケストラは公演場所によって違っていて、博多座では九州交響楽団の皆さまとご一緒するんです。横浜でも、大阪でもオーケストラの方々から『博多座はすごいですね。“九響”とやるんですね』と言われました。一流のオーケストラの方々が一目置いている楽団だと聞いています。どういう感じになるのか、非常に楽しみです」

――今回ピアノ演奏にも挑戦されるとのことですが、ご自身はピアノの経験はありますか?

「2015年に一度舞台で弾いたんですけど。その時はキーボードだったんですよ。なのでピアノは、今回が初めてですね。しかも5年以上も前の話ですから。2月頭くらいから稽古を始めたんですが、最初はどこが“ド”でどこが“ミ”なのか分からない状況で…正直今も分かってないですけど(笑)。指の“振り付け”といいますか、『こことここを同時に押す』っていうのを連続で覚えるっていうようなやり方で覚えました。僕が弾くのはサティの『ジュ・トゥ・ヴ』という曲とバルトークの『ピアノコンチェルト第3番』の頭の方なんですが、ピアノの基礎を1から勉強していく時間はなかったので、その曲だけに集中して、その曲だけを覚えたって感じですね」

――1日にどのくらいの時間練習されたんですか?

「相当やりましたね。ピアノの先生のところに午前中行って、2時間ほど稽古をさせてもらって。自宅でもテレビの前にキーボードを置いて。消音設定にして、テレビ見る時もずっと指の練習をするみたいな。少なく見積もっても1日5、6時間はやっていたんじゃないかと思います」

――お芝居の中でも音楽家の役という高いハードルに加えて、今回オーケストラと共演というのはどういう感想を持たれましたか?

「オーケストラとの共演は本当に楽しいです! こんなに楽しいものが舞台芸術の中にまだあったんだって思うくらい。演奏をしっかり聴かせる時間が、第2幕に25分くらいあるんですけど、ここが本当にピアノコンクールさながらというか、お芝居との境目がなくなった瞬間で。これを見せるためにわれわれが芝居でそこまで持っていくといった感覚でもあるんですよね。だからオーケストラの方々にもいろんな面で助けていただいていますが、こちらもお芝居で音楽を最高潮に聴ける状態までお客さんの気持ちを高めるっていう“やり合い”というか、“助け合い”というのは病みつきになりますね」

――九州交響楽団との共演に対して、何か準備しているようなことは?

「昨日(4月18日)大阪の千秋楽が終わったんですけど。千秋楽公演を前に、指揮者の千住明さんがある場面のシーンで、オーケストラの皆さんに『踊りませんか?』って提案して、そういう演出が追加されたんです。ほぼぶっつけ本番のような形だったんですけど、素晴らしいものになって。ただ九響の皆さんは果たしてこれをやってくれるのだろうか…と(笑)。九響の演奏で既に120点のものですから、そこにうちの演出というのを足すことがいいことなのか、悪いことなのか…。音楽のことはもちろんお任せしていますが、お芝居に付き合っていただくシーンもあるんです。なので、音楽と芝居っていうのが別物にならないように、キャストとオーケストラの皆さんとの絆を深めて一体感を出していきたいなと思っているところです」

――今回演じる風間塵という役は、原作では“感覚”で生きていて、つかみどころのないようなキャラクターです。役作りは難しかったのでは? 何か特別にされたことはありますか?

「原作は16歳なんですけど、実は当初演出家の方から『実年齢(27歳)くらいの設定で』って言われてたんです。でも稽古が進むうちにどうもシックリこなくて。相談を重ねて、原作に近い年齢設定ですることになったんですよ。16歳じゃないとできないことというか、大人に対しても少し失礼なことでも無邪気に投げかけてしまうような…。いい意味での無垢さであり、悪い意味での愚かさ。それらを同時に表現できる年齢が16歳だと思うんです。あと、天才ピアニストという役なんですけど、その“天才”って何だ?って考えた時に、誰よりも音楽を愛して…ピアノで勝ちたい、うまくなりたいとかではなくて、ただピアノが好きで触れていたいっていう、好きなものへの思いや信じる力が人一倍たけている…っていうところだなと思ったんです。なので僕もピアノを弾く時や、芝居をする時には、好きなものに触れているという感覚だけを研ぎ澄まそうと意識して稽古に臨んでいました」

――風間塵とご自身との共通点を感じる部分はありますか?

「僕はお芝居が大好きで、芝居をやっていない期間は本当に楽しくない人生だなと思うほどなんです。作品と作品の間とか、次の作品が決まってない時間とか。僕は何のために生きてるんだろうって思うこともあるんですよ。なのでそういう好きなことへの“思い”のようなものは、分かるところがありますね」

――共演者の方が“濃い”メンバーだとお見受けします。またメンバーには、ジャニーズの後輩もいますが、そのあたりはまた違った感情などがあったりするんでしょうか?

「後輩に関しては、わが子を見ているような思いです(笑)。『ほかの方々に迷惑をかけてはいけないぞ』とか『もっと伸び伸びやっていいぞ』という思いと。後輩の存在は刺激的でもありますね。あとは、ヒロインのヒグチアイさんは歌手の方ですし、パーマ大佐さんは芸人さんですし、宝塚(歌劇団)出身の湖月わたるさんや、ソプラニスタの木村優一さん…、本当に全く違うジャンルの方が集まっているので、正直稽古では全く統率が取れていなかったんですよ(笑)。『みんなバラバラの方向、向いてんな。これ』って思う瞬間がいっぱいあったんですけど。それを音楽というものが包んでくれて、なんかうまくいってるなって感じです(笑)」

――風間塵という存在がいろんなメンバーに刺激を与えて、みんなが幸せに…というストーリーですが、中山さんにとっての“風間塵みたいな人”は今までにいましたか?

「う~ん。やっぱりジャニーさん(故・ジャニー喜多川さん)ですかね。本当にジャニーさんの存在は切っても切れないです。ジャニーさんに“YOUやっちゃいなよ精神”みたいなのをたたき込まれたんで。15歳の時に東京ドームでKAT-TUNがライブやってるから『見においでよ』って言われて。行ったら『出ちゃいなよ』って出されて(笑)。4万人のお客さんは誰も僕のこと知らないっていう状況の中、『1曲歌っちゃいなよ』って言われて、自分のデビュー曲を歌ったんですよ(笑)。それ以来、怖いものがなくなったと言いますか。あれに比べたら、まだいけるなって考えます(笑)。臆病な僕にすごいパワーを授けてくれたなって思いますね」

――最後に、今回の舞台への意気込みをお願いします。

「コロナ禍でつらい時間を過ごしている人たちも多くいると思いますが、音楽ってそういう人たちにも届くパワーがあるなと思っています。音楽の価値をしっかりと届けたいですし、皆さんの時間とお金を絶対に無駄にはしないように精いっぱい努めます!」

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