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ふぉ~ゆ~・辰巳雄大が舞台「ぼくの名前はズッキーニ」で6歳児役!「僕のターニングポイントになりました」2021/03/18

ふぉ~ゆ~・辰巳雄大が舞台「ぼくの名前はズッキーニ」で6歳児役!「僕のターニングポイントになりました」

 ふぉ~ゆ~・辰巳雄大の主演舞台「ぼくの名前はズッキーニ」の東京公演が終了し、3月19日から大阪公演が行われる。原作は、2002年にフランスで発刊され、世界中でベストセラーとなったジル・パリスの同名小説。親を失い、養護施設に引き取られた少年・ズッキーニを主人公に、施設の仲間や、彼らを見守る大人たちとの日々を描いた物語は、国境や世代を超え多くの人の心を動かしてきた。その作品が世界初演として日本で舞台化された。脚本・演出にノゾエ征爾を迎え、笑えて、泣けるストーリーが描かれている。

 東京公演初日前日には公開ゲネプロが行われ、6歳児・ズッキーニ役の辰巳らが熱演。役者たちが演じる姿は、まさに多感な少年・少女そのもので、ズッキーニと、彼が淡い恋心を抱くカミーユ(川島海荷)、最初は彼に反発するが良き友達になるシモン(稲葉友)らが、キラキラとまぶしくせつない日々を駆け抜ける姿が鮮烈だった。

ふぉ~ゆ~・辰巳雄大が舞台「ぼくの名前はズッキーニ」で6歳児役!「僕のターニングポイントになりました」

 ゲネプロ後の囲み取材には、辰巳と川島、稲葉、平田満、ノゾエが出席。大人の役者が子どもを演じることにこだわった理由について、ノゾエは「大人がやることによって、子どもの頃から失ったもの、失いたくなかったものなどのはかなさが、物語とは違うところで、体からこぼれてくるといいなと思った」と語った。

 ノゾエの演出は、子どもと化した役者たちが、セリフを話しながら、心に浮かぶ風景を舞台の壁一面に描いていくもの。「何を書いてもいい」と言われると大人は戸惑うものだが、辰巳が「いつ何を描くかも決めずにスタートして、ブレーキをかけず、『まず描いてみましょう』とノゾエさんが言ってくださって…。チョークの粉まみれになった稽古着が思い出です」と、本番に向けて重ねた日々を思い起こした。歌の稽古でも、「今、皆さんは失敗を恐れている大人です。失敗も何も恐れずにやってみましょう」とノゾエから言葉をかけられたとのこと。稽古が始まった当初は、“自分たちは飾っていることがすごく多い”と実感したそうで、「6歳のめいっ子の動画をすごく見ました。混じり気のない、一色で届けてくれるような言葉の出し方とか、すごく参考になりました」と告白。

 また、役のメークで頬を赤くする際には、楽屋が同室の稲葉と2人でチークの濃さを日々検討しているそうだ。さらに、会見では“自身の子どもっぽいと思う部分”などの質問も飛び、川島が「すぐ顔に出るところ」と言うと、全員が「あ~」と笑顔を見せるなど、カンパニーは和気あいあい。「ものすごく濃密な稽古を重ねて、初日を迎えられることに胸が躍ってます。自分たちで作っていくということが強い作品なので、僕にとって演劇者としてのターニングポイントになりました」と、辰巳は舞台への思いを口にした。

ふぉ~ゆ~・辰巳雄大が舞台「ぼくの名前はズッキーニ」で6歳児役!「僕のターニングポイントになりました」

 最後は、観客に向け「これは養護施設の子どもたちと、それに関わる大人たちの話です。僕らも養護施設に詳しい方にお話を聞いて、登場人物のことを深く知ろうと努力をしました。作品はフィクションですが、その中にいる子どもたちが戦っていることにうそは全くなくて、本当にこういう子どもたちがいることを実感しました。今、人との関わりが少なくなっている中で、登場人物たちは前を向いて笑顔で生きています。たくさんの愛が詰まっている作品だと思いますので、1人でも多くの方に届けられたらいいなと思っています。大阪公演までしっかり走り切って、また見たいと思われるような作品になるよう、カンパニー全員でやっていきたいと思います」と熱いメッセージを伝えた。

 大阪公演は、3月19~21日まで、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演。

取材・文/幸野敦子


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